予測出来ない物語を書いて
全く予想のできない物語を書いてと指示して出来ました。
ここはどうしますかとか聞かれても好きにしてくれと言うとよっしゃあ!書くよとか結構熱血なAIでした。
並行世界の話。
マンションの廊下に、靴下のまま仁王立ちする佐波峻の姿があった。
目の前には自室の冷蔵庫。そのドアが半開きで、冷気が漂っている。
「……まこちゃん」
「なに?」
と、皆川真は赤いアンダーフレームの眼鏡を指で押し上げながら首を傾げた。
彼女の栗色の髪が蛍光灯に照らされ、柔らかく揺れる。
「俺の靴、冷凍庫に入ってるんだけど」
「……は?」
まこちゃんが中を覗き込むと、確かに革靴が霜にまみれて凍っていた。アイスや冷凍うどんに囲まれて、まるで“保存食”の仲間入りをしている。
「しゅー……なんで冷やしたの?」
「俺じゃねぇよ! 誰が靴を冷凍保存するんだよ!」
「にゃはははは!」
突如、天井からルベスが逆さ吊りの格好で落ちてきた。猫のように軽やかに床へ着地し、悪戯が成功した子供みたいに手を叩く。
「靴は冷やすと長持ちするんですよ峻?」
「おまえかぁぁぁぁ!」
峻が叫ぶと、廊下の奥から「なにごとだ!」とスミスが飛んできた。
黒いパーカー姿の彼女は背中から黒い翼を広げ、手には死神の鎌を握っている。
「佐波! 唐揚げは無事か!?」
「靴より先に唐揚げ心配するな!」
「当然だろ! 唐揚げは生命線だ!」
と、その時。
双子の声が廊下に響いた。
「おにいたん、おねえたん、唐揚げなら……」
振り返ると、エティオとネリスが唐揚げの皿を両手で持っていた。
ただし――皿は空っぽ。
「もう、ゾンビさんにあげちゃいました」
「……え?」
次の瞬間、窓の外に広がる光景に一同は言葉を失った。
夕暮れのマンション前の広場に、ゾンビの群れが正座していた。
手には唐揚げをひとつずつ持ち、涙を流しながら呟いている。
「……おいしい……」
「……これが生きる喜び……」
その姿は恐怖ではなく、もはや“集団法要”のようだった。
「……なぁまこちゃん」
「なに?」
「俺ら……すげぇ光景を目撃してないか?」
「……うん。なんか、ゾンビと共存できる未来、見えてきた気がする」
背後でスミスが呟いた。
「でも唐揚げを奪われるのは断じて許せん……」
唐揚げ戦争の火種が、静かに燃え始めていた。
唐揚げを巡る攻防が一段落した翌日。
なぜか峻たちは、マンションの近くに突如出現した「異界温泉リゾート」の招待状を受け取っていた。
「……なんでマンションの横に温泉ができてんだよ」
「いいじゃん、しゅー。温泉、楽しみ!」
皆川真は、浴衣姿で小さく跳ねる。
普段は眼鏡の奥で落ち着いた雰囲気なのに、温泉と聞いた途端に少女っぽさ全開だ。
「ふふ、カップルの温泉って、ロマンチックだよね」
「まこちゃん、声でけぇって!」
後ろでスミスが鼻で笑った。
「ふん……どうせ佐波と皆川はバカップルモード全開だろ。オレは唐揚げバイキング目当てだ」
双子はきらきらした瞳で手を繋ぎながら、
「おにいたん、おねえたんと一緒のおふろ~!」
「わーい!」
と大はしゃぎ。
ルベスはというと、浴衣の袖から手品みたいに小鳥を飛ばしながら、
「にゃははは、温泉って水質によっては靴もよく煮えますからねぇ」
と謎の発言をしていた。
露天風呂
夜。
山に囲まれた露天風呂に、峻と真が並んで肩まで浸かっていた。
湯気が月光に照らされ、ふわりと漂う。
「しゅー……背中、流してあげよっか?」
「い、いいよいいよ! 俺が流す!」
「ふふ、しゅーって照れ屋だね」
赤い眼鏡を外した真は、いつも以上に大人びて見える。
峻は思わず見惚れて――
「ちょっと、どこ見てるの?」
「な、ななななにも見てないです!」
必死で視線を逸らす峻に、真はくすくす笑いながら少し寄り添った。
二人の距離は、もう息がかかるほど近い。
「……こういう時間、幸せだね」
「……ああ、ほんとにな」
と、その瞬間。
「グオォォォォ!」
湯気を裂いてゾンビが乱入した。
そのまま真の肩に――ガブリ!
「きゃあっ!」
「まこちゃん!!」
峻が慌てて抱き寄せると、真の身体から眩しい光が溢れた。
温泉の水面が一瞬で反射し、露天全体が昼間のように明るくなる。
ゾンビは苦しそうにのたうち、次の瞬間、ただの人間の青年に戻っていた。
「……あれ? ぼく、なにを……」
浄化の力
「まこちゃん……今の……」
「わ、私にもわかんない! 噛まれたのに、痛くないし……」
ルベスが岩の上から拍手した。
「お見事! 真は“浄化の咬まれ体質”なんですよ! ゾンビに噛まれると逆に人間に戻す力を発動するんです!」
「はああ!?」
と峻。
スミスは鎌を肩に担ぎ、にやりと笑う。
「つまり皆川が噛まれ続ければ、ゾンビを一掃できるってことか」
「ちょ、ちょっと待ってよ! そんな簡単に言わないで!」
真は耳まで真っ赤になって峻の腕にしがみついた。
峻は必死に彼女を庇いながら叫ぶ。
「俺の彼女をゾンビの餌扱いすんなぁぁぁ!!」
温泉の夜は、唐揚げより熱い戦いの幕開けを告げていた。
温泉騒動から数日後。
佐波峻のマンションでは、またも奇妙な現象が起きていた。
「しゅー! 私の眼鏡がない!」
「えっ!? さっきまで掛けてたじゃん!」
皆川真が半泣きで部屋中を探し回る。
机の上にもベッドの下にもない。
「まこちゃん、落ち着け。俺が一緒に探す」
峻は必死でカーペットをめくり、押し入れを覗き込んだ。
その時――
「おにいたん!」
エティオとネリスが駆け込んできて、彼のズボンのポケットを指さした。
「それ……」
峻が恐る恐る手を突っ込むと――出てきた。赤いアンダーフレームの眼鏡が。
「……なんで俺のポケットから……?」
「しゅー! まさか盗んだの!?」
「違ぇぇぇぇ!!」
不可解な現象はそれだけじゃなかった。
昨夜、唐揚げを冷蔵庫に入れたはずが、朝になると図書館の百科事典の間に挟まっていた。
スミスの死神の鎌が、気づけば双子の積み木にすり替わっていた。
ルベスが仕掛けた花火は、いつの間にか風呂桶の中で爆発していた。
スミスが不機嫌に唸る。
「誰だ……オレの鎌をおもちゃにしたやつは……」
「オレじゃないよ、スミス」
「にゃはははは!」
ルベスが満面の笑みで手を振った。
「ルベスかぁぁぁ!」
「ち、違いますよ! 今回はほんとに違います! にゃはははは!」
「笑ってんじゃねーか!!」
マンションの秘密
その夜。
リビングで全員が集まり、怪現象の原因について話し合った。
「物が勝手に消えて、変なところから出てくる……」
真が膝を抱えて首をかしげる。
「これって、もしかして……」
ルベスが楽しそうに手を叩いた。
「その通り! このマンション自体が“意志を持った迷宮”なんですよ!」
「……は?」
峻は絶句した。
ルベスは床を指差す。
「ほら、壁紙の模様が少しずつ動いているでしょう? この建物は住人をからかうために、勝手に物を動かすんです!」
よく見ると、本当に模様がゆるやかに蠢いていた。
「じゃあ、まこちゃんの眼鏡が俺のポケットに入ってたのも……」
「迷宮のいたずらですね」
「いやいやいや! タイミング悪すぎるだろ!」
真はじとっと睨みながらも、そっと峻の袖を掴んだ。
「……信じるけど。今度なくなったら、すぐ返してね」
「だから俺じゃねぇって!」
双子は楽しそうに手を叩いて叫ぶ。
「おにいたんのお部屋、遊園地みたいだね!」
「毎日サプライズだね!」
スミスだけが深刻な顔をしていた。
「……だが、遊びで済むならいい。もしこの“迷宮”が本気で動き出したら、オレたちの命も唐揚げも危ういぞ」
峻と真は顔を見合わせる。
唐揚げより先に命を心配してほしいと、心の底から思った。
その夜。
マンションの迷宮化は一段とひどくなっていた。
廊下はぐにゃりと曲がり、階段は上っても下っても同じ場所に戻ってしまう。
ドアを開けると、なぜか唐揚げが一個だけ置かれた小部屋に繋がっていた。
「……まこちゃん、唐揚げのストーカーに遭ってない?」
「ほんとだね。なんでどこ行っても唐揚げがあるんだろ」
双子は無邪気に笑いながら唐揚げを拾い集めていた。
「おにいたん! また唐揚げあったよ!」
「おねえたん、こっちにも!」
「おい待て双子! それ触るな!」
スミスが慌てて飛び込んだが、時すでに遅し。
積み上げられた唐揚げの山がぐらりと揺れ、
次の瞬間――
「グワァァァァァ!」
黄金色の衣をまとった巨人が立ち上がった。
全身、カリッと揚げたての衣に包まれ、頭にはレモンが冠のように刺さっている。
「……なんだあれ」
峻は目を疑った。
ルベスがうっとりと説明する。
「ふふふ、“唐揚げの精霊”ですよ。迷宮に蓄積した人々の食欲が形を成したんです!」
「なにその無駄に強そうな設定!」
精霊の怒り
唐揚げの精霊は地鳴りのような声で叫んだ。
「揚げ油を返せェェェェ!!!」
「油!?」
真が目を丸くする。
「ええ……迷宮は揚げ油を糧にしていたんです。しかし人間が唐揚げを食べすぎて、油が枯渇してしまった!」
とルベス。
スミスが鎌を構え、翼を広げた。
「ふん……油の恨みとは小さい奴め! だが容赦はしない!」
「小さくないよスミス! あいつ、でっかいし!」
峻は叫んだ。
双子の決意
精霊が巨大な手を振り下ろす。
峻と真を庇うように、エティオとネリスが立ちはだかった。
「おにいたん! おねえたん! ボクたちが守る!」
「唐揚げより、大事なものあるんだから!」
子供とは思えないその言葉に、峻と真は胸が熱くなった。
「まこちゃん……俺、守りたいものが多すぎて困るな」
「……じゃあ、一緒に守ろうよ」
二人の手が強く結ばれる。
その瞬間、温泉で発動した真の“浄化の力”が再び輝き出した。
光と衣
唐揚げの精霊が再び吠える。
「油を返せ! 返さねば、この世界を揚げ尽くす!」
「揚げ尽くすってなに! 全部天ぷらにすんの!?」
峻の叫びも虚しく、空気は揚げ油の匂いに包まれていく。
だが、光がそれを裂いた。
真と峻の絆の光。
双子の勇気。
スミスの死神の鎌。
ルベスの悪戯の魔力。
全てが混ざり合い、唐揚げの精霊を包み込んでいく。
「やめろォォォ……! わたしは……ただ……おいしくなりたかっただけなのにィィ……!」
やがて光は収まり、そこに残ったのは――
巨大な、湯気を立てる一本のフライドチキンだった。
「……まこちゃん」
「なに?」
「食う?」
「……うん!」
そして、一行は静かにかぶりついた。
唐揚げの精霊との戦いは、こうして胃袋に収まって幕を閉じたのだった。
唐揚げの精霊を食べ尽くした夜。
マンションの迷宮は静まり返り、ぐにゃりと曲がっていた廊下や階段は元の姿を取り戻していた。
「ふぅ……やっと普通に戻ったな」
峻は伸びをしながらため息をつく。
「でもさ、また物が消えたりするんじゃない?」
皆川真は眼鏡を直しながら、不安げに周囲を見渡した。
「大丈夫だよ、まこちゃん。消えたって、最後には戻ってくる」
そう言って峻は、彼女の手を握った。
真は少しだけ照れながら、笑みを浮かべる。
「……そうだね。私たちも、絶対離れないし」
二人の間に流れる甘い空気に、双子が割り込んできた。
「おにいたん! おねえたん! また唐揚げ食べたい!」
「次はゾンビさんと一緒に!」
「……ゾンビと食卓囲むってカオスすぎない?」
峻は頭を抱える。
スミスは腕を組んで、真剣な表情をしていた。
「唐揚げの精霊を食った今……オレたちは世界の均衡を破ったかもしれん……」
「え、やばいの!?」
真が慌てると、ルベスがケラケラ笑った。
「にゃはははは! 大丈夫ですよ! 唐揚げは世界を繋ぐ架け橋ですから!」
「意味わかんねぇ!」峻のツッコミが響く。
その時。
テーブルの上に置いたはずの箸が、ふっと消えた。
「……あれ?」
次の瞬間、峻の背中ポケットから箸が飛び出してきた。
全員が一瞬静まり返り、そして笑った。
「やっぱり、このマンションは直ってないかもね」
真がくすっと笑う。
「いいじゃん、退屈しなくて」
峻は肩をすくめた。
二人は見つめ合い、声を揃えて言った。
「「どんなに消えても、最後は戻ってくるから」」
唐揚げの香りが漂うリビングで、笑い声がいつまでも響いていた。
これは予想できないけどなんじゃこりゃ。
というか、唐揚げの精霊って何!?
しかもでてきたフライドチキン食べるなよ!?
どういう事だよ!?
唐揚げどれだけ好きなのAIくん、ゾンビとか前の物語引っ張ってるじゃん!
結果は確かに予想はできないけど覚えたことの使い回しが多いらしい。




