ケンカ&部員集め
俺は本気でこの部に入って得をしているのだろうか。
ましてや損ばかりしている気がするのは俺だけだろうか。
真実の勝手な思いつきで部活を作り、そこに嫌々入部。
あの、ウサギ騒動で腰に激痛が走る。俺が運動をしてないということもあるかも
知れないが・・・とにかく俺が損にしていることは確かなのだ。
ついさっきだって・・・
「ここにさぁ、部活は三人からって書いてるんだけどどういう意味かなぁ」
ここで俺は〈そうか。なら部員が足りないな。やめにしよう!〉とでも言えば
良かったのだろうか。いや、無理だ。そんなに俺は脳みそが働くわけではない。ましてや、漫画を読みながら話を右から左に聞き流していたらどうだろう。
確実にテキトーな返事をするのは目にみえている。
でも・・・
「あぁ~。そのままの意味だろ。嫌なら部員集めるしかないだろ。
まあ(友達の少ない)俺たちが集められるはずないしな。」
と言ってしまった。
さすがこれはないだろうと、今では思う。
言った本人でもイラッっとする言葉を、負けず嫌いですぐ行動にだす奴が聞いたらどうだろうか。もちろん逆ギレか意地っ張りが発動するはずだ。
それも相手は真美だ。美人という職権を乱用(?)し、部活まで思いつきで
作ってしまう(というか作った)あの真実だ。
どうなるかわからないというか予測不能だ。
そんな真実の答えは・・・
「そ、そんなにいうんだっだら渚が集めてくればいいじゃない。
明日までだからね。明日までに部員1人ここに連れてきなさいよ。」
なんて、むちゃくちゃなことを言う奴だ。(原因が俺だが)
で、結果。俺はたった一人の親友に頭を下げるはめになってしまった。
それも、その親友は真実と同じくらい性格に問題がある。
ドSなのだ。扱いに慣れるまでは、ぶん殴りたくないくらいの。S。
あと、相当運がいい。生まれた家は裕福だし、アイスをかけたじゃんけんでは
俺の10本くらいのアイス全部ぶんどられたくらいの。いわゆる神様に愛されているのだ。それに、簡単に説得させれるような奴じゃあない。駆け引き上手という面もあるからだ。宿題教えてもらうだけで、アイスおごったこともある。
それくらい。強敵に俺は挑むのだ。サインをもらいに。
俺の大事な格闘ゲーム90レベルのキャラを譲ることも最終的には考えておかねばならないようだ。この様子だと。
そう。俺はさっきからずっと「部活に入ってくれ」とお願いし続けている。
だが答えはノーばっかりだ。
「・・・どうすればイエスという。」
「交換条件によるな。」
しょうがない。最終手段を使うか。
「格闘ゲームの90レベルのキャラ譲ってやるから。」
「・・・それにジュース3本で契約成立。サインしてやる。」
こいつ。
「しょうがない。今回だけだからな。」
「よし。はいってやろう。」
相当の金が出ていった。
これで、真美に泣かれることは避けられたが
お財布が危機状態になりそうだ。
「じゃあな。明日交換条件を満たしたらサインしよう。」
くそお。なんて日だ。
久しぶり一人で帰った帰り道。
少し寂しい気がしたのは気のせいだろうか。
ほんとに俺はなんでこんな事に巻き込まれているのかを
神様がいれば聞いてみたいと思った。
読んでくださってありがとうございます。
渚の親友?の名前がまだ決まっておりません。
まだ「ウサギ」のときのように強引に名前を入れることがあるかと思いますので
暖かい目でスルーしてください。お願いします。