恩返しよ
翌朝 僕はソファーで布団に包まっていた
そうか テレビを観ながら 寝てしまったのか
そこへ お姉さんが入って来て言った
「丁度良かったわ お風呂入って来て」
「え?朝からですか?」驚いて そう言うと
「昨日入ってないんだから 当たり前よ」
恥かしい事に 僕は今迄三日入らないのが
当たり前だった・・・
風呂も広いだろうと思って入っても 驚いた
風呂に入り頭と体を洗うと 湯槽に飛び込んだ
そして顎までお湯に浸かり ユラユラと歩いた
「あ〜幸せだ〜」自然に口から出た
こんなにゆっくりと お風呂に入れる日が
来るなんて 思いもしなかったな〜
お風呂から出ると朝食が用意されていた
しかも一度は食べたかった ホットサンド!!
「ホットサンド!食べていいの?」
「どうぞ召し上がれ」
「頂きます〜」僕はあっという間に平らげた
朝食を食べ終えて 玄関先で僕は立ち止まった
「お姉さん 色々と有難う 僕 元気がでたよ」
「私は 別に何もしてないわよ」
「そんな事ない ホントに有難う!」
するとボソッと 聞き取れない声で言った
「恩返しよ」
「え?なに?」
「早く行かないと遅刻するわよ」
「やべ〜!」「いってきます〜」
「お姉さんの子供だったら幸せだったのに」
僕はそう叫び 学校へ走ったのでした