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初日

数で勝るメルベール軍はメルベール軍を中心に脇を寄子達が固め、サンドニ軍はギルバートが言っていたように練度が高く自信があるのかサンドニ男爵もかなり前に出てきているように見える。


「いけえええええええええええ〜」

「突撃〜〜〜!」

「弓隊撃てええええ!」

「うおおおおおおおおお」

「ああああああああああああああ〜!」

「当たれえええええ〜!」


前線で両軍が入り乱れ怒号と指示が響き渡る。

戦況は数で勝るベルメール軍が優勢に進めているようにも見える。


「ギルバートさん、どう見える」

「今のところベルメール軍が押しているように見えますが、一気に決まるような感じでもありませんな」


ギルバートさんの眼は確かなようで、開戦と同時に前線でやり合った後は小康状態となり、小競り合いはあったもののそのまま両軍が引きその日の戦いを終えた。


「ハッハッハッ、ベルメール男爵様の大勝利ですな」

「数が違いますよ。数が。サンドニなど羽虫のようなものでしょう」

「して、レクスオール士爵はなにをしておったのじゃ」

「はっ、言われた通り後方で控えておりました」

「勝ち戦で後方に控えておったのか。とんだ腰抜けもおったものじゃ」


くそっ、言い返してやりたいが、そういうわけにもいかない。

こちらに命令を出しておいて腰抜けって。

それは俺は腰抜けかもしれないけど、レクスオール軍はそうじゃない。

バカにされていい気はしないが、軍議のはずなのに作戦らしきものよりも、自分達が大勝したと褒め称えあっている時間の方が長い。

今頃サンドニ側は必死に考えている事だろう。

この差が、ベルメールが命を落とした理由かもしれないが、俺が何かを言っても聞き入れてもらえるような雰囲気は全くないので今の俺にできる事はないので大人しく本陣を去る。


「ラティス様如何でしたか」

「ああ、みんな浮かれてる」

「まあ優勢でしたから。仕方がないことかと」

「まあ、でも後四日か五日は続くはずだから」

「なんと、ラティス様にはそこまで……」


あまり詳しい戦況の記載のなかったベルドニの戦いだが、もうひとつ大きな記述があった。

それは日数だ。

ベルドニの戦いは六日目に大きく動き決着がついたとあったのだ。

ただ問題はその六日がいつから数えての六日かという事だ。

俺が着いた時には既に戦いが始まっており二百の兵を失ったと言っていた。

つまり、その時点から数えて六日なのか、あくまでもレクスオール戦記なのでラティスから見ての六日なのかがわからない。

それによって状況は変わるが、いずれにしても後三日はこの状況が続き、状況が変わるとすれば四日後か五日後のはずだ。

逆にいうと三日間は大丈夫ということだろうけど、戦場で気が休まる事はないので早く終わって欲しいのが本音だ。

レクスオール軍の陣に戻って食事を摂るが、あまり味がしない。

以前より塩味が効いているはずだが味が薄い。

家でリティアの作ってくれたご飯が食べたい。

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