ご馳走
僕が泣き止むと 頭を撫でながら言った
「食事の準備が出来てるわよ」
「え??」「でも僕そろそろ帰らなきゃ」
するといい匂いが漂ってきてお腹が鳴った
その音を聞きクスッと笑うと言った
「お腹は正直ね さあ行きましょう」
僕は その言葉と いい匂いには 逆らえず 後を
着いて行った 少し歩き扉の前で立ち止まると
「さあどうぞ 中に用意してるわ」と言われ
僕は逸る気持ちを抑えつつ 扉を開けた
すると部屋の真ん中の 大きな丸いテーブルに
真っ白なテーブルクロス その上に料理が沢山
並べてあった それを見て呆然と立ち尽くした
「どうしたの?」
「あ いえ あの僕の食事はどれですか?」
すると微笑んで アッサリ言った
「目の前のが 全部君のよ」・・・と
「でも助けてもらって こんな豪華な食事まで
それに 僕お金を全然持ってないから」
「何を言ってるの ここは 施設じゃないの
お金は要らないから 食べていいのよ」
「でも僕はお金を入れてないから 皆の残り物
を食べられるだけ 感謝しなさいって」
そう言った途端に 僕の体はガクガク震えた
「だから 僕はご飯は残り物だけしか 食べち
ゃあ いけないんだ」
体の震えは一向に 治まらず ガクガク震えた
そんな僕の体をお姉さんが 抱き締めてくれた
すると安心したのか 震えが少しずつ治まった
そして僕の両肩に手を置き お姉さんが言った
「私は食べたから君が食べないと 捨てちゃう
事になるのよ 勿体無いでしょ?」
「う うん じゃあ頂きます」
僕は箸を持ち食事を口に運んだ
「美味しい!こんなに美味しいの初めて!」
「フフフ 良かった お代わりあるから 遠慮し
ないでね」「だけど二週間真面に食べてない
んだから ゆっくり食べないと胃が驚くわよ」
「はい〜」
僕は返事をして ゆっくりと噛んで食べた
あれ?でも 施設に居る事や二週間真面に食べ
てない事は話ししてない様な気がするけど
「お代わり入れるからお茶碗貸して」
「有難うございます とても美味しいです」
空腹の僕は 食べる事に夢中になり 考えるの
を止めたのでした