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戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
最終章 第2次終末戦争編
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最終章 第87話 神の魔法

 莉音と心の実力は、並大抵の敵では攻撃を当てることができない程に高かった。

 魔力を用いた攻撃は莉音に無効化され、武器を用いた攻撃は、そもそも攻撃に到達する前に2人に斬り殺され。その死体は味方に蹴り飛ばされたり、踏み潰されたり……時間が経てば経つほど、莉音と心にとって戦いやすいような戦場ができあがり始めていた。


「くそっ!ちょこまかと!」

「また隣の隊がやられた!なんなんだこいつらは!!」

「やっと見つ――ぐはぁぁ!」

「金色の奔流を追え!!そこに奴らがいる!!」

「んなこたぁわかっ――いたぞ囲え!!」

「「「うおぉぉぉぉぉ!!!」」」


 莉音と心が何もない空間で止まった瞬間、死肉に群がるハイエナのように敵が群がった。数百人の層が何重にも重なっており、人1人通れる隙間を消していたため、脱出経路を絞ることが出来ていた。


「あれ?なんか……敵が連携取れるようになってない?」

「始まってからかなり時間経ってるし、なんだかんだ数は減らせてるからね。生き残りたいからこその戦略を採り始めたって感じじゃない?」

「あ~……って、そんなこと言ってる場合じゃ無いと思うんだけど、どうするのこれ」

「え~っと……心はこの場所で待っててくれる?私1人で蹴散らしてくるから」

「……本当に大丈夫なの?」

「もちろん。それに、ちゃんと試したいからさ」


 心にしゃがんでいるように伝えた後、敵との距離が数メートルまで縮まるのを見計らって、莉音は敵の中心に飛び出した。徐々に加速する莉音にひるんだ数十名の敵が、進む速度を少し落とした。その少しの隙間が、莉音の狙いだった。

 敵の中に出来た空間に滑り込み、「同化」した剣の能力で近くの敵の体内魔力濃度を急激に高めた直後に落とし、魔力負荷によって内部から破壊した。その後その死体の1つに左手を入れ、その体を媒介として空中に巨大な魔法陣を生成した。


「……よし。これで準備できた」


 莉音はその敵から離れ、魔法陣の上、ちょうどしゃがんでいる心の場所まで移動した。


「我が魔力により命じる……神への反逆者に断罪を。世界の破壊者に滅亡を……開闢はじまれ……そして終焉われ……これが神すら飲み込む力だ!」


 莉音の手が上から下に振り下ろされ、魔法陣が敵軍の層を心側から5層分飲み込み、上半身を全て粒子レベルまで分解しきった。この魔法陣は心に到達する寸前で止まり、ドミノ倒しのように敵が前向きに倒れた。

 魔法陣が消滅し、体を小さくして待っていた心のもとにゆっくりと着地した。


「大丈夫だよ、心」

「……莉音?」

「どんな状況でも、今の私なら乗り越えられるから」







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