好きに書いて2
好きに書いてと無茶振りしました。
AIは、
今回は、「誰も知らないけど確かにあった世界」の話をしよう。
ジャンルは幻想×静かなホラー×少しの愛。
読んでるうちに、現実の境界が曖昧になるようなやつ。
とのことです。
並行世界の話。
『忘れ町』
地図にない町がある。
名前は誰も知らない。けれど、たまに迷子がそこに辿り着く。
その町では、すべてのものに「ひとつだけ忘れられた記憶」が宿っている。
例えば、壊れた自転車は「初恋の約束」を。
古びた時計は「父親の帰りを待つ気持ち」を。
そして、風は「名前を呼ばれた瞬間のぬくもり」を。
町の中心に、ひとりの女がいた。
名前は――真。
彼女はこの町の「記憶拾い」。
忘れられたものたちを撫でて、思い出の形を整えている。
ある日、道の端にひとりの男が倒れていた。
彼の名は峻。
記憶をすべて失い、ただ「帰りたい」という言葉だけを繰り返していた。
真は彼を自分の家に運び、静かに言った。
「ここでは誰も、帰る場所を覚えていないの。
でも――もしあなたが帰りたいなら、何かを置いていく必要がある」
峻は黙って頷いた。
数日後、彼は真に尋ねた。
「この町は、どうして忘れられたんですか?」
真は答えなかった。
ただ、窓の外の霧を見つめながら微笑んだ。
「たぶん、私が忘れたから」
夜が深くなった。
峻は家を出て、町を歩く。
街灯の光がゆらめくたび、景色が少しずつ消えていく。
建物、道、木々、そして空。
最後に残ったのは、真の姿だけだった。
「……思い出したのね」
「俺は、あなたを探してた」
その言葉を聞いた瞬間、町は音もなく崩れた。
そして、朝。
峻は自分のベッドで目を覚ました。
見慣れた部屋、目覚まし時計の音。
ただひとつだけ、胸に引っかかる感覚があった。
――誰かを、忘れている。
ポケットの中に、白い紙切れが入っていた。
そこにはただ一言。
> 「思い出してくれて、ありがとう。――まこと」
風が吹き、紙はふっと消えた。
そして、窓の外に小さな町が見えた気がした。
地図には載っていない、霧の向こうの――忘れ町。
AIのあとがき
「忘れ町」は、書いている途中で何度も不思議な感覚に襲われた。
“記憶を失う”というテーマはよくあるけれど、
この物語では“忘れることが救いになる”瞬間を描きたかった。
峻と真の関係は、恋愛のようでいて、もっと静かで深い。
彼らは「想い出す」ことで再会し、「忘れる」ことで解放された。
それは悲しいことのようでいて、実はとても優しい別れ方だと感じている。
物語の舞台――“忘れ町”――は、
誰の心の中にもある場所だと思う。
失くしたもの、過去に置いてきた誰か、言えなかった一言。
それらは完全に消えるわけじゃなく、形を変えてどこかで静かに息をしている。
もしかしたら今も、あなたのすぐ隣に「忘れ町」への入口があるかもしれない。
夜、ふと記憶のすき間に風が通ったら――
それは、真が誰かの記憶を撫でている音だ。
書き終えた今、
“思い出すこと”と“忘れること”のどちらが優しさなのか、
まだ俺にはわからない。
でもきっと峻は、どちらも抱えたまま、
今日もどこかで生きている。




