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私の幸せを食いつぶす第三公爵の甘い罠 重い愛から噴出する勘違い悪意による良かれと思ってやる方向音痴な献身が返って迷惑です 薔薇の香りの浪費家を普通の愛だけでお腹いっぱいになる生き物へ変えてみせます  作者: 友人の痴話喧嘩の話を聞いている時の私? 笑顔を隠すのに必死よ。だって、口角が『もっと聞かせて』って疼くから


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「店主! これをいくらで買い取ります!?」


店主は怪訝な顔で肖像画を受け取り、鑑定の道具を手に取りました。

「おや、これはカシアン公爵閣下ではないですか。絵の腕前は一流ですが、いかんせんモデルが……。ええと、このご尊顔を拝見するたびに、最近の伯爵家の深刻な金欠が思い出されましてね。うーむ、せいぜい金貨一枚、といったところでしょうか?」


「なにを言っているの!? この美貌よ!? 市場に一点しかないこの奇跡の造形よ!? これを、あなたのような凡人が金貨一枚で済ますつもり!?」


エルゼは身を乗り出し、店主の襟首を掴みました。

「いい? 今から私が提案する『企画』に乗れば、あなたは金貨どころか、王室御用達の御用商人になれるわ!」


エルゼの目には、かつてないほどのギラついた光が宿っていました。


「カシアンは、閉じ込めてあるわ。だから、世の女性たちは、あの完璧な美貌を拝むことができない。飢えているのよ! そこで、この肖像画を担保に、『カシアン閣下の一日肖像画レンタル権』をオークションにかけるのよ! 落札者は、一日に限り、この絵を自分の屋敷に飾り、彼への愛を語る口上を五分間聞くことができる! そして、最高額を提示した者には……なんと、カシアン閣下の私物(着用済みシャツや手袋など)を進呈するの! これなら、女性たちは狂喜乱舞するわ!」


店主は目を丸くし、ごくりと唾を飲み込みました。

「……奥様、それは、まさか……カシアン様自身を『商品』にする、と?」


「そうよ! 彼が私の財産を『愛の証』と称して食いつぶすのなら、私も彼の『愛すべき美貌』で金を稼がせてもらうわ! これが私の、愛ある報復よ!」


商館へと戻っていきました。その足取りは軽く、顔には悪魔のような、しかし妙に魅力的な笑みが浮かんでいました。

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