表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/67

天の使い?

「ラティス様、眼を覚まされましたか。心配いたしましたが、大事無いようで安心いたしました。ああ、ご安心ください。リクエ軍は全員ベルメール軍へと降りました」

「ああ、それじゃあ終わったんですね」

「何をおっしゃいますか。まだ終わりではございません。ベルメール男爵様にご報告し、降ったリクエ軍の処遇も残っております」

「そうなんだ」


まあ、俺の役目は終わったし関係のないことだ。

それよりも問題は、ここでどうやって生きていくかだ。

どうにか元の時代に帰れればいいが、どうやってここに来たのかもわからないのに帰りかたなんか全く検討もつかない。

考えて見ればお金も何もない。そもそも住む場所さえ無い。お先真っ暗だ。

まさか自分が時間跳躍なんかするとは夢にも思わなかった。

今回の代役で僅かばかりでも先立つものをもらえないだろうか。

運とはいえ、俺もかなり頑張ったはずだから、恩賞を貰えてもおかしくは無いんじゃ無いか?

お金さえもらえればなんとかなるか?

いや、だけどなぁ。


「ラティス様、つきましてはリクエ軍の処遇についてですが」

今後の事に想いを馳せているとギルバートさんが思いもよらない事を言ってきた。


「いや、ちょっと待ってください。それは俺には関係ないことでは……」

「ラティス様があれほど高らかに宣言なさったではないですか。共に歩もう。共に駆け、共に羽ばたこうと」

「い、いやあれは……」

「ラティス様、このギルバート感服いたしました。ラティス様こそこのレクスオールの旗頭。星にございます。リクエ軍の筆頭騎士を単騎で退け、瞬時に敵の大将を見つけて、策を授けるその慧眼。そして敵であるリクエ軍をも心酔させるその度量。どれをとっても英雄のそれ。まさにグリフォンの化身にございます」

「え!? いやなにを言ってるんですか? だって俺はラティ……」

「ラティス様! あなた様はラティス・レクスオールその人でございます。何人たりともその事に異を唱えることなどありません。数で勝るリクエ軍を看破し、併合し得たのはひとえにあなた様のお力によるもの。ラティス様あなた様こそラティス様にございます」

「そんなバカな……」


目が覚めた途端ギルバートさんが無茶苦茶を言い出してしまった。

いったいどうなっているんだ。


「いや、だってラティスは今回だけだって」

「これはここにいる五名全員の総意でございます。あなた様をおいてレクスオールの主人は他におりません」

「そんなバカな。だって俺はレイシアだよ」

「そのような御仁は元からおりませぬ。周りの者にも確認しましたが、レイシア・ガルティナなどという者はおりません。あなた様は天からの使い。ラティス・レクスオールその人でございます」


それは、レイシア・ガルティナはこの時代の人間じゃないんだから周りの人に聞いても知っているはずはない。

だからといって俺が天の使いって、あり得ない。


しかもラティスって、そういえば本物のラティスはどうなったんだ?

【読者の皆様へお願い】


いつもありがとうございます。

皆様のブックマークと☆ポイント評価で作者のモチベーションが保たれています。

興味を持たれた方は是非ブックマークとスクロールして下部の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にお願いします


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ