表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第2章 白夜学園その②
127/334

第2章 第93話 皆崎vs龍護

「同じ魔剣が2本……不思議な光景ですね」

「呑気な事言ってられるのも今のうちだよ!」

「戦場に1番要らないものを今から教えてあげるよ」


 2本の魔剣と1本の魔星剣が向かい合う戦場に、最早他の人間が立入る隙は無かった。


「いんや、その必要は無いと思うぜ」


 この男以外には。


「ちょ!?龍護あんたは下がってなさいよ!ここはあんたがムグゥ」

「……大丈夫なの?」

「お陰様でな。あと、せめて心に最後まで言わせてやれ。なんか泣きそうな顔してるぞ」


 龍護を押し戻そうとした心を無理矢理抑えている莉音に、半ば呆れた顔で龍護は言った。そこにはさっきまでの頼りない龍護はいなかった。


「なら大丈夫そうだね。よし、3人で皆崎を倒そう」

「むぅ……なんか納得いかないけど、莉音が信じるなら私も信じる。ただし!足引っ張ったら巻き込むから」

「おおっと……それはお厳しい」

「お話は終わりましたか?」

「そっちこそ、準備はいい?」

「もちろんですとも。では──」


 刹那、皆崎の姿が消えた。皆崎が持つ魔星剣の能力は、相手が少人数であればあるほど厄介なものだった。


「──あなたから黄泉へ送って差し上げましょう」

「やっぱ俺からか」

「黒百合烏の力、舐めないでもらいたいね」


 後ろにまわった皆崎は龍護に連続攻撃を仕掛けた。斬撃、刺突、蹴り……ありとあらゆる方向から飛んでくるそれらを、龍護は一切能力を使うことなく避け切った。それも、その場からほとんど動かずに。


「そんなもんか?」

「いいえ。正直あなたを見くびっていました。では、私も本気で行きましょう。魔星剣奥義──」


 一度距離を取り、皆崎は魔星剣に魔力を流し込み始めた。ただでさえ禍々しかった右腕はより不気味さを増し、体の侵食が進んだ。


「なぁ、せっかくのとこ悪いんだが、今は俺に託してくれないか?」

「いいよ。心がなんと言おうと、私は君に託す。だからその後は、私達に託して」

「へっ、いいぜ。それに、これ以上なったら俺は無理だからな」

「え?何何?何か起こるの!?」

「それはあとのお楽しみ。それじゃあ龍護、頼んだよ」

「おう!」


 莉音と心は戦線から1歩引いた。来るべき戦いに備えるために。


「──黄道十二星座の力を今ここに!蟹座解放(キャンサーブレイク)!」

「また厄介そうなのを……仕方ねぇか。甲虫解放魔法第7門 尖灯門(クリスタライズ)


 2人の男が立つ戦場で今、2つの大きな力がぶつかろうとしていた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ