80.ノア様、書籍化するってよ(※特別編)
※今回は本編とは一切無関係な内容となってます。
俺はロウリィの手によって闇落ちした……はずだった。
が、気づいたら、何もない白い空間にいた!
「ふぁ……!? 何これ……!? どうなってるの!?」
「ノア様!」
俺の婚約者、サラディアス=フォン=グラハムが、俺の元へとやってくる。
群青色の髪の毛と、黄金の瞳。
白いドレスが特徴的な、貴族令嬢だ。
「サラ! ここどこか知ってるか?」
「さ、さぁ……? わたくしも気づいたらここに……」
そこへ……。
「ノア様!」
「おお、リスタ」
俺の屋敷で働くメイドの、狂信者ことリスタが、やってくる。
長い金髪、少したれた瞳。
胸元のぱっくりと開いたメイド服を着ている。
「どうやらわたしたちは、奇妙な世界に紛れ込んだみたいです!」
「奇妙な世界……? なんだそりゃ……」
と、そんときだ。
『へいへいノアッチ~! ふ~!』
パラリラパラリラ……と音を立てながら、バイクが走ってきた。
「ロウリィ!?」
バイクに乗っているのは白猫姿のロウリィだ。
首にリボンを巻いている白猫。
目はサファイア色をしてる。
特攻服を着て、バイクの上に乗っていた。
「おまえそれどうやって乗ってるんだよ!」
『理屈を求めるな! 感じろっす!』
わけわかんねえよ!
「え、俺たちなんかとんでもないことになってなかった?」
『猫ぱーんち!』
ふにっ……。
「や、やわらけえ……」
『79話までの内容はいったん忘れるっす! タイトルに特別編って書いてあったでしょ!』
メタいな発言が!
『今回は本編とは別の時間軸っす』
「お、おう……そうか。じゃあ俺の闇落ちもなかったわけだ」
『そっす! 今だけはっすけど!』
ぴょんっ、とロウリィがバイクから降りる。
「あれ、ナベは?」
『今回はナベちゃん出番なしっす。大人の事情っす』
「はぁ……」
『本に出てこないんで』
「本……?」
『そっす……実は、大切なお知らせがあるっす! 諸君、けーちゅー!』
なんだなんだ、と俺とサラは近寄る。
ロウリィはうなずいて、くわっと目を見開く。
「このたびノア様のご活躍が……本になるっす!」
……。
…………。
………………本?
「え、なんかそれ、前にもなかった? ダザイが俺の活躍を本にするって」
『あれは本編でのお話。今のはがちのリアルの話っす』
はぁ!?
『はいじゃあこれ見たくださいっす! どーん!』
「う、嘘だろ……? 書籍化するのか、この話!?」
『そーっす! 無能王子、めでたく書籍化けってーっすよ!』
「「さすがです、ノア様!」」
いやいやいやいや!
おかしいおかしい!
「え、だってこの話、何の起伏もなく、ただ主人公が馬鹿やってて、最後にどうしてこうなったって叫ぶだけの内容1ミリもないギャグ小説だぞ! 書籍になるの!?」
『なるっす! 何の起伏もなく、ただ主人公が馬鹿やってて、最後にどうしてこうなったって叫ぶだけの内容1ミリもないギャグ小説だけれども!』
「ノアぱーんち!」
ばきぃい……!
『ぶぎゃぁああああああああああ!』
ボールみたいにロウリィが吹っ飛んでいく。
ぐしゃり、と地面に落ちるロウリィ。
『なにするんすかぁ!』
「いやたしかにね、事実だけどさ。人に言われるとむかつくんだよ!」
『理不尽すぎる!』
ロウリィのやつがふらふらになりながら、俺たちの元へやってくる。
「ロウリィ様、大丈夫ですか?」
『うう……サラさん、やさしーっす……』
サラがロウリィを抱き上げて、治癒魔法を施す。
『ちょっとノアッチ! わたしにたいする扱いが雑じゃないっすか! あんたわたしに惚れてるんすよね!?』
「うるせえ。初期はこういう雑に扱う関係だったろうが」
『確かに……今読み返すと、ひでえっすね。長年連れ添ったなかなのに、置いてけぼりするし……! 腹立ってきた!』
シャー! とロウリィが牙をむく。
『へんしん!』
ぴかー! とロウリィが輝く。
そこには、1匹の白い竜が現れる。
「「「誰!?」」」
『わたしっすよ! 魔神ロウリィの、真のお姿じゃないっすか!』
「「「魔神!?」」」
『うそでしょ!?』
俺たち3人がびっくり仰天する。
「ロウリィって魔神だったのか!」
「ロウリィ様はお猫様だと思っていましたわ」
「さすがノア様のペット! 竜に変身できるなんて!」
『貴様らぁああああああああああああ!』
ロウリィが口からドラゴンブレスを放つ。
が、ノーダメージ!
「ギャグ時空でそんなのつうようしませーん」
『くっ……! うう……力使いすぎたっす……』
ぽんっ、と音を立てて、ロウリィが人間の姿になる。
白い髪のボブカット。
猫耳がピンっとたっている。
黒を基調としたドレスを着た美少女がいた。
ちなみに巨乳である。
「やたら描写が細かいのは、書籍化が決まってビジュアルが定まったからっす!」
「メタいな発言が」
俺たちは改めて自分の体を見やる。
「俺、こんな死んだ魚の目してたか?」
「してたっすよ。神さんが定めたんすから、そうなったんす」
「イラストレーターさんはどなたになりますの?」
「【ハル犬】さんってかたっす。まじぱねーっすよ! わたしら美少女はかわいらしく、ノア様はくず領主っぽく書いてもらってるっす!」
「おい誰だ指示書かいたやつ!」
「これ書いてる作者本人なんすから諦めてっす」
マジかよ……。
リスタが感激のあまり涙を流しながら言う。
「素晴らしい! ノア様の素晴らしい偉業を全国に知らしめる、書物が出版されるのですね! なんと名誉なことでしょう!」
「これは名誉なことなのだろうか……どこから出るんだ?」
ロウリィはうなずいて返す。
「【電撃の新文芸】さんっす!」
「まじかよ! あの!」
「そっす、あの!」
正気か……出版社は……。
こんなしょーもないギャグ小説なのに……。
「ノア様、出版社様も営利でやっていらっしゃるのです。価値を見いだしてくださったかたにたいして、その発言はよろしくありませんと思いますわ」
「ま、まあそうだな……すみません……」
「ノア様が謝った! すげえ! さすが番外編!」
「うるせえ! Death★ビーム!」
ぴちゅんっ!
どごぉおおおおおおおおおおおおおん!
「死んだか」
「生きてますよ!」
「なんでだよ」
「番外編っすから!」
そうか、番外編なら仕方ないな!
「いやしかし……光栄なことだな。世間が大変な状況下なのに、本を出してもらえるなんて」
「まったくっす。ありがてえことっす。お礼にノア様が脱ぐっす」
「おい馬鹿やめろ!」
「「きゃ~♡」」
なんかいつの間にか全裸になってるし!
「おい発禁になるぞ!」
「だいじょーぶ! 番外編だから!」
そうか、番外編なら仕方ないな!
主人公が脱いだって仕方ない!
「ノア様! 番外編なら……何をやっても良いのでしたら、わたくしに愛してるとお、おっしゃってくださいましっ!」
かぁ……とサラが頬を赤らめて言う。
「な、なんでだよ急に……」
「だって……本編ではノア様、一度も婚約者らしいことしてくださらないのですもの……」
まあ、しょうがない。
だってそう言う小説だし。
番外編だから。今日くらいはいいか。
「愛してるぜ、サラ」
「ノア様……」
「と、全裸のノア様が告白するのでしたっす」
俺全裸のままだったのかよ!?
「ノア様はさすがです!」
リスタが紫紺の目をキラキラさせながら言う。
「ノア様のオティン様もまた、神だったのですね!」
「おいなんだよオティン様って!」
「おちん……」
それ以上はだめだ!
「と、とゆーことで……改めて告知……」
「無能王子、書籍化が決定したっす!」
「レーベルは【電撃の新文芸】様です!」
「来年の1月に発売予定ですわっ」
「「「みんな、今まで応援ありがとう! 買ってくれるとうれしいです!」」」
女子ズが良い感じに閉めてくれたな。
「そんじゃ、番外編はここまでっす。次回から闇落ちしたノア様のアホな所業がはじまるっす」
「おいアホって何だ! 闇落ちさせた張本人のくせに! 良心は痛まないのかよ!」
「まったく★」
なんて猫だ!
くそっ、誰だこんな風にしたのは!
「作者はめっちゃ頑張ったみたいっす。今回結構気合いが入ってるっすので、良ければ買って欲しいっす! では! アデュー!」
以上、番外編だ。
みんな読んでくれてありがとう!
書籍化が決まりました!
ほんとのほんとうにありがとうございます!
来年1月に発売しますので、買っていただけると嬉しいです!
表紙など詳細はまた後日!




