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105/122

105.無能王子は国民のやる気を引き出す(圧制)

【★お知らせ】


無能王子、ラノベ3巻がでます!

5月発売です!

挿絵(By みてみん)



『おせええええええええええええええええええええよ!!!!』


 ある日のこと。

 大ダーク帝国、帝都カーターにて。

 白猫のロウリィが、突如として叫びだしたのだ。


「あん? 何がおせえんだよ? ろりえもん」

『更新が遅いんすよ!!!! 何が定期更新っすか! もう前回から3か月っすよ! さーんーかーげーつ!』


 しゃー! とロウリィがしっぽを立てて叫ぶ。

 ははん?


「そうかロウリィ。さては発情期だな? 猫だもんなしょうがない」

『しゃー!』


 発情期じゃあしょうがねえな。

 俺はロウリィの額に……。


「でこ、ぴん」


 どがん!


『ふんぎゃぁああああああああああああああああああ!』


 くるくるすっとんでいって、壁に激突。

 大きな音を立てて、本棚を崩す。


「なにするんすか!?」


 がば、と本の山を崩して出てきたのは、白髪の猫耳少女、ロウリィ。


「おまえが遅いとか更新とか、わけわかんねーことのたまってたから、眼ぇさましてやろうとおもってな」

「はえ? 遅い? 更新? なんのことっすか」

「まあ気にすんな」


 発情期じゃあしょうがねえしな。

 さて。


「ろりえもん」

「なんだいノアッチ太くん?」


 場所は、帝都カーターにあるお城だ。

 執務室には俺とロウリィの二人きり。


「この国……いつ潰れるのかな?」

「晴れ晴れとした顔で滅亡願ってんじゃねーっすよ」


 だってさ、だってさぁ……!!!!!


「俺、楽隠居したいのに! なーんか世界統一国家の、トップになってんだもぉおん!」


 そう、かつてこの世界にはたくさんの国があった。

 しかーし、今はこの大ダーク帝国が、すべてを飲み込み、世界の国は1つにまとまってるのである!


「なんでこんなことになったのかなぁ?」

「馬鹿殿さまのせいっすね」

「なにぃ! 馬鹿殿だとぉ!」

「さすがに言いすぎたっすかね?」

「そいつが犯人か! 連れてこいロウリィ!」

「ああ、良かった馬鹿シングルタスク殿さまで」


 そいつが犯人だ!

 馬鹿殿とやらを連れてこいや!


「まー、でもいいんじゃないっすか? 世界は一つにまとまって、今ちょー平和なんすから」

「そうなん?」


 ロウリィはうなずいて、指を立てて言う。


「前は国家間で小さな小競り合いとか、種族の違いによる戦争とか、けっこーあったんすよ。でも今はそれがない」

「なんで?」

「みんなノア教の信者っすからね」


 ノア教……つまり俺を神としてあがめてるため、世界はまとまってるわけだ。

 ちくしょう! なんてこった!


「平和が一番っすよ」

「ばっかやろう! そのせいで俺にかかる負担が大きくなるじゃあないか!」

「面倒仕事全部、サラさんとナベたんとサブリーナちゃんくんに任せてるくせに……」


 まあ確かに、細かい部分はサラとか、頭のいい奴に、仕事は丸投げしてる。

 しかーし! 承認決定権は全部俺にあるのである!


「世界中の決め事のハンコを俺がおさないといけない。めんどっちい」

「それくらいやれよっすよ……」

「いやじゃー! 俺は働かずにぐーたらしたいんじゃー!」


 すべての面倒事を放り投げて、逃げたとしても、無駄だ。

 今この世界は大ダーク帝国で統一されてしまってる。


 逃げ場は……ない!


「くっそ、どうすれば俺は楽になれるんだ……」

「呼吸を1時間くらい止めればいいんじゃないっすかね?」

「ばっかやろう!」

「ああ、さすがに死ねは失礼だったすね」

「1時間くらい余裕で止められるわ!」

「どうして馬鹿シングルタスクに無駄な力って備わってるんすかね……」


 とーにーかーく!

 俺は楽隠居したいの!


「ということで、久々に……」

「さ」

「さ!? なにそれ」

「なんかもうさノって言うのもめんどくて」

「ノくらい言えや! あとまださノすんじゃねえ!」


 さノとは、さすがですノアさまの意味。

 なんかやらかすと、だいたいさノされてしまうんだよな。


「今日の作戦は、やばいぞ」

「あんたの作戦がやばくないとき一度もないんすけど……」

「サラたちを呼べ! ろりえもん!」


 ややあって。


「ノアさまどうなされたのですか?」


 青髪の婚約者サラディアスことサラを筆頭に、腹心の悪魔ナベリウス、そして商人のサブリーナ・エチゴーヤを呼ぶ。


「またバカやるんだろ」

「しゃらっぷナベリウス!」


 ふぅ、とナベの野郎が肩をすくめる。

 くくく、聞いて驚けよ。


「帝王として命じる! 国民の税を……2倍、いや、3倍に引き上げろ!」

「な!? 何言ってるんすか! 3倍って!」


 驚くロウリィ。

 くくく、これも俺の無能ムーヴよ!


 税率を3倍に引き上げると、さすがに帝国民たちも、怒るだろう。

 そうすれば不満が噴出し、俺に反乱を起こすって寸法だ!


 しゃしゃしゃ! どうだ!


「わかりましたわ!」


 あ、あれぇ……? あっさりと認めてる?


「帝国民に今すぐ、伝えてきます!」


 サブリーナとサラのやつが、うなずくと、部屋を出ていってしまった。

 あ、あれなんかあっさり……?


「く、くくく! まあいい。これで強権発動からの、国民の怒り爆発! 反乱を起こしてノア政権は失墜!」

「「はいはい、SS」」

 

 ペットどもがあきれたように言う。


「なんだよSSって?」

「さノ×2っす」

「もはやアルファベット!?」


 省略しすぎだろ!

 ナベがあきれたように言う。


「いちおう聞いとくけど、3倍に税を増やしたのってどういう意図なのだ?」

「m」

「あ、もういい。わかった」

「アルファベットしか言ってないでしょ!?」

「どうせ無能ムーヴだろ。はいはいSS」


 ちくしょう、馬鹿にしやがってアニマルどもめ!

 ま、まあいい……さすがに3倍の税をもとめれば、帝国のなかで嫌がるやつが出てくるだろう!


 勝ったな! がはは!


    ☆


「「「SS!!!!!」」」

「おまえらもかぁああああああああああああああ!?」


 サラとサブリーナのやつが、笑顔でやってくる。


「ノア様、さすがでございます!」

「いやだからなに!?」

「外をご覧ください!」


 外だぁ……?

 俺は窓を開けて……。


「なんじゃありゃぁあああああ!?」


 帝城の庭には、莫大な量の金貨が収められていた!!!!

 どうなってるのぉ!?


「帝国民たちが、喜んで、5倍の税を払いました!」

「5ぉ!? なんでぇ!?」


 三倍でもおかしいのに、なんで五倍を!? しかも自ら進んで!?


「やはりノア様は深い考えの持ち主です。この国の問題を、解決してくださるのですから」


 大商人にして、今は宰相の、サブリーナ・エチゴーヤちゃんくんが言う。

 も、問題?


「現在、この国は停滞した空気がただよっていたのです」

「停滞?」

「世界が統一されたことで、競争意識というものが消えていたのです」


 競争意識!?


「あー、たしかにみんなノア教信者になったっすからね。争いみたいなの起きないっす」

「でもそこに、ノア様が金を多く納めろ、と命令した。一見すると無理難題ですが、課題を与えられたことでみんなにやる気を出させ、結果、世界経済が超活性されたのです!」


 と、サラ。

 な、なんてこった!

 そんな問題があったとは!!!!!!


「やはり、ノア様は素晴らしい眼力のもちぬしです。あえて高いハードルを出させれば、国民たちが自ら進んで、ハードルを飛び越えてくれると信じて、無理難題を押し付けたのですわ!」


 単に嫌がらせだったんだけどぉ!?


「くそぉおおおお! どうしてこうなるんだよぉおおおおお!」


    ☆


《ロウリィSide》


 ノアが頭を抱えてる横で、ふと、ロウリィは気づいた。


「あれ? 一番の狂信者はどこいったんすかね?」


 言うまでもなく、リスタのことだ。

 黒犬ナベリウスに尋ねるも、カノジョも首をかしげる。


「そういえば、最近リスタを見かけないな」

「ねー。どうしちゃったんすかね」

【★新作の短編、投稿しました!】


タイトルは――


『迷宮の聖女は魔物達から溺愛されてる~追放された私、奈落の森に捨てられるも、神に祈りを捧げていたら、いつの間にかそこが聖域化していた「国が亡びるからと王子が君を連れ戻しに来たけど撃退しといた」』


ページ下部↓にもリンクを用意してありますので、ぜひぜひ読んでみてください!

リンクから飛べない場合は、以下のアドレスをコピーしてください。


https://ncode.syosetu.com/n9363ic/

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― 新着の感想 ―
[一言] そういえば、ノアは神になるメリットに気付いてない? 人間だから寿命が短くて、ロウリィを置いて逝ってしまうから言い出さなかったりしてたんじゃ…神になったなら寿命の心配しなくていいからずっとイチ…
[良い点] 更新ありがとうございます!相変わらずドアホなノアッチが見れて嬉しいです!ちゃんと相変わらずで、皆からsssですね!mをしてsになる!(逆にするとやべーな…。小文字だし逆になることないから大…
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