第2章 第78話 自分を信じて
「ねぇ、またあの時みたいに、手を引っ張ってよ……そうじゃなきゃ私…………もう」
シェリーは死んだように眠っている莉音の近くに膝をついた。目の前では心とカールと龍護が3人目の刺客と戦いを始めていた。
「私……どうすれば…………」
答えが出ることない自問自答を繰り返しているうちに、少しずつ闇に飲まれていくシェリーに、誰も気づけなかった。
「おいおいどうしたぁ?威勢の割に大したことねぇな!」
「言ってくれるねぇ。まだまだこれからだよ!」
「そんな余裕、いつまで続くかな!」
「そっちこそ、そろそろ余裕ないんじゃねぇのか?3人から攻められてたらジリ貧なのはそっちだろ」
「まぁな。だが、精神的余裕はすぐにでも取れるんだよ。とりゃ!」
3人目の刺客は僅かに空いた隙間に風の槍を投げた。それは寸分の狂いなくたった一人の元に飛んでいく。
「まさか!!?」
「くそ!卑怯なことしやがって!!」
「フハハハハ!これも戦法だ!さぁ、仲間がやられるのを指くわえてみてろ!」
風の槍が迫る中、シェリーはまだ闇の中にいた。とても暗く、そして深い闇。戦っていた全員がやられたと思った。
『大丈夫。シェリーなら戦えるよ』
「え?」
『ほら。自分を信じて。私とすごした、あの日々を信じて』
シェリーは声を聞いた。幻聴かもしれなかった。でも、シェリーにははっきりと聞こえた。
『シェリーなら大丈夫。私が保証する』
「ふふふ……もう、そんなこと言われたらやるしかないじゃない」
シェリーは、閉じていた目を開けた。そして、目の前に迫った風の槍を真正面から受け止めた。
「シェリー!!」
「おい…………マジかよ……」
「おいおい、何をしている?お前らの敵はお……」
砂埃が薄れていくと共に、刺客の顔が青ざめていく。なぜなら、殺したと思っていた相手が、青い光を纏って立っているのだから。
「ごめん、待たせちゃったかしら?」
「ううん。ナイスタイミングだよ」
愛剣を構え、鋭い目で刺客を見るシェリーに、さっきまでの闇はなかった。そして、宣戦布告として相手に斬りかかった。
「最後の宝剣『不可侵』!」
「なぁ!?」
その剣は、刺客が咄嗟に構えた風の剣をすり抜け、左腕を肩から斬り落とした。
「舐めないで。私は、もうさっきまでの私じゃないわ」
「くそっ!やってくれたなぁ!!」
刺客が振り下ろす剣を軽々とシェリーは避けた。シェリーの背中に莉音が付いている。そう、心は感じた。
平成も終わり、令和の世になりましたね。
どうも、九十九 疾風です。皆さんは、令和の目標等は決めておりますでしょうか?私としては、この作品を完結まで無事導き、より多くの人に読んでいただき、少しでも私の大好きなこの
「戦場に咲く赤き青薔薇」
をたくさんの人に知ってもらうことですかね。
私は、この作品への愛は誰よりも強いと自信を持って書き進めておりますので、時折性癖が垣間見えるかも?ですが、これからも本作をよろしくお願いします。




