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私の幸せを食いつぶす第三公爵の甘い罠 重い愛から噴出する勘違い悪意による良かれと思ってやる方向音痴な献身が返って迷惑です 薔薇の香りの浪費家を普通の愛だけでお腹いっぱいになる生き物へ変えてみせます  作者: 友人の痴話喧嘩の話を聞いている時の私? 笑顔を隠すのに必死よ。だって、口角が『もっと聞かせて』って疼くから


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ある夜、エルゼはついに「雑草料理」の噂を聞きつけた、帝国一の美食家として知られる大公を屋敷に招く。これはカシアンを「奇才の料理人」として売り出すための、乾坤一擲の賭けだった。


地下室から引きずり出されたカシアンは、相変わらずの美貌と、どこか浮世離れした微笑みを携えていた。


「さあ、大公。召し上がれ。これは、私の妻が私に与えた『試練』という名のスパイスで仕上げた、道端のクローバーのポタージュです」


大公が一匙、口に運ぶ。沈黙が流れる。

次の瞬間、大公は椅子を蹴り飛ばして立ち上がった。


「……何だ、これは。今まで私が食べてきたフォアグラやツバメの巣が、家畜の餌に思えるほどだ! 雑草の中に、これほどの慈愛と、そして……凄まじい執着を感じるとは!」


大公の絶賛により、カシアンの雑草料理は「禁断の美食」として貴族社会の頂点へ。

エルゼの金庫は、かつてないほど潤い始めた。しかし、カシアンは富が増えることなど微塵も興味がない様子で、エルゼを背後から抱きしめ、その耳元で熱を帯びた吐息を漏らす。


「エルゼ、金はもう十分だろう? さあ、この金貨をすべて溶かして、君の等身大の像を作ろう。その像を、僕たちが心中する時の重しにするんだ」


「……本気で、殺してやろうかしら、この男」


エルゼは殺意に震えながらも、彼の腕の温もりに、心臓がトクンと跳ねるのを無視できなかった。

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