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戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第2章 白夜学園その②
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第2章 第95話 白雷と暗黒と黒雷と

「くっ、さすがにしつこい!」


 目の前で魔星剣が不規則な動きを続けながら、莉音と心への攻撃を続けている。


「そうだね。もうそろそろ大人しくなってくれてもいい頃のはずなんだけど……」

「もういっそのこと解放(バースト)を使って破壊を──」

「心待って。それをするにはまだ早いから」

「でもこのままじゃ(らち)があかないよ!」

「確かに……」


 完全に防戦一方となってしまっている2人は、魔星剣の攻撃をしのぎながら顔を見合わせて苦笑した。

 その刹那、ピタリと攻撃がやんだ。これまでの動きが嘘のように、魔星剣は空中でかすかに振動しながら止まっていた。


「あれ?なんで急に?」

「さて……心、本当の意味で覚悟を決めなきゃいけないよ」

「え?それって……」

「そのまんまの意味だよ。正直、私の予想を遥に上回ってる。だから、命懸けで戦う覚悟と、あともうひとつ。どんなに無様でも、最後まで戦い抜く覚悟だけは、今のうちにして。無理なら私一人でやるから」


 莉音は、あえて厳しい口調で心に告げた。そうこうしている間に、剣の柄を握っている腕の断面から黒くくすんだ魔力が溢れ出てきていた。


「さぁ心、どうする?」

「私は……」


 黒い魔力は、空まで覆い尽くさんとするほどまで膨張し、その後人間の姿を形成し始めた。


「戦う。莉音と一緒に、あの魔星剣と!」

「ふふっ。それでこそ心。じゃあ、剣を構えて」


 皆崎を彷彿とさせるようなシルエットになった時、まるで意志を持ったかのように黒い魔力に生気が宿った。始まりは、本当に一瞬だった。


「サケベ…………シュウ……エンヲ」

「行くよ心!雷電煉獄(グレイクロフォリア)解放刻印(バーストブレイク)!」

「おっけー莉音!」

「ホロ……ボス。スベテ……ノミコンデ…………ヤル」


 3本の剣が戦場の中心でぶつかった。白雷、暗黒、黒雷……3つの強大すぎる力がぶつかりあった時、世界は1度、色を消す。






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