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ギルバートと訓練

決意を新たに俺はギルバートさんを捕まえて聞いてみる。


「ギルバートさん、ちょっといいですか」

「はっ、なんでしょうか?」

「サンドニ男爵って知ってる?」

「それはもちろん知っております。レクスオール家の寄親たるメルベール男爵家と敵対関係にある男爵家ですからな」

「やっぱり敵対してるんだ」

「はい、ここ数年は特に顕著で小競り合いが何度か起こっております」

「サンドニ男爵って強いの?」

「そうですね。強いか強くないかでいうと強いですね。男爵家なので前のリクエ子爵軍に数は劣りますが、質は上かと。サンドニ男爵家自体が武を重んじる家柄。サンドニ男爵も武勇を誇っていますが、その軍の練度も高いものがあります」

「そうなんだ。もしも、もしもだよ、レクスオールがサンドニと相まみえたら勝てるだろうか」

「ラティス様、それは愚問というものです。レクスオールに敵などおりません。サンドニ程度相手になろうはずがありません」

「そうか。それは安心だ」


ギルバートさんに意見を求めたのが間違いだった。この脳筋の答えは常にひとつ。レクスオールに敵無し。

それは置いておいてやはりサンドニ男爵は強敵らしい。

レクスオール戦記によると次の相手はサンドニ男爵だ。

後数ヶ月後にメルベール男爵に攻め入るはずだ。

それに少しでも備えるしかない。


「ギルバートさん、お願いがあります」

「はい、なんなりと」

「二ヶ月でできる限り、兵と俺を鍛えてほしい」

「ほう、二ヶ月ですか」

「そう、新しく組み込まれた兵も含めて徹底的に鍛えてほしい」

「……それはサンドニが関係しているので?」

「そうだ。期限は二ヶ月なんだ」

「わかりました。できる限りのことはやりましょう。それでは早速ラティス様の訓練を開始しましょう」

「え〜っと」

「さあ武器をお持ちください。このギルバートがお相手いたします」

ギルバートさんが直接訓練してくれるのか。ギルバートさんは間違いなく強いだろうからきっと強くなれる。

「ギ、ギルバーさん」

「ラティス様、なにか?」

「ちょ、ちょっと手加減を!」


自分の希望でギルバートさんと訓練を始めたが、すぐに後悔することとなってしまった。

俺も剣術の訓練は定期的にやっていたし、それなりになんとかなるかと思っていたが完全に間違いだった。

今までやってた練習を一だとすると冗談抜きで百くらいの強度だ。

全ての攻撃は弾かれ、そして打ち返される。

ギルバートさんは木剣なので斬れはしないが、死ぬほど痛い。

教えてくれているというよりも袋叩きにあっているかのよう。

大人と子ども、いやそれ以上に技量の差がありまともな立ち合いにならない。

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