友達
頭を撫でながら 僕は思った
「そうだ!お前に名前をつけてやろう!」
う〜ん どんな名前がいいかな〜
「よし!」「コロはどうだ?」
「ワン!」そう鳴いて こちらを見た
「僕は 有藤 公太 これから宜しくな」
そう言って頭を撫でた
「あ そろそろ帰らなきゃ」
僕が立ち上がると コロがとても 寂しそうに
「クゥ〜ン」と鳴いた
「ゴメンよ コロ 帰らなきゃダメなんだ」
頭を撫でると 舌を出して ハッ ハッ と言いな
がら 尻尾を振っていた
「コロ お腹空いてるのか?」
給食の時に 施設でコッソリ食べようと コッ
ペパンを持ち帰りしたのを 思い出した
でもこれは・・・
他の子と違い僕は親の行方も分らず 施設に
お金を入れてない為 カチカチの冷やご飯と
皆の残り物のオカズ いやオカズも残るか
どうか分らない その為のコッペパンなんだ
だからこのコッペパンが晩御飯になる時も
あるんだから・・・
コロが舌を出したまま ジッと僕を見ている
そうだよな お前はこれが無かったら 何も食
べられないんだよ それに僕達はもう友達だ
「友達がお腹空いてるのに 放っとけないよ」
僕がそっと コロにパンを差し出すと コロは
バクバクとパンを食べ始めた
「良かった お前 腹ペコだったんだな」
「それじゃあな〜 コロ〜」
僕が手を振ると クゥ〜ンと小さく鳴いた
そして 僕は施設へと 急いだのだった