108.第七王子は発破をかける
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【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「うわーん! ろりえもーん!」
「はいはい、なんすかノア太くん」
ここは帝都カーター。
俺は執務室にて、従者ロウリィの太ももに膝枕されながら言う。
「いつの間にか空の覇者になっていたよぉ! なんだよ神竜族よわすぎだろぉがよぉおお!」
前回、俺は空を探索して、なんか強そうなやつを倒した。
てっきりそれが神竜族だと思ったんだが……。
「どうやら魔神らしかったすね」
「魔神ってロリエモンのことちゃうん?」
「そーっすけど。魔神とは、神が魔法で作った神なんす」
「はーん、人造の神ってことか」
「そす。わたしを含め、この世界には結構魔神がいるんすよ。で、前回は魔神が空で悪さしていたと」
「魔神って何で存在してるのかね?」
「さぁ……神の考えることは、わたしらにはわからんす」
ちっきしょお……魔神めぇ。
あいつのせいで、俺が神竜族を救ったことになっちまったじゃあねえかよ!
くそが!
「ロウリィ、俺はこれからどうすりゃいいんだ……」
なんかもう、色々手詰まり感がでてきた。
「なにやっても大成功しちまうんだよ。己の才能がうらめしい」
「自己肯定感ぱないひとみたいなセリフになってるっすね。まあ実際に成功しちゃってるすけど」
そうなんだよなぁ。
まじで呪われてるんじゃあねえのかって思う。
「はー……実力を隠してえ。楽隠居してええ……」
「無理っすよゴッド・ノア笑」
「おまえ次それ言ったらぶっころすからな」
俺この大ダーク帝国の、皇帝であり神扱いされてんだよな……。
んで、神扱いされてるせいで、まじもんの神に狙われてるっていうね……。
「結局ノア様はなにしたいんすか?」
「そりゃ楽して暮らしたいわけよ」
「今でも十分楽に暮らしてね? だって仕事は全部有能秘書や部下たちがやってくれて、ノア様って象徴というなのお飾りじゃないっすか」
お飾り言うなし。
「まあな。でもトップになっちまってる以上、それを承認する仕事があるだろ?」
「そりゃしょうがないっすよ、この国のトップなんだし」
「それがいやなんだよ! 俺はトップはいやなの! はーあ、誰か下剋上してくんねーかなぁ」
「無理っすよ。みんなこの状況に満足してるし、ノア様への忠誠心MAXですし」
「え、ロリえもんも?」
急にロウリィのやつが、顔を赤らめやがる。
「ま、まあ……きらいじゃねーっすけど……ごにょごにょ」
「くっそ、誰かこの状況に不満を抱いて、俺への野心MAXな部下なんていないもんかねえ」
「いないっすよ。ナベたんは悪魔だったけど改心したし、セバスさんも今じゃノア様の忠実なるしもべ、駄馬兄さんも同様じゃないっすか。最近出番ねーっすけど」
出番ってなんだよ。
「ん……いや待て。ロウリィ。そうだ、俺に対する不満を持ってるやつって、昔はいたんだよな」
「そーね。みんな改心しちゃってるっすけど」
「それだぁ……!」
「は? どれっすか」
くくく……!
思いついちゃいましたよ!
「はいはい、どうしてこうなったー」
「もはや課程を吹っ飛ばして結果だけもってきやがった!? ねえろりえもーん、聞いてよぼくの天才的なかんがえ~」
「いつものでしょ。ったく、読者もこのパターンそろそろ飽きてきてるっすよ」
なんだよパターンって?
「とにかく聞きなさいロウリィ。今すぐ、ナベと駄馬兄とセバスを集めろ」
「はあ。元みんなノア様の元敵だったひとたちだったけど……その人ら集めてのMっすか」
「Mてなんだよ」
「無能ムーヴ」
「そのとおーり! 名付けて!」
「S」
「作戦すら発表してないでしょ!?」
作戦くらい聞いてよ!
「とにかく、あの三人を呼べ! 今すぐにだ!」
★
ということで、俺はロウリィに命令を出し、セバス、駄馬兄、そして悪魔ナベリウスの三人を集めた。
かつて俺の命を狙ってきたり、敵対してきたりしてきたやつらだ……。
「なんの用だよ、ノア」
開口一番にそう言ったのは、第六王子ダーヴァこと駄馬兄。
『闇の力で暴走した駄馬兄さんを、ノア様がやっつけて、改心させたことあるっすね.改心したことで逆に影が薄くなって、出番が減ったっすね』
次に口を開いたのは……執事のセバスチャン。
「ノア様、どうかいたしましたか?」
『最初はノア様のこと嫌いだったツンデレおじさんだったけど、前領主のムノーダをぶったおしたあたりから改心し、以後、そのせいで出番が少なくなったセバスさん』
そして最後に悪魔ナベリウス。
「はいはいS」
『ナベたんも昔は悪魔使いの手下だったけど、今ではすっかりノア様の部下でツッコミ役っすね。ツッコミは少ないから出番が多い』
さっきからロウリィは何の寸評してるの?
とにかく、元々俺に不満を抱いていた三人を集めたわけだ。
執務室には三人があつまり、俺の言葉を待っている。
俺は……奴らに言う。
「おまえ達……」
『はいはいクビにでもするんでしょ。でSと』
「悔しくないのか……!」
『ふぁ!?』
どん! と俺がテーブルを叩く。
三人は困惑した表情で首をかしげた。
「どうしたよ、おれの可愛い弟よ」
「駄馬兄! てめえなんだそのキャラは! 昔は俺のこと無能だと馬鹿にして、見下してただろうが! それがなんだ、可愛い弟だぁ? こんな馬鹿で憎たらしいガキの、どこが可愛いってんだ? ああん?」
『ノア様それ自分で言っててかなしくないの? 事実だけども』
次に俺はセバスを見やる。
「どうしたのですか、わが主様」
「なーにが主じゃセバスぅ! 前は左遷されてきた俺を失礼なガキだとか言ってただろぉ? その通りじゃあねえか! 大人に対して敬意を払わない、国の運営なんて全部まるなげ、上に立つ資質ゼロのまさに無能王じゃあねえか! そんな無能王を我が主だぁ? 恥ずかしくないのか、あああん!?」
『ノア様って客観視ってできたんすね……ふげえ!』
猫姿のロウリィを握りつぶす。
最後にナベのやつを見て言う。
「おいおいナベリウスさんよぉ、天下の大悪魔が人間ごときに仕えるなんて、はずかしくないの? え、悪魔としてさぁ。仕える主人間違ってんじゃあないの? まさにパシリ犬扱いされてよぉ。悪魔の矜持もへったくれもねえなぁ!」
三人に対して、それぞれ暴言を吐く俺。
駄馬兄、セバスは顔をゆがめた。よーしよしよし!
計画通りだ!
「おまえらマジでよぉ、そろそろ次のこと考えるべきじゃあねえのか?」
「「「次……?」」」
「ああ、次の時代が来るべき……だと思わないか? なあ……?」
「「!」」
駄馬兄、セバスが何かに気づいたような顔になる。
そう、さっきまで夢を見ていた人間が、夢から覚めたような、そんな顔だ。
「わかったぜノア……」
「失礼いたします」
駄馬兄とセバスのやつが出て行く。
ふふ……かかかか!
残されたナベがため息交じりに言う。
「どうしてこうなったー」
「だから過程を吹っ飛ばすなと! って、あれ? なんでわかるんだよ、ナベ」
「どうせMだろ」
「無能ムーヴのことMっていうなよ!」
「それを言うなら自分で言うなよ……」
くそ、ナベのやつにはバレちまったか。
俺の華麗なる計画が!
『さすがナベたん。んで、ノア様、どんな計画だったの?』
「ふ……簡単よ。俺に対する反抗心を持っていたやつらをあおることで、革命を起こさせようとする作戦だ!」
『はあ……革命? 下剋上的な?』
「そのとおり。さっきほら、俺があんだけあおったらさ、さすがにムカついただろ? そしたらやつらは謀反を起こす。で、俺はやられる」
はあ……とアニマルズが呆れたようにため息をつく。
「古今東西、調子乗った為政者には、下剋上がつきものなんだよ。俺はやつらをあおることで、忘れていた反骨精神を思い出させてやったのだ。そしたら数日中にやつらは軍を率いて、俺を倒すために動くぞ!」
『「どうしてこうなったー」』
「まだ結果が出てないでしょうが!!!!!!!!!!!!!」
なぜそうなるってわかるんだよ!
『馬鹿殿様、学習ってしってるっすか?』
「馬鹿殿様がそんな難しい単語しってるわけないだろ」
「俺のことバカ殿様っていうのやめてくんない!?」
ま、まあ見ていろ!
今に、あの二人が反乱軍を立ち上げて、俺に対して反旗を翻す!
「そのときがノア・カーター! おまえの最後だぁ……! かーっかっかっか!」
『また敵のセリフ言ってるっす』
「負けフラグだってわからないのか……」
『わからないんすよ、馬鹿だから』
「馬鹿じゃしょうがないな」
見てろアニマルども!
ぎゃふんと言わせてやるぜ!
★
「ノア様大変ですわ……!」
「どうしたサラ?」
大汗をかきながら、俺の婚約者、サラディアスのやつが入ってくる。
「城の外に……大軍勢が!」
「おお! ついに来たか……!」
窓を開けてみると、武装した帝国民どもがいた!
「見よこの大軍勢! ノア・カーター政権も、今日が最後だ……!」
『『どうしてこうなったー』』
だから何も起きてないでしょうがアニマルズ!
しかし……やっとだ! やっと俺の狙い通りの展開になったじゃあないか!
「ノアぁ……! 出てこぉい!!!!!」
軍勢のトップに立っているのは、武装した駄馬兄、そばに控えるのはセバス!
『ありゃ、珍しくノア様の狙い通りの展開っすか?』
『そんなわけないだろ』
馬鹿が。
この天才的頭脳からはじき出された計算が、狂うわけ無かろうが。
『天才(笑)』
『頭脳(笑)』
あとで動物どもは潰しておこう。
「ノア様……」
「ふ……心配するな、サラ」
不安げなサラに俺が笑いかける。
だめだ……まだ笑うな……くく……もうこれで終われるぞ……。
「俺は死なん」
なーんてかっこいいこといっちゃったりね。
「ノア様……わかりました。いってらっしゃいませ、天界に!」
「おうよ! ……ん?」
え?
なに……今何つった……?
天界……?
『天界ってたしか、神がいる世界っすよね』
『ああ、遙か空の彼方、オレ様たちがいる世界とは隔絶された場所にある異世界だ』
え、なんで天界……?
と、とにかくひらっと俺は窓から降りる。
駄馬兄とセバスがやってくる。
「ノア、準備は万端だ。いつでもいけるぜ、天界に」
「ふぁ!? え、え、なに? なになに!? どういうこと!?」
「フッ……とぼけなくてもいいぜ。ノア、やるんだろ……ついに、神との戦いを!」
「はあああああああああああああああああん!? 神との戦いだぁ!?」
なんでそんな話になってるの!?
セバスが涙を流しながら言う。
「ノア様は先日、我らに発破をかけてくださった。今のままでいいのかと。次の時代が来るべき何じゃあないかと」
それは謀反を起こさせるための発言だったんだけど……。
「ノア様のおっしゃるとおりです。今の世界は……天に住まう神々に支配されております。それでいいのかと? いつまでも、古い神が作った世界で満足するんじゃなく……新しき神が作ったこの世界の時代を……新時代を作るべきだと!」
「なんだってぇえええええええええええええええええええええ!?」
いやたしかに、神のやつはうざいなぁって思ったよ?
でも別にいいじゃんほっとけば!
「馬鹿か! 神に逆らうなんて愚かなマネをして、ただで済むと思うなよ!?」
『ノア様それちがう、あんたが言うセリフじゃないっす』
『神側のセリフだからそれ……いや神か』
神じゃねえよ!!!!!!!!!!!
「ノア様のお言葉、このセバスがしかと、全ての帝国民たちに伝えましたところ、みながやる気を出し……神との戦いにやる気になりました!」
「「「殺せ! 古き神を殺せ! 新しきゴッドノアの作る世界に、神など不要だ……!」」」
ひぃ!
全員の目が血走ってるよぉ……!
「さぁノア! やろうぜ、戦争だ……!」
『あーあ、ノア様余計なこと言うから……』
『新時代とか言わなければ……』
くそぉおおおおお! なんか神と戦争することになったしぃいいいい!
『『どうしてこうなったー』』
「セリフとんじゃあねえええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
★
「ああ、ついに始まるのですね……ノア様。あなた様が……真の神になるための、戦争が……!」
ノア達を、空から見下ろす存在があった。
だれであろう、メイドのリスタである。
……彼女の背中には、三対の翼が生えていた。
まるで天使……いや、神のような、翼だった。
【★新作の短編、投稿しました!】
タイトルは――
『田舎ぐらしの幻獣配信者~ブラック企業をクビになった俺、実家の山でドラゴンを拾ったのでペット配信したら大バズりし、超人気YouTuberとなる。今更会社に戻って広告塔やれと言われてもお断りです』
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