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新たな英雄立つ?


「いやぁ、王宮もラティス様の事をよくわかってらっしゃる。英雄譚。まさにラティス様の活躍はそれですな。我らレクスオールの兵も鼻が高いです」

「ユンカーどう思う?」

「王宮の事に詳しくないので、なんとも言えませんが少し大仰すぎるかと」

「そうだよな。俺もそう思う」

「この後少し探りを入れておきます」

「そうしてくれると助かる」

「ラティス様もユンカーもなにを言ってるんですか。これが正当な評価というやつです。他意はありませんよ。ハハハハッ」


ギルバートは論外なので放っておいてユンカーに任せることにしてようやくヴィレンセ侯爵家の屋敷へと到着すると、そこには既にヴィレンセ侯爵様と奥様、それにアリューレ様の姉君も戻って来られていた。

ヴィレンセ様は、細身で男前だが、さすが侯爵だけあって全身からオーラが滲み出しているようだ。

奥様はアリューレ様に似た金髪と大きな青い目で、まさに貴婦人といった感じだ。

姉君はアリューレ様と髪の色こそ違うが、アリューレ様がそのまま成長されたような大変美しい方だった。


「皆様この度アリューレ様からのご厚意でお世話になります。ラティス・レクスオールと申します。むさ苦しい一団ではございますがよろしくお願いします」

「ラティス君、そんなに固くならなくても大丈夫だ。事情は娘から全て聞いている。娘の命を救ってくれたようだね。心から感謝している。本当にありがとう」


なんと驚くべき事にヴィレンセ様が俺に向かって頭を下げてきた。


「ヴィレンセ様、頭を上げてください。私達はたまたま、タイミングよく居合わせたにすぎません。そのような礼は不要です」

「そうは言うが、もしラティス君達がいなかったら、今頃アリューレはどうなっていた事か。娘達に何かあれば私は生きていけないんだ。ラティス君には感謝してもしきれない。お礼もできる限りさせてもらおう。何か希望のものはあるかな」

「いえ、アリューレ様にも申し上げましたが本当にそのようなお気遣いは不要です。このお屋敷に滞在させていただけるだけで十分ですので」

「ラティス君は今どき貴族には珍しいタイプのようだ。私は好ましいがね」

「いえ、私は貴族では……」

「聞いているよ。王都へは準男爵位の叙爵にきたのだろう。立派な貴族じゃないか」

「ありがとうございます」

「それに、ラティス君の事は小耳に挟んだことがある」

「私の事をですか?」

「ああ、辺境の地に新たな英雄立つとね」

「な……」


ヴィレンセ侯爵様にまで俺のことが英雄と伝わっているとは一体どうなってる。

全身の血液が沸騰して顔が熱い。

アリューレ様と姉君も侯爵様の言葉を間に受けているのかキラキラした瞳でこちらを見ながら頷いている。

恥ずかしすぎる。

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