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「プロローグというか、初めに語るアレ」

初めてのオリジナル小説です。


少しありきたり感がありますが、楽しんでいただけたら良いなと思います。


それでは、始まります。

「あー、気持ちいい」

俺、鳴瀬なるせ一真かずまは今、どこかの温泉にいる。

どこの温泉かは知らないがそんな事は気にならないくらい気持ちいい。

やっぱり日本人は温泉だよ。

絶妙な湯加減、空を望めるこの眺め。

ああ、言い忘れたけど露天風呂だ、俺が今入ってるのは。

生まれた時の姿って落ち着くよな~・・・って別に露出狂って訳じゃないんだけど。

永遠にここにかっていたいくらいだな、この温泉。

・・・・・・そういや俺なんで温泉に入ってるんだっけ・・・?

「まあ細かいことはいいか」

そうそう、この気持ちよさに比べたらそんな事どうでも・・・


グキッ!

何か硬いものを折るような音がした。


「ギャアアアアァァァッッ!!!」

俺は人生最大の声量で大絶叫した。


あの凄く気持ちいい温泉は、俺の夢だったんだ。

別に「叶えたい方の夢」じゃなくて、寝てる時に見る方の夢な。

それに気づいたのは、右腕に激痛が走る今だ。

俺の意識は次第に覚めていくのだが、どうやらうつぶせになっているようだ。

それに何か背中が少し重い気がするし、右腕の感覚もない。

左手は何かに握られてるみたいで動けない。

これも夢か?

そう思った矢先にだ。

「いい加減に起きないと、次は左手も折る」

テレビでしか聞いたことのない脅迫メッセージだった。けどその声にはかなり聞き覚えがある。

「よし、じゃあ左手も頂こう」

それを聞いた瞬間俺の意識は完全に覚醒し、カッと目を見開く。

「待て、起きる!今起きるから待て!!」

俯せで喋りにくいけど、なんとか言えた。

でも左手は何かに固定されてるし、右腕は感覚もない。

どうやって起きる?


ゴキッ!

大男が指を鳴らすような音が聞こえた。

あれ・・・?右腕が動くようになった、それに今度は痛くない。

「ホラっ、さっさと起きな!」

聞き覚えのある声だ。

背中の重みもなくなって、俺は俯せから起き上がることができた。

俺は自分のベッドの上で目を擦りながら言ったんだ。

「目覚まし代わりに腕の関節外すな」

毎朝毎朝、俺の腕の関節はコイツに外されるんだ。

「関節外されるのが嫌なら、毎朝早く起きるんだな」

俺の姉、鳴瀬真琴まことに。


場所は変わってリビング。

テレビとかテーブルとかカーペットとか、そんなのがある普通のリビングを想像してもらえばそれで正解だ。

顔を洗い、着替えを済ませて、俺は姉と朝食を食べている。

「いいか? 早起きは三文の得だぞ、一真」

古臭い教えだよな・・・否定はしないけど。

ここで俺の姉について簡単に紹介しよう。

姉・鳴瀬なるせ真琴まこと

身長176cm・体重不明・スリーサイズはよく分かんないけど、Bは90くらいかな?

年は俺より5つ上で、21歳。

毎朝目覚まし代わりに俺の腕を外す、危険な奴だ。

「今日は学校休みだぜ?別に寝坊しても・・・」

現在時刻は7時ピッタリ。

早起きと言えば微妙だけど、俺にとっては超早起きだ。

人類はもっと睡眠を大切にするべきだと思う。

「ん?ああ、そう言えば今日は休みか。悪かったな一真」

知らずに起こしたのか!?

しっかりしてくれ、我が姉よ・・・

「そういや奈月から電話きてたぞ」

・・・・・・え・・・?

俺の額から汗が滲む。

「いつ!?」

早く電話返さないとヤバイ!

「ん~、6時頃だったと思う」

1時間前!?

俺は脱兎の如く階段を駆け上り、自分のケータイの履歴を確認した。

着信12件、新着メール1件。

着信履歴は全部、奈月だった。

俺は震える指でメールを確認する。

差出人は奈月。

「これから一真のウチに行くね!居留守したら・・・」

という内容のメールで、それに画像が一枚貼付してあった。

その画像は、正月によく遊ぶ福笑い。

けど、おデコに口、鼻の位置に目、目の位置に耳、耳の位置に鼻が2つに引き裂かれて置いてある。

しかもコレ俺の顔で作ってある・・・

気づいたら着ていたシャツがビッショリになってる。

逃げよう。

そう本能で感じた俺は財布とケータイをポケットに入れ、ダッシュで玄関に行く。

「姉貴!奈月が来たら居ないって言ってくれよ!」

「はいよ~」

俺が靴を1秒で履き、玄関の扉に手をかけた瞬間。


ピンポーン・・・ピンポーン・・・


インターホンが鳴る。

「すいませーん、一真君居ませんかー?」

家の中のインターホンから聞きなれたアニメ声が聞こえてくる。

無視するんだ・・・このまま黙って動かなければ・・・

「よう、おはよう奈月」

「あっ、真琴さん。おはようございます!」

姉貴!?

なぜインターホンに反応するんだっ!

いや、まだ俺の存在は知られてない、落ち着け俺、冷静になれ俺。

「真琴さん、一真君いませんか?」

フッ、無駄だぜ奈月。さっき姉貴には言っておいたからな。

「ああ、玄関で身を潜めてるんじゃないか?」

姉貴ーっ!

そんなお約束は要らねえんだよ!

いやまだだ!カギさえ掛けておけば侵入される心配はない。

「分かりました!」

インターホンが切れた。

タタタタタタッ・・・・・・

駆ける足音が近づいてくる。

その足音は玄関の向こう側で止まった。

「一真~?そこにいるの~?」

いない。いません。いらっしゃいません。

「おかしいな~・・・玄関で身を潜めてるって言ってたのに」

諦めて帰ってくれ。

「しょーがないな・・・」

よし、帰るんだな。

俺は静かに玄関を離れようとしたが。


ガチャガチャガチャ・・・・・・


ん?なんだこの音。

ガチャ!

カギ、開いた。

扉が開いて、そこには奈月がいました。

「あっ、いたいた」

奈月はもう家に侵入しちゃいました。

目の前にいます、もう逃げらんないよコレ。

「一真、今日ヒマ?」

よし、ここは会話を続けて流れで帰らせよう。

「ああ、特にやることはない」

すると奈月は言いました。

「じゃあデートしよ!」

嫌だよお前とデートなんて。

「嫌だよお前とデートなんて」

しまった、思考がそのまま言葉に。

「じゃあ結婚でもいいよ?」

妥協じゃなくて進化してるぞ!?

「俺はまだ16だ」

男子は18にならないと結婚はできません、日本では。

「なら結婚を前提にお付き合いしませんか?」

急に敬語かよ、ってか嫌だよ。

「俺はお前が嫌いだ」

酷いと思うか?でもそれは奈月意外なら、の話だ。

「え?私は一真が凄く好きだよ?」

な?こんな言葉を真顔で言える奴だぞ。

「とにかく帰れ」

「嫌よ、デートしよ」

コイツ・・・・・・

いい加減に会話も続いたから、ここでコイツを簡単に紹介しよう。

幼馴染・木野きの奈月なつき

身長156cm・体重不明・スリーサイズ不明。

年は俺と同じで16歳。

まあ幼馴染だから当たり前だけど。

そしてコイツは、俺になにかと絡んでくる。

好きとかよく言われるけど、殆ど無視。

俺は奈月が好きじゃないからな。

その辺はハッキリしてる方が男らしいだろ?

そして場面は戻ります。

「じゃあデートしなくていいからキスして?」

「ハードル上がってんだよ!」



これは俺と奈月と俺の友達とかそのまた知り合いとかがダラダラと進めていく、高校を卒業するまでの短い時間の思い出を綴る物語----------



活気なさげな男子・鳴瀬一真と。

少し変わり者の女子。木野奈月が送る。


高校生活の軌跡です。



次話にご期待下さい。

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