策士な男
今さらですが、こんな釣りみたいなタイトルですみません。
ですが、作品の方は真面目に書いていくのでどうかよろしくお願いします。
俺は深夜ふと目が覚めた。
リアはすでに寝ているはずなので、俺が起きた原因は彼女ではない。
「追っ手か……」俺はそうつぶやくと、枕元に置いてある兵士から奪った剣を持った。
コンコンと部屋の扉からノックの音がする。
「ルームサービスは頼んでないはずなんだがなぁ」扉に向かってゆっくりと歩きながら、そう言って剣を抜こうとした瞬間だった。
「お、お客様のお連れ様への……」扉の向こうでは女の声が聞こえた。
あれっ、女の子?と思い当初の考えと違ったので少し驚いてしまった。
「その……きゃぁあ!!」
扉の向こうの女の子の声にどうしたと思ったのもつかの間、突然大男3人が扉を蹴破って部屋の中に入ってきた。
「なにっ!?」
俺は少し驚いたが、それも予想の範囲内だと思いなおして剣を抜いた。
そして剣を強く握り、俺もまた敵との間合いをつめるため走りだす。
「うおおっ!」先頭にいる一人目の敵が大きな声を上げて上段切りを仕掛けてくる。
俺はその上段切りをよけ、身をかがめ敵の懐に入り敵をきった。
そのまま、力尽き倒れかける一人目をそのままタックルのように押してその後ろにいた二人目にぶつける。
二人目は反撃に驚いたのか、一人目を払いのけるのに手間取っている。
そのひるんだ隙におれは二人目の首の近くを切る。
「大人数で戦う時に大事なのは広い場所で一斉に切りかかることだぜ!!」
そう入ってすぐのキッチンはあまり広くなく多人数で戦うには適していないのだ。
だからこそ俺は自分にとって有利な場所で戦うためににげるのでは無く、立ち向かったのだ。
俺に恐れをなしたのか、はたまた俺の助言をうけとったのか三人目はキッチンよりは広い廊下へと逃げ出した。
「それも予想済みだっ!」
俺は持っていた剣を思いっきり投げつけると、剣は敵の心臓めがけてまっすぐ飛んでゆき敵に突き刺さった。
「そして、次はっ!!」
俺は2人目が持っていた剣を奪うと急いでベットルームへ戻った。
ベットルームはあらされていた。窓がわれ、ベットのシーツははがされていた。
そして、そこには四人目の敵がいた。
「おかしい!情報ではアイツはこの部屋にいるはずなんだ!!」
敵は取り乱していて、そんなことを叫びながらベットのあたりばかり探している。
敵はこちらに気づいていない様だ。
「お探し物はここだっ!」
そう俺は叫んで、敵がこちらを振り向いた瞬間にフルスイングを頭に食らわしてやった。
四人の敵が倒れ、襲撃は終わったようだった。
「なぜ……俺達の動きがわかった……」
四人目の敵が最後の力を振り絞ってつぶやいたので、俺は答えてやった。
「窓を確認したらロープを使って逃げ出せそうだと思ったんだ。逆に考えるとリアを誘拐する際敵もここを使うであろうことや扉から入ってくる奴とは別の敵が来ることも考えられる。だからあらかじめ対策ができた。まさに……」
「まさに発想の勝利ですねっ!」
そう言って護身用の鍋蓋を持ったリアがクローゼットから勢いよく飛び出してきた。
最後のキメ台詞くらいカッコつけさせてくれよぉ……