石になった少女
ある国に、とても元気に笑う青い目をした女の子がいました。
その子は、飛びっきりの幸せを振り撒きました。
そして、人々を幸せにし続けました。
人々はそんな少女にとても感謝しました。
しかし、いつの日にか隣の国がそんな少女の話を聞き、少女をさらってしまいました。
王様は少女を脅し、幸せを振り撒かせました。
そして、また少女はもとの国の王様に連れ戻されました。
王様は言いました。
「君がいなくなったとたん、この国は不幸になった」
そして、もとの国の王様も少女に幸せを振り撒かせました。
ある日、二つの国は戦争になりました。
毎日毎日、少女を奪い合う戦いが行われました。
そして、少女は戦争で両親を失いました。
少女は泣きました。
泣いて泣いて泣いて…
少女の目はいつしか、灰色になってしまいました。
そして、少女は不幸を振り撒くようになりました。
色々な国へ行っては不幸を振り撒き、いつしか少女は人々から嫌われるようになりました。
しかし、少女は幸せでした。
もう、私を取り合って戦争することはない。
そう考えると少女はまた、涙を流しました。
そして、少女は石になりました。