表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

93/122

93.復活の、悪魔軍



 第七王子ノアが、父親の幼児退行をなおした、一方その頃。


 そこはゲータ・ニィガ王国南西にある、小さな小島。


 島の地下深くには、天然の岩を削って作った地下城があった。


「く……くくく! ノアぁ~……貴様を葬り去る準備が、完了したぞぉ~……」


 黒いフードをかぶった人物が、魔法陣の前で邪悪に笑う。


 彼の前には4柱の、大悪魔が召喚されていた。

 

 みな強力な力を放っている。


「こいつがあれば、貴様なんぞイチコロだ……! 待っていろ、ノア・カーターぁあああああああああああ!」


 その様子を、部屋の端で見ている姿がひとつ。


「何やつ!?」

『やはり、貴様だったか』


 影から這い出てきたのは、黒犬のナベリウス。


 壁を操る力持つ。

 呪力(魔力のような物)をたどって、ここまでたどり着いたのだ。


『ナベリウス!』『生きていたのか貴様!』


 部屋の中には、かつての同胞、71の悪魔達がうごめいている。


 みながナベリウスに強い怒りと、憎悪の視線を向けてきた。


『よぉ、ソロモン。それに、同胞諸君。ひさしぶりだな』


 ナベリウスの前に立っている男は……ぱさ……とかぶっていたフードを取り払う。


 そこにいたのは、かつての上司。


 悪魔使いソロモン。


 かつて、ノアを滅ぼす計画を企てたもののひとりだ。


 72いた悪魔を率いて、殺そうとしたことがあった。


「久しいなナベリウス。よくものこのことここにこれたものだな」


 ソロモンがにらんでくる。

 彼が恨むのは仕方ないことだ。

 

「敵について、わしらをだました……裏切り者の分際でなぁ」


 ……かつてナベリウスを使った作戦が行われたことがある。


 あのときは別に、ノア側についたわけじゃなかった。


 だが勘違い&誤解の連鎖がおき、悲劇が起きた。


 ノアが不調だと勘違いしたナベリウスが、それをソロモンに報告。


 ソロモンはノアが不在の中を狙っての総攻撃をしかけてきた……が。


 結局ノアは仮病だった。

 あっさりと悪魔は全滅させられたのだ。


『あのときは……その、すまない』


 純粋に申し訳なかった。

 別にだますつもりは毛頭無かったから。


『ふざけるな!』『謝って許されるものか!』『食い殺してやる! 裏切り者ぉ!』


 悪魔達からの憎悪を肌で感じながら、ナベリウスは気づく。


(こいつら……前よりも力が強くなっている……!)


 悪魔とは、負の感情が凝り固まってできたもの。


 前回ノアにこっぴどくまけた、という屈辱がパワーとなって、さらに悪魔達は力をつけたのだ。


 ナベリウスがここにいる理由……。


 それは、敵情視察だ。


(やれやれ、オレ様も使いっ走りが板についてきたな)


 もしもノアを超えた力を、ソロモン達が備えていたら、それをノアに報告するべきだった。


 カーター領には、愛すべき友達ばかがいる。


 彼らに危害が及ばないように。


 だが……。


『ソロモン。裏切って悪かった。代わりに一つ良いこと教えてやるよ』


「なに……?」


 ナベリウスは、はっきり言う。


『悪いことは言わん、撤退しろ』


 ナベリウスは理解していた。


 ノアと、そして新しいソロモンとその悪魔達の力。


 両方を比べても……しかしノアと、カーター領に軍配が上がると。


「はんっ! なんだそれは。見てわからぬか、この71の悪魔達のパワーアップした姿! そして、わしが召喚した4柱の大悪魔を!」


『わかってる。わかってるからさ。無駄な戦いはやめろ、と忠告してるんだ』


 今やカーター領は、ノアだけじゃない。


 他にも強力な奴らがごまんとそろっている……。


 正直どちらが化け物なのだというレベルで、カーター領の領民たちは強い。


 挑めばやられるだろうと、ナベリウスは素直にそう忠告している。


 だが……。


『裏切り者の言葉なんぞ耳を貸すもんか!』


 悪魔達が騒ぎ出す。

 やれやれ……とナベリウスが溜息をつく。


『本当にやめておけ。無駄死にだ』


『てめぇ!』『この!』『ぶち殺すぞぉ!』


 さっ、とソロモンが手を上げる。


 悪魔達の間を縫って、ソロモンがナベリウスのもとへとやってくる。


「おまえの言い分はわかった。ご忠告痛み入る」


『そりゃどうも。んで、貴様はどうするんだ?』


「ふんっ! しれたこと……作戦は続行だ! ノアを……殺す!」


 悪魔達が喝采をあげるなか、ひとり、ナベリウスは溜息をつく。


『同胞のよしみで、忠告してやってんだけどな……』


 はっきり言って勝てる見込みがゼロな戦いなのだ。


 ソロモン達はわかってない様子だ。


「貴様こそわかってない。大悪魔の力をな」


『あ、そ。じゃご勝手に』


 くる、とナベリウスがきびすを返して去って行こうとする。


 だがその瞬間、ナベリウスの体が、石の槍で串刺しになる。


 ズタボロになったナベリウスが、どさっ、と倒れる。


「わしが貴様を、生きて返すとでも?」


 ソロモンが小馬鹿にしたように鼻を鳴らす。

『いや、思わないさ』


「!? 貴様……どこだ!?」


 ナベリウスの声が洞窟内に響き渡る。


 だがソロモンが周囲を見渡しても、その姿は見えない。


『不用意に【敵】陣にツッコむ馬鹿がどこにいる』


「貴様ぁ……! やはりノアの味方なのかぁ!」


『味方じゃねえよ』


 ナベリウスは、一言言う。


『あいつらの……友達だよ』


 気恥ずかしそうにナベリウスが言う。

 だが頭に血が上っているソロモンは、顔を真っ赤にして鼻を鳴らす。


「ふんっ! 裏切ったことを後悔するがいいナベリウスぅ! 貴様もろとも、ノアも、あの領地も、滅ぼしてやるからなぁ!」


 ぐっ、とソロモンが天井に拳を突きつける。


「ゆくぞ我が悪魔げぼくども! ノア・カーターを呪い殺してやるぞぉ!」


『『『うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!』』』 


 ナベリウスはその様子を見て、小馬鹿にしたように言う。


『まったく、愚かな奴らだよ。ノア様に挑むなんて。あいつ今や悪の帝王なんだぜ?』


 かくして、悪魔ばけものVS悪の帝王(ばけもの)による戦いの火蓋が、切って落とされるのだった。


 



【★お知らせ】


新連載、はじめました!



「黒執事は元ゴブリン令嬢と気ままに旅する~屋敷の全てを一人で完璧にこなす万能執事、濡れ衣で追放されましたが、クールで聖女なお嬢様と相思相愛で幸せです「我々を追い出したくせに今更何の御用です?」」


【URL】


https://ncode.syosetu.com/n9026hj/


よろしければ是非!


広告下にも↓リンク貼ってあります!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 多分悪魔(ばかもの)vs悪の帝王(無双の蹂躙)
[気になる点] 悪魔たちがあれほどの自信だと気になるのだけど、強化した今の悪魔たちと蹴散らされた当時の時点のノアとではどっちが強いんだろう?
[気になる点] 主人公がどこで休憩してるのか気になる。 どこで寝てる??????
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ