1話 運命が
いつもと何も変わらない平凡な一日を送るはずだった。
幼なじみの一言で、俺の学校生活が180度変わるなんて誰がわかるのだろう。
『お悩み解決部作ろうよ!』
いまだも、頭の中で再生されている。甲高い幼なじみの声。
いや、人見知りのアイツがお悩み解決部などと言うわけが無い。(このごろ、女子には慣れていたが)
「お前、今なんて言った?」
俺の聞き間違いだ、絶対そうだ。
「えっ、《お悩み解決部作ろうよ》って言った。」
聞き間違いじゃ無いのか! 熱でもあるのか??
「おでこに手を当てて!熱でもあると思ってるんでしょ!」
当たり前だ。俺居なかったら、購買でパンも買えなかったんだから。
「言っとくけど真実は、至って正気だからね!」
正気だと!?じゃあ、これは夢なんだ!イテッ、痛いということはやっぱり現実なのか。
「夢だと思ったんでしょ!ほっぺ赤いもん。」
「思うだろ!人見知りのお前が《お悩み解決部》だと、驚くを超えて笑えるわっ」
「ひどい!アーーー笑うなっ」
思ってる事と反対のこと言ってしまった。
「あと、もし出来たとして部員どうするんだよ。」
この学校は、・部員最低2人以上 ・部長、副部長を決める などの規則がある。
「えっ、2人いるじゃん。」
俺を指差して言うな!
「俺は、いやだぞ。めんどくさそうだし。」
本当のことを言った。本当だから、罰は当たらないだろう。・・・何だこの沈黙・・・
「だ、だって、いっ、いいよって、いっ、言ってくれるとおっ、思ったから」
「!!!泣くなっ!」
お前が泣くと、真実ファンクラブ(真実が好き過ぎて、出来たファンクラブ)の奴らにぼこされるんだよ。
前にケンカして泣かしたら・・・これでもか!ってほど殴られたんだからな!
「わかった。部活やるから泣くな。頼むから」
はあ、俺も【泣き虫に困っています。】で相談したい。
「・・・わっ、わかった。なっ、泣かない。」
まあ、このごろすぐ泣き止むから良いとして。
「じゃ、先生に言いにいこぅ」
職員室に許可をもらいに行く。
ホントに、運命は誰が決めているのか。もし、決めている奴がわかったら一言言ってやりたい。
俺はこんな運命にした奴を。
〔おぉー、いいぞ。帰宅部のお前らがまさか部活作るなんてな。〕
真実の手が少し震えている。だぶん、女の先生が出ると思って油断していたのだろう。
先生の許可の声も、俺には聞こえない。と言うか、聞こえてたまるか!
「許可取れたよ。明日からやって良いって!楽しみだね」
うん、お前には楽しみだろうな。
俺には、この運命が理解できない。これからどうなるのかも。
全てにおいて理解できない。
読んでくれて有難うございます。