第二十八話 永続的輝
『『日光』』
「ナイス兄ちゃん。兄ちゃんは大丈夫?」
『あぁ。』
「……何をした」
『見ての通り。回復さ』
「回…復……?」
『ふぅ…。太陽は、恒星って呼ばれるくらいだし、自ら光ってるだろ?』
「んで、月が光って見えるのは、太陽の光を反射しているから。」
『つまり月は』
「太陽のおかげで」
『「輝いている。」』
「は…?」
『はぁ…わからないか?』
「玉兎……つまり月は」
『金烏……つまり太陽の光を浴びて』
「『回復する』」
言われてみれば、HP削って弱ってたはずの玉兎の霊力が完全回復してる……
「兄ちゃん…体力万全だし、やっちゃう?」
『おう。そのつもりだ。』
場の空気に緊張が走る。
さっきとは違う…絶望と希望が入り交ざったオーラを感じる……
『太陽…すなわちこの太陽系を照らす神なる惑星……。』
「三鈴、躑躅森を頼む………ここは私が食い止める…!」
「……了解…!!」
「月もまた、闇夜を照らす神なる惑星……。」
『「その真の力をとくと見よ」』
『「監獄 日進月歩」』
辺りを白と黒の謎の模様が包む。
金烏と玉兎が動くと、その白と黒の謎の模様もうねうね動く。
「監獄……か…。なるほど………。「羅針盤…」
ドガッッ
「…!?っ……」
なんだ……予備動作がなかった…私が……この私が、反応に遅れた…??
『さぁて、』
「ここで問題。」
『今は昼か、』
「それとも夜か。」
『「当ててみて?」』
「あ……?夜じゃあないのか、」
『残念。』
「正解は、」
『「どっちでもない、でした!」』
「は…?」
「先生…!大丈夫ですか?!」
「……三鈴、躑躅森は、?」
「監獄外にいます……一応休ませているのですが……」
「分かった………ありがとう」
「おいおいなに密談してんの?」
『俺等に勝つ道は?』
「あ〜、いくらでもある。」
『なら攻撃してみて?』
「ふぅ……「白乱……」」
グフォァァッ…
まただ……また敵の予備動作も何もなく攻撃される………たしかに霊の移動速度はとてつもなく速い……しかしここまで速くない…。それに、必ずしも予備動作なるものはあるはず……まるで、予備動作から私が攻撃される時までの間の映像だけが早送りになっている……かのような…
「ゲホッ……ゲホッ……」
『人間はやはり』
「弱く脆い。」
『なぜ霊と張り合おうとしているのか』
「それに、僕らのような四天王に」
『勝てると思う思考回路がわからない。』
「お前らのその思考回路のほうが狂っている……。」
ドガガガガガ
「グハッ……」
「この監獄は」
『人間の眼前の時間感覚が』
「盛大に狂う。」
『遅いものが早く感じたり』
「早いものが遅く感じたり。」
『もちろん我々は』
「人間がどんな感覚に陥るかを」
『自由に設定できる。』
「…ハァ…ハァ……。」
息切れ……くそ、ここまで苦戦するとは………
「先生…!変わります、!先生が死んではいけません…!!!」
「三鈴……お前だって死んではならない…。」
「そんなこと言ったって…!!」
「いいのだ、…そこにいろ…」
ドガッ……ドガッッ
会話をしているときでも奴らは容赦なく攻撃を与える。
……しかし…この監獄内は一つ法則がある……かもしれない。
攻撃を受けた部位は腹部と顔面。現時点ではたまたま、の可能性もある。
体感、腹で受けたダメージは大きく一撃。顔で受けたダメージは少し弱いがその多段ヒット。
そして……腹部で受けるダメージは、私が攻撃を撃とうとした場合に入る。
顔面は、私が何か話していた場合に入る…。
言葉を発したら、ほぼ確定で攻撃される………
…しかしなぜ三鈴には攻撃を与えない…?
もしや、ターゲットは制定した1人になるのか……となると、この攻撃はオート…!
奴らの監獄の模様が動くのが、視界をもおかしくしようとしているのだろう……
だが……わかった………。
『もう一度、くらいたいか』
「技を出したら食らうかもねぇ!」
『悪いが、死んでもらいたい。』
すると東西先生は霊に急激に近づいた。
ドバァンッ
激しい爆破音とともに、霊が吹き飛んだ。
『お前……どう掻い潜った……この監獄を……??』
「………。」
応答するな……ひたすら黙るのだ……
ドバァンッ
「ちっ………この霊媒師……殺したいんだけど」
『あぁ。俺も同じ意見だ。』
(くそ、…助けろ……先生を…!!)
「「芻毒ぅ……!!」」
「躑躅森…!?」
「泰斗くん………!???」
「「王鼓舞羅ァ」!!!」
【王鼓舞羅】
全長約15メートルの毒蛇。
通常のキングコブラの大きさの、およそ五倍を誇る。
王鼓舞羅の毒は、躑躅森の毒よりも強力である。
「「毒素散布……乱…!!!」」
ドガッ……
バゴォォォン…
全て王鼓舞羅が防いでいる。
恐ろしい硬さを持っているのだ…。
「死ね、クソ祟がぁぁ!!」
「あっははは。それ、よく言われるけど」
『俺はもう、死んでるから』
「その言葉、通用しないよ?」
『死ぬのはそっちだからね。』
「「監……獄、……!!」」
「おい、躑躅森…!?監獄なんか使えないだろう??!無謀だ!!!」
「「猛毒霧・流粒(もうどくむ・りゅうりゅう」!!!」
………
『……ふふ、しかし何も起こらなかった…。』
「えぇ、どうしたどうしたぁ??」
………実力不足……あぁぁぁあぁ!!!名前も……効能も……全てイメージしたのに……真の監獄じゃなくたって……俺にもできたことだろうが……なぜ……
『さぁて、時間であそぼうか?』




