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リティア


「ギルバート、俺の言うことが信じられないのか? グリフォンの化身たるこの俺の言葉を。リクエの戦に勝利をもたらしたこの俺の言葉を」

「そ、それは」

「どうやらまだ信じていないようだな。なにも起こらなければそれでいい。ベリンガムに斥候を送れ。遅れればレクスオールは滅びるぞ!」

「はっ、わかりました。至急ユンカーを送ります」

「ああ、そうしてくれ」


かなり強引だったが、どうにかなった。

自分でもグリフォンの化身とか何を言ってるんだと思いつつ、ラティスの権威でごり押ししてみたが、ユンカーを斥候として送ってくれるらしい。

レクスオール戦記にはベリンガムとの戦いの詳しい日時は載っていなかった筈だ。

ただ、リクエとの戦いと同じ年だったのは間違いない。

だとすれば、ベリンガムが来るならこのタイミングの可能性が高い。


「ギルバート、すまないがいつでも出陣できるように準備だけは兵達にさせておいてくれ」

「はっ、お任せください」


この後ギルバートがユンカーに命じてベリンガムへと馬に乗り向かった。

心の中では、これは俺の勘ぐりすぎで、本当は何も起こらない。そう願ってもいたが、すぐに知らせが来るものでもないのでギルバートに準備を任せ、自分は屋敷へと戻る事にした。

神経を尖らせピリピリしながら、特にすることもないのでベッドに寝転んでいると、しばらくして誰かやってきた。


「すいませ〜ん。ラティス様いらっしゃいますか〜?」

「いるけど、あなたは?」

「はい、父ギルバートより申しつかりラティス様のお世話に参りました」

「父ギルバート?」

「はい、娘のリティアです」

「ええっ!? ギルバートさんの娘さん?」

「はい」


どうやらこの女の子はギルバートさんの娘さんらしい。

たしかに髪の色はギルバートと同じ銀髪だが、それ以外は全く似ていない。

あのゴツいギルバートさんとは違い、目がクリッとしていてかなり可愛い。

本当に親子なのかと疑ってしまう程には似ていない。


「リティアさんがご飯を作ってくれるってことかな」

「リティアでお願いします。ご飯だけではなく、お屋敷での身の回りのことは全てさせていただきます」


たしかにギルバートさんは今日にでも手配してくれるような事は言っていたがまさか娘さんを寄越すとは思いもよらなかった。

だけど、俺と同じくらいの歳に見えるけど、この家の距離だとラティスと付き合いもあったかもしれないのに大丈夫なのか?


「え〜っとリティアは歳はいくつになったんだったっけ」

「ラティス様と二つ違いなので十八歳になりました」

「ああ、そうだった」


二つ違いで十八って事はラティスは俺と同じ十六歳って事か。十六歳で戦争に繰り出すとか考えられない。

しかも多分初陣で戦死。

本物のラティス戦記のラティスと違いあまりに不憫だ。

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