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探偵は謎に溺れ  作者: 鈴木3号
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陽光に微睡む

――照りつけるような光が、両の瞼に突き刺さる。朝の日差しが容赦なく意識を揺さぶるが、まだこの微睡みに埋もれていたいという気持ちもある。


「朝ですよー。今日は仕事なんでしょう?早く起きないと遅刻して困るのはそっちですからねー。」


呆れ気味な、いつもの声音。だが、何か重要なことを言っていたような気がする。

そう、今日はとても大切な――


「うわあああ今日仕事だったあああ」


「だから言ったじゃないですか…まあ幸い早い内に起きてくれたので時間はまだあります。朝ご飯くらいゆっくり食べて下さいね?」



男は壁に掛かった時計を見る。八時半。まだ余裕だ。嗚呼、危ない危ない。こいつが起こしてくれなければ、どうなっていたことか、と。男は眼前の少女に感謝の意を伝えた。


「やっぱ、俺の人生にお前は必要不可欠だわ。」

礼を言われた少女は、あからさまに赤面した。当然だろう。字面だけ見ればプロポーズである。まだ齢十二の少女には重すぎる。


しかし当の本人は「生活上の自己管理にはお手伝いさんでもいなくてはやっていけない」位の意味合いだったため、あからさまに不思議がったが、

慌てた少女の声に、思考を切り替えさせられる。

「き、今日は仕事なんですから!早くしないと!」「あ、ああそうだった!まずいまずい。」


と云うと男は、丁寧に整えられた食卓の椅子に腰を下ろした。無論少女が用意したものである。ひよこ豆の野菜スープ、メープルシロップのフレンチトースト。なかなかあっさりしたメニューである。しかしそのどれもが洗練されており、作り手の腕が窺えた。

それを寝ぼけた顔で一度眺め、手を付けようとした矢先、


「いただきます、は?」


と子供じみた注意をされた。さらにこちらも

「いただき、ます」

と、実に素直に従った。

これが、大体毎朝繰り広げられるとある探偵事務所の朝だ。

できるだけ早く更新します(´・ω・`)

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