表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
戦場に咲く赤き青薔薇  作者: 九十九疾風
第2章 白夜学園その②
101/334

第2章 第67話 再会と再開

「おい!このままじゃらちがあかねぇぞ!」


  男からの猛攻を凌ぎながらカールが叫んだ。ずっと莉音を狙っていた男は、戦いの途中で標的を変えていた。


「そうだね……苺!」

「了解。異空間結界魔法(ゲート)解放」


  男が苺から1番遠い位置に移動した瞬間、心は苺に異空間結界魔法を使うように言った。理由として、少しずつだけど相手のペースで戦闘じゃない戦いを進められ始めたからだ。さすがにこのままでは押し切られる。


「ちぃ……逃げたか」


  男は姿を晒して悪態をついた。あと一歩のところで閉じた異空間結界魔法の入口を見ながら、少し過去を思い出していた。


「それにしてもよぉ……」

『どうした?お前にしては珍しく感傷的じゃないか』

「いやな。見間違いだったらいいんだけどな……」

『結界魔法の娘か?』

「お前もか?」

『儂を舐めすぎだ。それに、お前も本当は確信しているんだろ』


  男は何も答えなかった。否、答えられなかった。図星だったからだ。それに、心が叫んだ名前───


「なぁ、お前はあいつとの約束覚えてるか?」

『愚問を。殺したやつの名前は忘れない。だろ?』

「あぁ。それは俺なりの弔いなんだけどな……まさかこんな形でそのことを後悔するとは思わなかったぜ」

『そうだろうな。だから入らなかったのだろ?』

「お前、本当にそういうとこ鋭いよな……まぁ、そういう事だ。正直、これは今断ち切らなきゃならねぇ。俺の為にも───」


  再び空間の扉が開く。僅かな休戦時間が終わりを告げ、殺し合いが再開する瞬間。その刹那に、知らず知らずの間に運命の悪戯にあった2人が言葉を交わした。


「とても今更だけど………久しぶり」

「あぁ。まさか生きてるとはな」

「色々あった。でも、こうして会えた。だからちゃんと、お礼が言える」

「じゃあ、俺からはおめでとうと初めましてを送ろうか。今からの戦いに捧げるために」

「うん。ありがとうは、その後に」


  そして、2人は各々の過去に戦いを挑む。そして、男と苺はもう一度剣を交わらせた。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ