01.第七王子は追放される(喜んで)
【☆★おしらせ★☆】
あとがきに、
とても大切なお知らせが書いてあります。
最後まで読んでくださると嬉しいです。
「第七王子ノアよ。貴様から王族としての地位を剥奪する。ここから出て行くがよい!」
ここはゲータ・ニィガ王国。
西の六大大陸なんて呼ばれるなかで、そこそこ大きな王国がここだ。
俺の前には親父……この国の国王が座っている。
親父に対して、俺はというと、
「ちーっす! あざーっす! 父上!」
「……ん? ノ、ノアよ……聞き間違えかな? たった今貴様の王位継承権が、剥奪されたのだぞ?」
「はい!」
「いやはいって……」
この国は代々、世襲制を取っている。
だが変わった風習がある。
それは、王位継承権が、王子全員にあるってこと。
貴族とかだと、長男が家を普通は継ぐ。
他の王家も同じだ、一番に生まれたヤツが王になる権利を持つ。それが普通。
だがここでは王子全員が、国王になる権利があるんだ。
国王が引退するときに、指名する仕組みになっている。
で、俺は王子の一人、第七王子のノア。
たったいま、親父殿から王位継承権を剥奪され、つまり王子じゃなくなった次第。
「な、なぜ落ち込まない……? なぜ追放されるのかと聞かない?」
「そ、そうだ! そうだぞ!」
困惑する親父のとなりには、クソガキ然とした表情の金髪の少年、【ダーヴァ】がいる。
ダーヴァは第六王子、俺の兄貴にあたる。
ただしダーヴァと俺は双子。
「ノアぁ! てめえはなぁ、追放されて当然のクズなんだよ! なぜなら……」
俺がダーヴァが言い切る前に言う。
「先日の鑑定の儀でのことだよな? 15歳になったときに受ける、スキルがあるかどうかを確かめる儀式。そこで俺は【無能】と判定。一方でダーヴァ兄は【剣聖】というレアスキルをゲット。スキルが絶対的な世界において無能な俺は王家の恥。だからこの城から追い出す……でしょ? 父上、ダーヴァ兄?」
俺は親父とダーヴァに向かってペラペラと説明する。
ま、ようするにスキルのない無能と判定されたから、汚点を隠すために国外追放ってわけだ。
「お、おう……わ、わかってるじゃないか!」
ダーヴァは憎たらしい笑みを浮かべて言う。
一方で俺もにっこり笑顔で言う。
「はいつーわけでめでたく国外追放が決定したけどさ親父、王子を追い出したってなれば悪いウワサが立つよな? その辺どうするの?」
目を白黒させていた親父が、ごほん、と咳払いをして言う。
「ノアよ。わしも鬼じゃない。だから貴様には領地を与える」
「ほー、領地?」
「ああ。【カーター領】を貴様に与える。今日より貴様は、ノア・カーターを名乗るがよい」
「ノア・カーター……領主ねえ……ま、妥当なとこじゃね?」
カーター領なんて聞いたことがない。恐らくはド田舎の領地だ。
つまり、追放だと角が立つから、俺を王族としてド田舎の領主に任命する形で追いやるわけ。
「ぷぎゃはは! ざまーみろノアぁ! てめえはなぁ、左遷されたんだよぉ! 王位継承権を剥奪されてなぁ!」
ダーヴァがめいっぱい邪悪な笑みを浮かべて俺を馬鹿にしてくる。
ま、あっそって感じ。
「なのに、なんだよその余裕の顔はよぉ!」
一方でダーヴァは俺の反応が気に入らない様子。
ま、俺が凹んでえーんと泣くのを期待していた、ってところかな。
「王位を継げないの、いやぁ、残念だわー、王になりたかったんだけどなー。……これでいい?」
「なんだこれでいいって!? 最後の最後までムカつくヤツだな!」
ダーヴァが腰につけた剣を引き抜く。
「だ、ダーヴァ! よせ! 殺すな!」
親父が血相を変えて止めようとする。
ま、だよな。
王の目の前で息子が、他の息子を殺したとなりゃ、管理不行き届きってことになって非難されるだろうし。
「安心しろよ親父」
だが答えるのは、ダーヴァじゃない。
俺だ。
「こんなのじゃ、俺は殺せないから」
「ほ、ざ、け! 死ねぇえええええ!」
ダーヴァは剣聖のスキルを持っている。
剣聖、つまり王国最強の剣士の称号。
神速で振り下ろされた剣を、俺は紙一重で避ける。
「なっ!?」
がつん! と切っ先が地面とぶつかる。
「スキルを得ただけの剣聖が、俺に勝てると思うのか?」
俺はただ、事実をそう伝えただけだ。
だがダーヴァはそれだけで、がくがくがく……と震え出す。
あれ、別に殺気を込めて言ったわけじゃないんだけど……まあいいや。
「そんじゃ親父、15年間あざっした! 俺はノア・カーターってことで、辺境の領主としてのんびり余生を過ごそうと思います!」
ぱちんっ! と俺は指を鳴らして、その場から消える。
「ば、バカな!? 転移魔法!? 失われた古の魔法を……なぜノアが!?」
親父がなんか言ってたけど、俺にゃ関係ないない。
あー、これで余計なことから解放された。
自由に暮らしてやるぜ!
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