邂逅《かいこう》!
*
「慈善事業じゃありません!」
それが、その子の口癖なのです…。
悪魔の女の子、夢亜ちゃんの物語――。
*
私は、榛名 夢亜!
悪魔の(自称)プリちーな女の子です!
ある時は、恋のお悩みを解決したり、またある時は――
………あ、えっと…まぁ、とにかく凄い女の子なのですっ!
「まぁ、そんなわけで…今日も早速、お悩みを解決よ!」
*
やはり、ここは…!
――…学校に行こう!
うん、大きく出た割には…とかじゃないよね。
学校には、お悩みが多いもん…ね!?
うん、私…利口!
ぴこぴこ
おっ!?こ、これは!
私の66能力の内の一つ、お悩み反応レーダーが!
そして、黄金の左足が!
あと…、あ…えと、俺の左手が血を欲しがっている…て関係ないか!
それはともかく、レーダーの反応を確認しなければっ!
「……あの男の子ね…」
夢亜の目の先には、中学生の男の子がいました。
「とおりゃっ!」
掛け声と共に、勢いよく男の子の前に飛び――
つるっ
どてっ
勢いよく男の子の前で…こけました。
「……」
くるっと背を向け、夢亜はなかったことにしました。
「あ、えっと…大丈夫…?」
夢亜にその男の子は声を掛けます。
「…っ! 何のことですか…?!」
「え、君…今思いっきり、こけて――」
「し、シャラーップ!!!!!知らないわっ!見間違いよ!馬鹿っ!」
「あ、うん…ごめん」
――それが、二人の出会いだったのです。