第二十話 無駄な楽観度
「この戦闘を…楽しめというのか、」
「あぁそうとも。まさか僕よりも楽観度が低くてもいいと思った?」
「そもそもどう楽しめばよいのだ。敵を前に、楽しみ方が私には分からない。」
「ふふ、そんなんじゃぁ…勝てないよ。」
くそ……先生の言う通りこの状況、どう楽しめばいいんだよ…、
「「白乱 爆」、!」
急に川原先生が飛んできて、攻撃を繰り出した。
「ん〜…なんともない。何回も言ってるよね、?僕より楽しまないと。…、ふふ、お前らはバカなんだなぁ!ふははは!面白い!殺しがいは無いけど…いい殺し方はわんさか思いつく……さぁ!こいよ!霊媒師!!」
「「白乱 爆」…!!」
「効かない効かない!!」
なんだ…川原先生はずっと白乱 爆を打ってる、
「川原先生、無駄だ。そいつには効かない。」
無神無人先生が言う。
「そうですよ、無駄だって本人が言ってるのに、なんで技を出すんですか!」
三鈴も並んで叫ぶ。
「なに〜??今僕すんごい楽しいから!!」
え、楽しい…??
「なんかさ、こいつ効かないぜ!とか言っときながら攻撃しないの!だから今サンドバック状態!!殴り放題!!楽観度、溜め放題!!!」
なるほど、そういうことか…!!…でもそのやり方は多分、川原先生にしかできない……それで相手に打ち勝つ力が出るなら……良いけど、
すると
「川原先生、!危ない!」
「え?」
ドバァァン……
無神無人先生が叫ぶと同時に、川原先生が吹き飛んだ。やつは溜めてたのか、攻撃を…?
「あっはは…愚かだなぁ、そんなんで楽観度が上がるなんて、僕くらいの戦闘狂じゃあないと、楽観度なんか上がらないよ。」
そう考えるとこいつ以上の戦闘狂はいない……。一体どうすれば…
いや、そんなこと言ってる場合か…!川原先生が吹き飛ばされた…!治療しないと!
そして俺は走ろうとした。
「加蔵。行くな。川原先生は死なない。」
「え……でも、」
「戦うこともするな。」
「えぇ……」
無神無人先生に止められた。川原先生を助ける必要はないのか…?戦うこともするな…?くそ…謎が多すぎる…
「はぁ。ねぇ、人間ってみんなバカなの?普通、考えることが霊よりできるはずなんだけど、」
「「風 展開」」
「は、なんだ…なんだよ、」
「お前は人間を侮辱した。人間とは、霊の上に立つ存在。起源は霊が先。だが、縦の軸は人間のほうが勝っているのだ。我らは霊を侮辱する。」
「はっ、半分霊の分際で何いってんだよ」
「「大 展開 暴風」」
「ウガガガガガ………ちっ、…」
「霊はいらない。全員天に行け。現世にいる霊など、一匹たりとも不必要なのだ…。」
「ならお前もいらないってことなんだなぁ!!」
ドバァァン、ドバァァンドバァァン……
霊が技を連発する。奴は特殊な攻撃がない代わりに自分を強化する能力なのか、だから霊の基礎みたいな技でもこんだけ破壊力がある……厄介だな、
【開始】
【川原先生、聞こえますか?私です、赤城玲です…!もしこの声が聞こえてましたら、先生は気絶しています。相手は今、無神無人先生と一騎打ちをしています。我々生徒は待機命令が出されており、動けない状態にあります。無神無人先生と祟の戦いでは、どうしても祟のほうが優勢です。楽観度を上げる方法は今のところありません。進展がありましたら、随時連絡します。もし目が覚めた場合は、小指を立て、「終了」と言ってください。また進展があれば随時連絡します。】
……ありがと、舞ちゃん、ちゃんと……きこえたよ…
「先生に連絡したのか、」
三鈴が聞く。
「うん、でも、気絶してるかどうかはこっち側は分からない。あんだけ飛ばされたら、さすがの先生でも気絶はしてるんじゃないかって思ったの。今は…無神無人先生の戦いを見守るしかない……かもね、」
赤城玲は少し悲しそうに答えた。
「……そっか、」
三鈴も少し悲しそうに返事をした。
「こういうなぁ、変な霊媒師に出くわすと……楽しいんだよなぁ…!なんかこう、心からうぜぇって思えるからさ……俺、バカ嫌いなんだよねぇ、」
「そうか。なら測ってみたらどうだ。楽観度とやらを」
「……「楽観尺度」」
『 自己 910 』
下がってる……
「ははっ、さっきと変わってねぇよ。カスがよぉ、時間が……無駄になっちまったじゃねぇか!!」
「そうか。「風 雨 展開 嵐」」
「ふっ、……、うっ……は……?…」
「ほんの少しだが…食らってるようだな、本当に変わってなかったのか?私のストームは私の能力の中で一番弱い。それを食らった、と言うことは…少しは楽観度が下がってるのではないか?」
「は、はは!なわけねぇだろ、一時的に低かったってだけだ。」
「『霊はよく嘘を付く』。この仮説は、どうやら間違っていないようだな。」
「はっ、何いってんだ」
「雨正。」
「はい。「コピー」「楽観尺度」」
「どうだ、」
「無神無人先生は相変わらずマイナスですが、やつは900です。」
「ふぅ……あぁあぁ、嘘は通じないのね。はいはい!!こっからだぜ…!楽しいのはよぉ!!」
「やばい…!「巨蹴」……」
「「楽度技式流楽重発!!!」
ドバァァァァァァン……
「な……なんだよこの威力…!」
地面が一気に……削り取られた…!?
「あぁあ……外しちまったかぁ……まぁこれ、直撃しちゃったらみんな死んで、もう楽しめなくなっちゃうとこだったからいっか!」
「加蔵、川原先生のところへ向かえ。場所はわかるか、……いや、わからなくても探せ。川原先生を救え…!」
「は、で、でも、、」
「いいから行け!私からの命令だ!!」
「行かせないよぉ?「楽度技式 曲肱之楽」」
「は、なんだこれ…」
「さぁ、いってこいよ、ほら…!」
「ぁ……なんか……、何のやる気も……」
「加蔵…!!抗え!!」
「うぅ、、「電炎」…!!」
朝野が技を繰り出した。敵の精神攻撃を邪魔する気なのか、
「楽観度の概念忘れたの?はは〜馬鹿だねぇ、」
駄目だ……戦う意思が………動く意思が……薄れていく……意識は保ててるのに…!
「「楽度技式 苦尽甘来」」
くそ……攻撃が……次から次へと……なんだこれ……クソ、!!気分が……気持ち悪い……
【楽度技式】
「流楽重発」は、楽観度をそのまま放出する。楽観度は減少するが、より強力なパワーとなる。
「曲肱之楽」は、相手が持ってる負の感情を全て楽観度に変換する技。殺意までも変換されるため、戦闘意欲がなくなる。
「苦尽甘来」は、楽観度があると、その楽観度を倍増させる。楽観度は高すぎると気分がおかしくなり、とても戦闘ができない状況になる。
こいつ……最初っからこれ狙ってやがったのか……
「さぁさぁどうする皆さん? お遊戯会の幕開けですよ??」




