自己嫌悪
時々ないだろうか。『やらない方がよかった』とか、『やるんじゃなかった』
とか言う自己嫌悪が。
今、俺はその自己嫌悪にどっぷりはまっている。
「お悩み相談なんだが。ここの片付けしといてくれ。」
お悩み解決部。適当に済まそう。と思って仕方なく入ったが・・・
どうして、先生がよく来るのかがわからない。
「あの、どうして先生がお悩み相談に来るんですか。」
お悩み相談といえば、ふつう生徒と先生逆だろ。
「ん、ああ、いや。あそこホコリたまってたしな。」
てか、ここは【お悩み相談】だよな。
【雑用係】化していくような。
「そうじゃなくて、どうして先生がしないんですか。」
「ああ、先生忙しいし。まあ、終わったら飯ぐらいはおごってやるよ。」
何だその『仕方ないな』みたいな顔は。
「おっと、会議始まるから行くな。ちゃんと(片付け)しとけよ。」
なんだ大人は、会議を理由に逃げるなんて。
「・・・お悩み解決部めんどくせぇ・・・」
これが自己嫌悪って奴か。
「ただいま。お菓子買って来たよ。」※真実は買出しにいってました。
「俺も、先生からもらったぞ。 お悩みを。」
「えっ、なんのお悩み?」
「資料室の掃除。」
よりによって、資料室とは。
「あそこ先生の許可ないと入れないんじゃ。」
俺もあそこは、貴重な資料をおいてるから入りたくないんだよ。
「だから、先生のお悩みって言っただろう。」
「・・・ふぅん。じゃあ放課後。掃除だね。」
何でそんな嬉しそうなんだろ。
「ゴホ、ゴホ。うぇ、ホコリが、舞って。」
「もう少し我慢しろ。あと棚に戻すだけだから。」
どんな保管方法してたんだ。貴重な資料はどうなってんだよ。
「よいしょ。これで完了。先生に言わなきゃ。」
おわった。アレルギーにならないといいけど。
「あ、先生が終わったら飯おごってくれるらしいぞ。」
「な、何で先に言わないの。なおさら早く言わなきゃ。」
こいつ絶対、女の先生だと思ってるな。
「言い忘れたけど、男の先生だぞ。」
「えっ。」
ほら見ろ。
「わっ、わかってたよ~。」
目が泳いでるぞ。
「お、終わったのか。ありがとな。」
「先生忘れてないですよね。ご・は・ん」
「えっ、わっ忘れてないぞ。二人は何が食べたいんだ?」
「じゃあ、焼肉で。」
「た、高いな。」
「先生が言い出したんですよ。」
「・・・わかったよ。」
その夜。真実と俺は先生に軽く5000円の出費を与え
久しぶりに真実が男の人(先生)に話しかけていた。
自己嫌悪も楽しいことも、沢山ある。
先生にあらたな出費を与えながら、俺はそう思った。
読んでいただいてありがとうございます。
主人公は、渚にしようかな?と思ってます。