現実×3
僕もこのまま一緒に帰りたい 施設に戻るのは
嫌だ そんな事言える訳なかった
だって僕の家は 施設なんだから仕方ない
僕はそう自分に言い聞かせたのでした
「どの位で施設に着くの?」
「施設?向かってるのは 施設じゃないわよ」
「え?施設じゃないの?」僕が驚いて聞くと
「私達の家に決まってるじゃない」
お姉さんはそうあっさりと言った
家?僕に帰る家がある?
夢かな?自分の頬を引っ張ると痛かった
夢じゃない!これは現実だ!
「公太どうしたの?何してるの?」
「あ いや 夢じゃないんだなって思って」
頭を掻きながら 言うと
「当たり前でしょ」
そう言ってニコッと笑うと 僕の頭を撫でた
本当に夢みたいだった
お姉さんがお母さんになったんだ!
いや産まれて間も無くして 施設に預けられた
僕は 親の顔を知らないんだ
ひょっとしてお姉さんが 僕の本当のお母さん
かもしれない!いや そう思いたかった
そして僕には気になる事が 一つだけあった
初めてお姉さんと会った時の事だ
二週間真面にご飯を食べてない事や施設に
居る事を 僕は何も言って無いのに お姉さん
は知っていた・・・
特に二週間真面に食べてない事 僕はその事を
コロにしか 話してないんだから でも・・・
だからと言って そんな事 ありえない
等とウダウダ 考えていると
「公太 お家に着いたわよ」
お家に着いたわよ その響きが嬉しかった
「はい〜」元気良く返事をして車から降りた
すると両開きの大きな玄関が 静かに開いた
そしてスーツ姿の男性が 軽く一礼して言った
「公太坊ちゃん お帰りなさい」・・・と




