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戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
最終章 第2次終末戦争編
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最終章 第72話 命を賭し、戦いへ

「まず、この神域魔法の本来の用途なんだけど、この魔法自体は回復魔法の一種なんだ。魔力専用の還元魔法って感じ」


 莉音は手に魔力の球体のような物を作り出し、心と苺に1つずつ渡した。


「これ……何?」

「この魔法で還元された魔力だよ。2人とも、かなり消耗してたから、ちょっとお裾分け。もっとあげれたらいいんだけど、今の私にはこれが限界」


 莉音は2人が魔力を吸収したのを確認してから、苺の質問の答えを、ゆっくりと話し始めた。


「私の魔力は、あの時に比べてかなり少なくなってるの。具体的には……残り3割くらいかな。だから、この魔法を使わないと『青薔薇は再び咲き乱れる』を使えない。だから、今使ったの。というより、ここで使うしかなかったかな」

「もしかして莉音……もう使うつもりなの?」

「ううん。違うよ。でも、この先いつ使うことになるかわからないからさ。それに、2人と一緒に、もっと戦っていたいから……少し休憩の意味も込めてね」


 莉音が話しながら立ち上がった。周囲にあった大量の死体は全て消え、更地になっていた。


「よし……そろそろ再開しよっか。絶対に勝つよ。学園で待ってる皆のために。そして、私たちがここで戦い続けたと証明するために」

「うん!」

「…………莉音」

「ん?苺ちゃんどうしたの?」

「莉音は……本気で、勝つつもり?」

「うん。当たり前じゃん」

「わかった……」


 苺はゆっくりと自分の胸の中に手を入れ、そして、1本の剣を引き抜いた。


「私も……本気で行く」

「苺ちゃん……ありがとう。でもそれって……」

「命は賭ける。それだけ」

「苺……私も、行くよ。今まで以上に、全力で!」

「心まで……ありがとう2人とも……!行くよ!」

「「うん!!」」


 3人を覆っていた神域魔法が音を立てず消滅した。そして、ずっと外で待たされていた敵軍が雪崩のように3人の元に走り込んできた。様々な属性の魔法、槍や剣等の多くの武器が向けられ、さっきまでの穏やかさを一瞬で壊していった。

 推定200万人。これほどの数の敵を前にしても3人全員が冷静だったのは、揺るぎない覚悟があったためであろう。


「やっと見えたぞ!!やれぇぇ!!!」

「待ちくたびれたんだよ!早く殺させろぉぉ!!」


 敵の叫び声が明瞭に聞こえる距離まで近づいた時、その中心にいた3人が別々の方向へ駆けた。



 そして、莉音、心、苺の3人による殺戮の時間がまた始まったのであった。







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