101.第七王子は神の魔法を創造する
ある日の帝都カーターにて。
俺の城にて。
『なっ!? か、神と戦うだとぉおおおおおおおおおお!?』
俺の部屋では、黒犬のナベリウスが驚愕の表情を浮かべる。
『なぜ神と戦うことになったのだ!?』
「向こうがケンカふっかけてきたからよ」
『ばか! それに乗ったのか!?』
「おうよ。だってちょーしのってんじゃん? 俺にケンカうるとか、何様だよ」
『神様っすよ、相手は』
白猫ロウリィがやれやれ、と首を振る。
「神がなんぼのもんじゃい。こちとら地元じゃ負け知らずのノア様だぞ?」
『地元(世界)っすね』
俺たちはソファへと移動。
『いくら地上最強とて、神の前では無力だ。やつらには、人間の力が通じない』
「あ? どういうことだよ」
『神は人間とは異なる理で生きている。人間世界の理で立ち向かっても攻撃がそもそも当たらんのだ』
『ナベちゃんなんでそんな神に詳しいの?』
『オレ様は悪魔だぞ』
「『あ、そっか。忘れてた』」
俺とロウリィがそろっていう。
『忘れるなよ! オレ様のアイデンティティだぞ!』
『ナベちゃん悪魔らしいことなんもしないっすから』
「そーだぞぉナベ。まともすぎんだよ。もっと悪事を働けよ。仕事さぼるとかさ」
『あほしかいないから仕方ないだろうが!』
がー! とナベリウスが牙をむく。
『だってさノア様』
「ばっきゃろう、ろりえもん。おまえのことだよ」
『全員だよ! 帝国民も、貴様らも含めてみーーーーんなバカ!』
ぜえはあ、と肩で息をするナベリウス。
「話は戻すがよ、ナベ。神に人間のルールが適用されないってのは、魔法も剣も無効化されちまうってことか?」
『その通りだ。剣はやつらの体を通り抜け、魔法は彼らの持つ神気によって無に帰される』
『しんき、ってなんすか?』
『神が持つ力の源……まあ、魔力みたいなもんだ。神気を持たぬ攻撃は奴らに効かない』
『むてきじゃーん。だって人間は神気をもたないんすよね?』
『当然だ。人間を作ったのは神であり、被造物が反逆を起こさぬようにと、神気を人間い持たせなかったのだからな』
なるほどなぁ。
『じゃ人間じゃ神に絶対かなわないんすかね?』
『方法は、1つだけある。霊装をまとうのだ』
『れーそー?』
はて、とロウリィのしっぽが?になる。
『霊的な存在と人間とが合体し、神に等しい存在へと一時的に変身する技術だ』
……。
…………。
『ノア様? 起きてる?』
「あ、わり、寝てた」
『『おいいいいいいいいいいいいいいいいい』』
猫と犬がぎゃんぎゃんとうるせえ。
「だいいいち固有名詞が多すぎんだよ。それに話が長い。難しい。もっとサルにでもわかるくらいの説明しろ」
『この……! 貴様がケンカを吹っ掛けた張本人のくせに偉そうに!』
『ナベちゃんやっちゃえ! かみ殺せぇ!』
とびかかってきたナベとろりえもんを結界に閉じ込める。
「よーするに今のままじゃ勝てねえって言いたいんだろ?」
『まあ馬鹿にでもわかるようにいうなら』
「おい今馬鹿って書いて俺って読んでないか?」
『馬鹿なノア様でもわかりやすい説明っすね』
おい今馬鹿な俺っていってないか?
「まーなんとかなるっしょ」
『そんな楽観的な……神に通じる技をみにつけないと、殺されるのだぞ?』
「え、殺されたくらいで俺が死ぬとでも?」
『『化け物かよ!』』
ま、深刻に悩んだところで事態が好転するわけじゃあねえしな。
「てか霊装なら前にロウリィとやったことがあるぞ?」
合体して猫耳が生えたことあったろ?
あれだよあれ。
『いや、できれば霊装は避けた方がいい。あれはあくまで短期決戦用。長く持たないし、それに術者に負担が大きい』
『神の世界とケンカうるんすから、長く敵と戦える手段を考案しないとっすね』
と、そのときだった。
「ノア様!」
「『ひぃいいいい! リスタぁあああああああああああああ!』」
俺とロウリィは抱き合って震える。
「こわいよぉ! リスタがでたよぉお!」
『ノア様こわいっすぅううううううう!』
『神にびびないくせにこの女におびえるとか……』
この女はやばい。
まじで魑魅魍魎のたぐいだと思ってる。絶対人間じゃねえ!
「ノア様! 大変です! 帝都に敵襲です!」
「なんだよぉ、この忙しい時にぃ」
てゆーか、敵くらい他の奴らで対処できるだろ?
「さぁいきましょう!」
ぐいぐい、とリスタが俺の手を引っ張る。
「なんでそうやるきなんだよ!」
「だってノア様が敵をぶっ殺して、その威光を民どもに知らしめる格好のチャンスじゃないですか!」
『チャンスって……好戦的すぎるだろ……』
『思考が蛮族のそれっすね』
ほんまそれな。
ったくしょうがねえなぁ。
俺たちは帝都を守る外壁の上へとやってきたのだが……。
『ふんぎゃぁああああああああああああああああああああ!』
ロウリィが飛び上がって、俺の顔に引っ付く。
『ご、ごご、ゴキブリぃいいいいいいいいいいい!』
無数の黒いゴキブリの大群が帝都をかこっていた。
『ひぃ! ノア様ぁ! 焼き殺してぇえ!』
「ロウリィちゃん落ち着いてください。普通の炎では死なないのですよ」
あーん?
普通の炎じゃしなねえだぁ……。
「カーターの民たちが総力を掛けて駆除しているのですが、とても強い生命力を持ち、しかも数も多くててこずっているのです!」
目をキラキラさせながら俺に言う。
ああ、さノ目ってやつだこれ……。
「なんでうれしそうなんだよ」
「ノア様が敵を一匹残らず駆逐してくれると! 信じてるからです! さノ待機です!」
はぁ……ったく。
「ま、ゴキブリくらいなら、俺のオリジナル魔法でなんとかできるか」
『『オリジナル魔法?』』
ペットどもが首をかしげる。
「おうよ。俺が暇なときに趣味で作る魔法の事だよ」
『趣味で魔法って作れるんすかね?』
「え、簡単だろ?」
『しまったこの人、闇の大賢者ノアールだった』
闇いうな闇!
「ゴキブリ退治用に作ったオリジナル魔法を御見舞してやろう!」
ぱん! と俺は柏手を打つ。
その瞬間、足元に無数の魔法陣が展開。
『こ、これは! ノア様! これは!』
「この魔法複数の魔法を同時展開するんだよ。おし、いくぜ!【暗黒星雲】!」
その瞬間……。
ゴキブリどもの頭上に、小さな黒点ができた。
『え、しょぼ……なんすかあの黒い点は?』
「ろりえもんよ」
『なんすか?』
「死にたくなきゃ、ふんばりな」
『え?』
その瞬間。
ごぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
『ふぎゃあ! 黒い点に吸い込まれるぅうううううううううううううううううううううううううううう!』
周囲にあったものをものすごい勢いで吸い込んでいく。
ゴキブリはもちろん、周囲の木々や地面など、ありとあらゆるものを吸い込んでいくのだ。
『ぎょべぇええええええええええええええ!』
『ロウリィ!』
すっ飛んでいったロウリィに、ナベが自分のしっぽを伸ばして救出。
『ナベちゃん大好き!』
「おいおい浮気かよ、おれの女のくせに」
『あんたは豆腐のかどに頭ぶつけてくたばれ!』
「豆腐じゃ人は死にませーんべろべろばー」
一方、ナベは眼前の光景に驚きながら訪ねてくる。
『ノア様、これの魔法は?』
「俺オリジナルの魔法。名付けて! 【暗黒星雲】! ブラックホールを発生させ、周囲にあるゴキブリを一掃するって魔法よ」
『ブラックホールって! そんな簡単にできるもんなんすか!?』
「おう、簡単よ」
『なわけねぇええええええええええええ!』
重力魔法を組み合せればできるんだけどなぁ。
やがて、周囲にいたゴキブリどもは全滅。
ふーきれいきれい。
『ノア様……大変だ。今の魔法』
「あ? 暗黒星雲がどうした?」
『ノア様ってほんとネーミングセンスねーっすね……ふんぎゃー!』
ロウリィのしっぽでミニロウリィを作る。
『あやとりっすか!? のび太君っすか! 無駄に器用っすね!』
「で、何よナベ?」
神妙な顔つきでロウリィが答える。
『ノア様の魔法には、神気が帯びていた』
『んなっ!? それって、神様の魔力っすよね!? なんで!?』
『わ、わからん……おかしい。異常だ。たかが人間ごときが、神の魔法を再現していただと……』
え、何言ってるのこいつら?
「おいおいただの暇つぶしで作ったてきとー魔法だぜ?」
『てきとーで神の魔法が作れるとかあんたはんぱない……は!』
俺も、ロウリィも気づいた!
「さsssssssssssっすがですノア様ぁあああ!」
目をキラキラさせながら、リスタが巻き舌気味にいう。
「片手間で神の魔法を作り上げるなんて! すばらしい! すばらしいですよぉおおおおおお!」
リスタが興奮で鼻血を出しながらいう。
「り、リスタ……このことは内密に……」
「さっそく帝国中に知らせなければ! みなっさぁあああああああああああああああああああああああん!」
うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!
国を響かせるほどの歓声があがる。
「なんなのこれ!?」
「わたし、最近また新しい恩恵に目覚めまして!」
異能力みたいなもんだ。
「その名も【帝王賛歌】! ノア様が何かすごいことをしたことを、いちはやく詳細に、帝国民たちに伝える能力です!」
いらねええええええええええええええええええええ。
『完全に妖怪じゃないなこいつ……』
『ナベちゃんしっぽほどけた? はやくとってぇ~』
ああ、しまった……!
こいつの帝王賛歌なんていうあほ能力のせいで、俺がすごいことしたって一瞬で知られちまったじゃねえか!
『まあでも神の魔法ができてよかったっすね』
「神の魔法じゃあれだから、名前を【神域級魔法】って名づけよう」
『しんいききゅー、ねぇ。ま、いいんじゃね? ほかにもあるの?』
「ああ。こんなんでいいならいくらでもあるよ」
「聞きましたかみなっさぁあああああああああああああああああああああああん!」
「だから帝王賛歌やめてぇええええええええええええええええええええ!」
ああもうぉ! どうしてこうなるんだよぉおおおお!
【★お知らせ】
新連載、はじめした!
「魔法学校中退した令嬢、冷酷なる氷帝のもとに嫁ぐ~義妹のわがままのせいで学校をやめさせられ婚約者を押し付けられましたが、彼は意外と優しい人で、相手家族からもめちゃくちゃ可愛がられてるので幸せです」
https://ncode.syosetu.com/n1661hm/
よろしければ是非!
広告下にも↓リンク貼ってあります!




