合コンへ行く
こんなことうだうだ考えても仕方ない。
それより今日の合コンだ。
正直なところ少しめんどくさい。
もともと合コンは苦手だ。
でもまあSEXできればなんでもいっか。
とりあえずシャワー浴びて…
化粧…めんどくさいなぁ……
女って損してる。
こんなに頑張ってかわいくいてもそれが当たり前みたいに思われるなんて。
そんなことを考えながらシャワーの栓を捻る。
「あ。」
生理来てる。
なおさら行く意味ないじゃん。
「なんで今来るの…」
私の切実な思いはシャワーの音にかき消される。
生理不順なのは日頃の不摂生のせいだし自業自得ではあるんだけど…
ピル飲みたいけど飲んでる女って遊んでるって思われがちだしなぁ…
あー…SEXできないのに合コン行く意味あんの…?
めんどくさい。
帰りたい。
結局ドタキャンするにも紹介出来る人が見つからず仕方なく来た。
けど。
「あー!お腹痛い!!!」
そっとトイレに立ち、由美に愚痴っている。
「そんなこと言われても…薬飲む?」
「ロキソニンなら飲む。それ以外効かない。」
「あー…ないわごめん。」
「別にいい。」
別にいいと言ったもののこのどうしようもないお腹の痛さはなくならない。
帰りたい。
でも、流石にこんなに早く抜けるわけには…
「と、とりあえず!席戻ろ?二次会は参加しなくてもいいし!!」
「そうね。」
由美が私の苛立ちに気づき慌てて取り繕う。
由美が悪いわけじゃないのに。
そんな態度にまでイライラする。
席に戻ろうとトイレから出るとそこにさっきまで私の向かいの席で隣の女と楽しそうに話していた男がいた。
「遅いから心配になっちゃって…大丈夫?」
女子トイレの目の前に立つという暴挙をさえも不審に見えない物腰の柔らかさとルックス。
きっと今日の合コンの一番人気だ。
「大丈夫…って言いたいんだけどちょっとお腹痛くて……心配かけちゃってごめんねっ」
ふわっとかわいい女の子を演じる。
この演技も身に染み付き過ぎて最近じゃ何も考えなくても出来る。
「そっか。無理しないでね?なんなら俺送って行こうか?」
その発言にちょっと困ったような顔をしながら由美を見る。
「ほんとは私が送って行きたいんだけど幹事が抜けちゃうのはな…って思ってたの!翔馬くんが送ってくれるなら私も安心かも!!」
流石由美。
ナイスアシスト。
「翔馬くん…迷惑かけちゃうけど送ってもらってもいいですか…?」
上目遣いで言えばほら。
「ん。送らせていただきますお姫様。」
と、語尾に♡が付きそうな勢いでお返事があった。