コロ
学校が終わると コロにパンを持って行って
一緒に散歩をしたり 拾ったボールで遊んだり
そんな毎日が続いた
友達が居なくても ゴハンが食べられなくても
コロさえ居れば 僕はそれで良かった
そして二週間が過ぎた頃 何時もの様に コロ
の待つ神社に 向かっている時だった
走っていると 突然目眩がして 一瞬フラッと
なり足がよろけて 倒れそうになったので
僕は慌てて両手を地面に着けて 息を整えた
そう言えば 最近パンはコロのゴハンになって
もう二週間 殆ど何も食べてないからな
僕は空腹を通り越して 気分が悪くなっていた
さあコロが待ってる 力無く立ち上がると
僕は歩き始めた
そしてやっとの思いで コロに辿り着いた
「コロお待たせ〜」そう言いながら カバンの
中を探っていると 授業参観の紙が出てきた
こんな物僕には必要無いし!左手でクシャリ
と握り潰して 右手でパンを取り出した
そしてコロにパンを差し出しながら
「コロ 僕はもう 生きていくのが 辛いよ」
「施設はさ お風呂三日に一度だし ご飯は
カチカチの冷やご飯なんだ 食べられないよ」
「だから せめてお前だけでも お腹一杯食べ
るんだよ」
僕が差し出したパンを コロがとても 美味し
そうに食べていた
その姿を見ながら 左手に握りしめた授業参観
の紙を恨めしく僕は見ていた
すると 再び目眩がしたかと思うと 僕は紙を
握りしめたまま 気を失ったのだった