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恩賞

それにしても、誰からも俺がラティスである事を疑われた様子は一切なかった。

いちいち代替わりした寄子の顔など気にもしてないのかもしれないが、とりあえずよかった。


「ギルバートさん、これからどうなるんだろう」

「それはもちろん貴族院より正式にレクスオール家当主、士爵位が認められ、ベルメール男爵様からは恩賞をいただけるものかと」

「俺が当主?」

「もちろんでございます」

「士爵?」

「当然でございます」

「恩賞をもらえるの?」

「大将首を上げ敵を降したのですから。当然のことかと」

「そうなんだ」


なにやらとんでもないことになってきた。

俺が、士爵でレクスオール家の当主。しかもラティスでベルメール男爵から恩賞。

あまりにも非現実的な出来事に頭がまとまらず理解が追いつかない。

結局その日はシングレアが戻ってくる事はなく、ベルメール男爵側から食事が振る舞われた。

出てきたのはやはり野菜のスープとパンだ。

スープはよく見ると微かに肉っぽい物が入っており僅かに塩味がするような気がする。

パンは、ほとんど同じ気がするけど、やっぱりかなり硬い。

ベルメール男爵がこれなら、やっぱりこの時代あまり物が無く裕福では無いのだろう。

味が付いたご飯が恋しい。

レクスオール家郎党全員で雑魚寝して迎えた翌朝、早々にベルメール男爵に呼び出された。


「シングレアが確認から、戻ってきた。信じがたい事だが、本当にリクエ軍を降したのだな」

「はい」

「今回間違いなく、そのほうラティス・レクスオールが一番功賞となるだろう。褒美はなにがよい」

ギルバートさんの言うように褒美をもらえるようだが、ここで特に欲しいものなんか思いつかない。

「リクエ軍には降るかわりに、安寧を約束しました。できれば罪には問わないようお願いいたします」

「わかった。他には?」

「いえ特には」

「なんと、一番功賞に望むのは降した敵軍の心配のみとは。若い其方を少々見くびっておったようだ」

「そんなことは」

「よし、それでは今回降したリクエ軍より兵二百とそれに見合う領地をやろう」


兵二百って今のほぼ三倍になるって事?

百人でもまとめ切る自信がないのにもう二百人も!?


「どうかしたのか?」

「いえ、ありがとうございます。ひとつだけよろしいでしょうか?」

「なんだ?」

「敵にグラディスというものがおります。その者、私についてきたいと言っておりましたので、できればその者をいただけないかと」

「そんな事か。もちろんよいぞ。また其方の代替わりによる叙爵が早々にできるよう貴族院には私から言付けておこう」

「はい、ありがとうございます」


大きな問題なく片付いたようでよかった。

この後は特になにもなかったのでギルバートにつれらて、レクスオール領へと戻る事となった。

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