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戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第1章 白夜学園編その①
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第1章 第28話 心のギフト

「なんであんなことしたの!?」


  部屋に戻ってから私は心に怒られた。でも、私のあの時の判断は間違ってなかったと思ってる。


「本当に決裂しちゃうことになるかもしれないんだよ!?」

「ねぇ、心……」


  でも。それでも……私は心に(すが)るしかなかった。あの時、玲奈からの挑戦を受けたことは正解だったのだろうか?もし受けてなかったら、普通に謝るだけで済んだのではないだろうか?


「私……どうすればいいの?」


  それは、紛れもない本心だった。私は、このままじゃダメだと思い、例え命を()すものだったとしても受けて立った。


「ねぇ心……怖いよ……私…本当に怖いの……」

「それは、皆と決裂することが?」

「それもそうだけど……」


  私は、初めて弱音を吐いている。でも、これが本当の私。戦争を1人で終わらせて、英雄とまで呼ばれるようになって……勝手に、自分は前の自分より圧倒的に成長してると思ってた。


「本当に怖いのは……違うの………私が本当に怖いのは…自分なの」


  思い上がっていたんだと思う。それがなくなった私なんて、本当に弱いただの16歳。戦いに強くても、人間としては不完全。そんな私だけが、虚しく残されていく。


「だから私……魔剣に委ねてた部分があったんだと思う……」


  こんな私の言葉を聞いて、心は何を感じているのかな?同じ魔剣使いとして、こんな弱気な私にイライラしてるのかな?わかんないや。分かろうとしてないから。


「だからね……心。わた…私……」

「もう、大丈夫だよ。莉音」

「……え?」

「今まで、寂しかったんだね。でも、もう大丈夫。私がいる。それに、玲奈だって、本当は戦いなんてしたくないよ。ただ、莉音の本音が聞きたいだけ」


  心は、笑っていた。心も辛いはずなのに……ぐちゃぐちゃに感情が入り乱れてるはずなのに……笑って、明るく努めようとしてくれた。


「ありがとう……心。少し、勇気が持てたよ」

「そう?私氏は何もしてないよ」

「ううん。とっても大切なものをくれたよ。私じゃ抱えきれないくらい大きくて、温かいもの」


  落ち着いた。さっきまでの(つら)さが嘘みたいに吹っ飛んでしまっている。


「だから、私は行くよ。大丈夫。死ぬことなんて考えてないよ。ただ……」

「ただ?」


  やっぱり恥ずかしい。今の私、顔真っ赤なんだろうな…まぁそれはいいとして、本当に玲奈と戦わなきゃならないんだな〜。なんて思ったこと、本人には絶対に言えない……


「ただ、仲直りをしに行くだけ。それじゃあ、行ってくるよ」

「うん。いってらっしゃい!」


  太陽みたいに明るい声を背中で受けながら、決戦の場所に向かう。

 これまでとは違う、とても軽い心持ちで。







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