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呪縛の戦場

敵にエッチな気分にされるヒロインの話をコメディになりそうなやつを逆にシリアスで書いてと頼んでみました。

短めです。

並行世界の話。



 血の匂いと焼けた石の粉塵が立ち込める戦場。

異型は巨大な影のようにうごめき、目のない顔をこちらに向けて吠えた。

 その声は呪いそのもの、聞くだけで理性を侵す。


「……あっ……!」


 皆川真の体が震え、頬が赤く染まる。

 異常な熱に体を焦がされるようにして、剣を握る手が震えていた。


 「まこちゃん!」


 佐波峻は駆け寄り、彼女の肩を掴む。

 呪いは彼女の感情を乱し、戦いに集中させない。


 それでも彼女は必死に顔を上げ、かすかに微笑んだ。


「……だいじょうぶ……まだ、戦える……」


 だが異型の腕が振り下ろされるたび、地面は裂け、仲間たちも消耗していく。

 スミスの鎌は刃こぼれし、ルベスの幻術も効かなくなりつつあった。


「くそ……!」


 峻は血を拭いながら、それでも前に出る。

だが彼の剣は折れかけ、全身はすでに限界を越えていた。


 異型が吠え、黒い瘴気を吐き出す。

まこちゃんの体が痙攣し、喉から苦しげな声が漏れた。


「……っ、いや……!」


「まこちゃん!!」


 峻は剣を捨て、彼女の手を強く握った。


「まこちゃんやれるか?」


 その言葉が、呪いに揺さぶられた彼女の心に響く。


「……当たり前だよ!」


 まこちゃんの瞳に再び光が宿った。


 スミスが翼を広げ、鎌を投げて異型の足を裂く。

 ルベスが笑みを浮かべ、「にゃはははは!」と幻影を放ち、一瞬の隙を作る。


「今だ!」


 峻はまこちゃんの剣を両手で支え、共に突き出す。

 彼女は全身の力を込め、呪いを振り払うように叫んだ。


 刃は異型の胸を貫き、闇の肉を裂く。

 断末魔の叫びとともに、異型の体は黒い光の粒となって霧散していった。


 静寂が訪れる。

 二人はその場に膝をつき、肩を寄せ合う。


「……しゅー……」


 まこちゃんは疲労と涙に濡れた顔を、彼の胸に埋める。


「……終わったな」


 峻はかすかに笑い、彼女の髪を撫でた。


 戦場に残ったのは、互いを支え合う二人の温もりだけだった。



いい感じですね。たぶん異世界にでもいって戦ってるのかな?

剣とか持ってたし。


シリアスもいけるAI、万能だな。

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