第3章 第11話 宣戦布告
全体の士気は最高潮に達していた。
「さて、今から発表するよ。今からそれぞれの隊でまとめて呼ぶことが多くなると思うから、しっかりとチームメンバーを憶えておくこと。あと、それぞれチームリーダー的なのを決めてるから、基本的にはその人の判断に任せるって感じ」
莉音はそこで一呼吸置いた。
「じゃあまずは第一部隊から。まず私、あとはヤウィーと苺ちゃん。一応リーダーは私で」
「ヤウィー、これから同じチーム......よろしく」
「は、はい!」
「じゃあ次は第二部隊だね——」
その調子で第二、第三と三つの部隊に分けられた。第二部隊は龍護をリーダーとして、シェリーとカール。第三部隊は玲奈をリーダーとして、心、将となっていた。
「それじゃ、まずはチーム名を決めよっか。あと、これから部隊別に行動するから魔力端末をリーダーのみんなに配っておくね」
「私のチーム名は決まってる!チーム執行部!」
「むぅ......私、ハブられた」
「大丈夫......じゃあ私たちはハブられ隊でいこっか。龍護は決まった?決まったよね。じゃあ龍護のチームは変隊で」
「おいこら待てぇ!!勝手に決めた上にとんでもない名前にするな!」
茶番をはさみながら、戦い前とは思えないくらい緩い雰囲気で準備が進められていった。
「さて、とりあえず......一つだけみんなに言っておきたいことがあるんだよね」
「どうしたの?改めて」
「みんなが寝てた時、私とヤウィーで散歩に出てたんだよね。その時に、神獣筆頭の獅子宮に接触されたんだよね。それで、彼らは私たちに試練としてこの危機を起こそうとしているって言っていた」
「試練......?」
「そう。多分、終末戦争の時に受けた激しい失望感と、先の学園戦争のときに開放された魔星剣によって本当の意味で世界を作り出そうと考えたんだろう。って考えてる」
莉音は少し後悔を孕んだ言い方で、神獣について考えていることを全員に共有した。全員の気持ちをもう一度引き締めるため。そして、これで勝ったとしても神獣に買った問うことにはならないことを心の隅に置いてもらうため。
「でも、難しく考える必要はないよ。私たちの力を......人類の力を神獣に示せれたらいいんだから。だから——」
莉音は拳を宙に掲げ、宣言するように放った。
「勝とう!!みんなで!!!!!」