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カロエ工房と共に

「そうですか。早速キリヤ様はお仕事を初めになったのですね」


「ええ。赤龍の骨を使って弓の部品を作るようです」


「あら、赤龍? これはこれは…。彼の状況は逐一報告して欲しいわね…人を付ける?」


「さすがにこれ以上王室が関与するのは彼らにとっても不都合が出てくるのでは?」


「…それもそうなのよね」


王女様はどうにかならないかしらと顔に書いてるようなわかりやすい顔で頬杖をつく。


「テスラ。彼らの件はあなたに任せるわ」


「…かしこまりました」


こうなる事は予想していたと言わんばかりに近衛騎士の隊長であるテスラが顔を顰めるも受け入れる。


「そんなに嫌な顔をしなくてもいいじゃない? あなただって彼らの事気になるでしょ?」


「ですが、私は姫様の近衛であります。今以上に彼らに時間を使うと職務に…」


「その辺はあなたに任せるし、別にテスラ自身が動けとは言っていないわ。それに彼らは私にとって…いいえ、このアルテグラ王国にとって重要な”影の切り札”になると私は感じてる。それに…テスラも”10年協定”については理解しているのでしょ?」


「…それは。まさか彼らが10年協定の切り札と? それはいくらなんでも…」


「そのまさかよ。ファスア王国と我が国はこの10年で大きな国力の差がついてしまった。主な原因はファスア王国が東部諸国連合の勢力圏に組みしたから。一方我が国は良くも悪くもアルテグラ王国を貫いた。私はこの国策を愚とは思ってはいないですが、国力の差は認めざるを得ない事実。そしてこのまま10年協定の効力が切れる2年後の我が国が私は不安なのです」


「姫様…」


「お父様方は多方面で尽力していますが、私は私で彼に可能性を感じ独自に投資をすると決めたのです。それに…」


ふと言葉が過ぎた事に気づいた王女はそれ以上は話さなかった。テスラはそれでも王女が何を言いかけたのかは口に出さずともわかっている。


(キリヤ…。どうか国が君達を利用するという事を恨まないですれ…)
















「完成したのはいいんだけど、こう言うのってどう知らせればいいんだろ? 手紙にしてもリオンさんが残していった住所ってこれ宿でしょ? 宿に手紙出して届くんかな?」


「わかんないけど…そう言うのって隣のグリムさんとか知らないのかな?」


「エルビー天才か?」


「えへへ」


早速この世界の客商売についてお隣のグリムさんの所へ出向いた。

やはり出迎えてくれたのはグリムさんの奥さんで、事務関連は奥さんの仕事だそうで世間話も混じえて色々教えて貰った。


冒険者やハンター家業というものは定住しない人が多く、その多くが宿暮しだそうだ。

だから仕事の連絡などは宿宛に手紙を出すのが普通らしい。

リオンさんも慣れた手つきでこのメモを残していったのも納得いく。


「お、キリヤと嬢ちゃんも来てたのかい」


奥さんと話していると奥から店主のグリムさんもでてきた。

休憩だろうか?


「お邪魔しています。少し聞きたいことがありまして奥様に色々と教えて貰ってました」


「そうかそうか。仕事は順調か?」


「ええ。実はちょうど初仕事を終えまして、依頼者さんとのやり取りをこの辺ではどうしてるのかと聞いていたんですよ」


「この辺は冒険者稼業やハンターといったどこほっつき歩いてるかわからん個人相手の商売だからな。気持ちは分かる。俺も前に納品しようと客に言われた宿に手紙出したら、宿からそいつはもう隣町に旅立ったと言われて頭を抱えたもんだ」


「そ、そんなことがあるんですね…」


そっか…確かにそういうことも起こり得るんだな…滞在期間も含めて聞いておくようにしよう。


「そうそう。グリムさん、以前頂いた材料で”こんなものができます”みたいな物ができたので見ていただきたいんですが」


「おぅ」


グリムさんのとこに行くならついでにと、グリムさんのところの鉄材が本当に使えるかという検証用に頂いた試験片を加工したものをグリムさんに手渡す。


「なっ!? こ、これをお前さんが作ったのか!?」


「私とエルビーです」


グリムさんと、それを覗き込んだ奥さんも2人とも目を丸くして俺とエルビーを見てくる。


「この光沢面…この綺麗すぎる丸棒…こんな小さな穴がこんなに綺麗な仕上がりになってる…どう作ったのか想像もできん…」


「とんでもないお隣さんが来たもんだ」


「まだ何も話は進んでませんが、方針としては馬車の車輪回りなんかを狙ってこうと思ってます。その際、材料の方をグリムさんのところで作って頂きたいんですよね」


「お易い御用よ」


「あとですね…これなんですけど…」


「これは…」


























「テスラ様。紅茶などいかがでしょうか?」


「え、エクレールもあります!」


2人のメイドが、鎧などを脱ぎ正装で執務に励む近衛騎士隊長テスラの前にいた。


「うむ。ちょうど欲しいと思っていたところだ。頂こう」


日差しが差し込む煌びやかなこの部屋でとても馴染むテスラの姿に青髪メイドのユリアはうっとりと見惚れるも、メイドの職務を完璧にこなし、上品な手つきで紅茶を注ぐ。


一方、赤毛のメイドのユリカは常に余裕が無さそうな立ち振る舞いで、菓子の乗った小皿をテスラの前に並べる。よく見れば腕とか小刻みに震えていて、もう少しでカタカタと食器が鳴り出しそうなものだ。


「ユリカ、まだここの仕事には緊張するか?」


「あぅ…その…いえそんなことは…」


テスラはそんなユリカの反応を見て、やれやれと思いながら紅茶をすすり、エクレールにナイフを入れる。


「申し訳ありません。私の指導不足です」


「ユリア、私はそういうことを聞いているんではないんだよ。あぁそうだな。ユリアは先日まで担当したキリヤとエルビーについてどう思った? 遠慮することは無い。正直に答えてくれたまえ」


「…恐れながら良くも悪くも貴族のそれとは全く違う価値観をお持ちなのだと。むしろ私どもと同じ平民…いえ失言です。申し訳ありません」


「いやいいんだ。ユリアは正しい。彼らの世界には貴族という物は事実上存在しないようでな。もちろん富豪や権力者は居るようだが、それもこの世界で言う貴族とは意味合いが違うようだ。彼らは平民。その通りなんだろう」


質問の意図がわからず困惑するユリアに対し、テスラはさらに問いを続けた。


「その上で。ユリア、君が私ではなく彼らの世話に回されたことに少なからず不満を抱いたのではないかな?」


「そんなことは!」


「他にも普段訪れるような貴族や重鎮、王族とは全く違う対応が求められる。メイド長から話は聞いていてな? 普段完璧な仕事をこなすユリアがあの二人への仕事では不備が少なからずあったと」


「け、決してそれは!」


「それを私は咎めはしないさ。人は誰しも慣れない事にはミスをするものだが…ユリア。君は1人で完璧を追い求めすぎる節があると私は感じる。君は1度でもメイド長なり常に身近にいるユリカに助けを求めたかい?」


「っ…セレス様(メイド長)にお聞きするまでの事とは思えず、ましてユリカでは役不足かと思っていましたので。それに私は私のやり方が間違っているとは思えません」


「勘違いしないでくれ。ユリアのその姿勢はとても良い。尊重する、が、私が気になるのは”それしかできない”事なんだ。ユリアの向上心や仕事に関する完璧を追い求める姿勢は賛美されるものだが、君もやがては胸のリボンが黄色から赤に変わり、やがては黒に上り詰める日も来るんだろう。さしあたっては赤かな。その時に”それしかできない”と言うのはダメだと私は思う」


「っ…」


「ユリカも私だけじゃなく他の貴族達に対して怯えすぎな節がある。それは自覚はあるだろ?」


ユリカは俯きながらもこくりと頷く。それは本人が一番よくわかってる事だったんだろう。


「だが、キリヤとエルビーと接している君は純粋に楽しんでいたのではないか? 時折見るユリカの顔はとても楽しそうで、今みたいな顔では無かったな」


返す言葉もないのか言葉を失ったのか、言われて初めて気づいたのか

いずれにしてもユリカは黙って俯いたままだ。


「よってユリアとユリカにはキリヤのところでしばらく仕事をしてくるように。いま1度城外を見て来るといい。そうだな、名目としてはキリヤの工房と王城の連絡係と言ったところか」


「まっ待ってください! 私はっ!」


「追放ではない。時が来れば私が迎えにいく。約束する」


テスラに反抗するユリアだが、当のテスラは全く一切動じず冷静淡々と言葉を進める。


「君達をここへ連れてきた私が言えたことではないが、世界は広い。ここしか知らない君達がここに居たいと思うのは当たり前だ。その上で城外を改めて見てくるといい。特にユリカ。君達には色んな選択肢がある事を見て、考え、感じてきたまえ」


「っ…! 失礼しますっ」


「あっえ…しっ…失礼します!」


誰が見ても怒り心頭のユリアと、どうしていいか分からずオドオドするユリカの背を見送ったテスラは、大きく息を吐くと椅子にもたれかかる。


(あれから5年…か)


あれは確か王家に楯突いた領主を捕縛しに派兵した時だった時か。領主の私兵とそれに協力する王国兵と戦闘になって、その戦火でその町は壊滅状態。瓦礫の山で小さく震えていたあの二人を連れ帰ったあの日から5年か…。


「お気を確かに。テスラ様」


「…マーヤか。いや問題は無いさ」


「本来はメイド長である私の仕事。テスラ様にお手を煩わせてしまい申し訳ありません」


「いやこれは私の仕事だよ。これで少しでも変わってくれれば儲けもんなんだが」


メイド長のマーヤと言う高齢だがそれを感じさせないしっかりとした女性が、テスラの部屋を訪ねる。要件は当然ユリアとユリカだ。


「もし、2人が戻らないと言ったらどうしますか?」


「…その時はその時さ。元から”ここ”に縛り付けるつもりはサラサラないんだ」


「左様ですか。私めは少々悲しいですが、確かに私どもが決めることではございませんね。それに…」


「ん? どうしたのだ?」


しとやかに微笑むメイド長マーヤに怪訝な目を向けるテスラだが、今のどこに笑う要素があったのかと割と真剣に悩む。


「いえ。テスラ様がまるで2人の母親かのような真剣な顔をなされていたので。つい」


「…馬鹿者。私はまだそんな歳ではないぞ」


「ともかくお辛い役回りでしょうがどうか2人をよろしくお願い致します」


「…わかっている。姫様も人が悪い。こうなることも元から計画のうちなのだろう。それにユリアはあぁまで言ってやらないと動かんだろうし…必要経費として飲むさ。マーヤも2人をたまには気にかけてやってくれ」


「えぇ、もちろんです。ではこれにて失礼致します」


静かに退室するマーヤをユリアがいれてくれた紅茶をすすりながら見送ったテスラは1人思いにふける。


(母親か…考えたこともないが…強いて言うなら同じ境遇の…姉妹だと思うのだがな)


「この紅茶ともあの数回で暫くお預けと言うわけか」


2人の出立の日はまだ決まってはいない。だがあの姫様のことだ。近日中に正式に私の元に話が降りてくるのだろうと、より一層の2人が出した紅茶と菓子をゆっくりと味わった。

















「店の名前…どうするか」


「おーそう言えば全然決まってなかったね!」


「まぁ他にやることが忙しかったからな…。しかしさすがに仕事の手紙に店名がないのはまずかろうて」


「確かに…」


信じられないかもしれないが、店の名前なんて当たり前なことを全く忘れていた。

困った…どうするか…


2人とも口を閉じて困り果てて数分。


「まぁ考えてても埒があきそうにないな…。それっぽい単語を書き出してみるか」


「うん!」


【旋盤、丸棒、ゴリゴリ、旋削、鉄、テカテカ、金属、加工、精密、ピカピカ、切子、工房、工場…】


「…さらに訳分からんくなったな。すまん、少し休憩しよう。水でも持ってくるよ」


そう言って俺は席を立つとキッチンに向かい、申し訳ないことに王宮から定期的に送られてくる焼き菓子と、市場で買ってきたジュース的なのを用意した。


(王宮御用達の菓子をこんなに食べれるなんて、よくよく考えたら凄い事よな。もしこの先、それなりのお客さんが尋ねてきた時もこの菓子とか差し出せばとりあえず不敬にはならんだろうし。エルビーも中々なお願いしたもんだよな)


コップにジュースを注ぎながらそんな事を考えている。

それにしても…と店の名前を考えるも…微妙なんだよな…と頭を抱える。


「おーい、エルビー。この菓子で…」


「ねぇオペレーター?」


「ん…? どうかしたのか?」


まだ熱心に俺達が書きなぐった単語の集まりを眺めてたエルビーにそう尋ねられる。

いつもならお菓子の時間とあらば子犬のようにはしゃぐエルビーに、こうも真剣に話しかけてこられると少し身構えてしまった。


「これ。加工ってあるじゃん? カナカナに無理やり直して、カロエなんてどう?」


「…! なるほどな!」


確かに思ってもみなかった方向性だった。

今までのネックは、俺たちの単語の意味がこの世界ではあまり通用しないと言う事。

機械加工、旋盤、旋削なんて謳っても理解もして貰えない。


一方、加工、金属加工、工房、削りと言うのは理解はされるが、その辺の既存の加工屋さんに埋もれてしまうのが目に見えてる。


さらに竜骨を加工できますよと高らかに宣伝するのは、たぶん時期尚早で変に悪目立ちしてトラブルを招きかねないと感じた。

今この時期にそんな問題は起こしたくない。


なら


「あえてなんにも関係ない名前にするっていうのも割とありだよな。カロエ。語呂もいい。そうしたら悪目立ちせずに、適度な好奇心でなんの店なのかと興味を持ってくれる可能性もある」


「いい感じ?」


「エルビーに依存がなければカロエ…カロエ工房とでも決めようと思う」


「カロエ工房ー!」


こんな適当な決め方で良かったんだろうかと思うところはあるが、名前なんてものはそんなものなんだろう。

名前で評判は着いてこないんだ。


「じゃあカロエ工房。リオンさんへの手紙にそう書くぞ」


「うんっ!」


カロエ工房。安直な決め方だったが、これからはコレが俺達だ。

手紙にしっかりと書き込み誤字が無いことを確認した俺は、エルビーにも見せて封筒のようなものに丁寧にしまう。


今までは営業が仕事を見つけて、設計が図面を起こして、俺はそれを加工する。

ただそれだけの存在だった。

でも今はもう違う。それら全てを俺がやらなくてはならない。


そしてこの封をした手紙がそれの本当の第1歩なんだ。


「…出しに行くか」


そこら辺の手順は色々と教わってきた。郵便局のような存在はなく、手紙は冒険者ギルドによって配達されるようだ。

なんでも非戦闘系の人達にとっての稼ぎ口なんだとか


遠方への手紙についても定期的にギルドが仕切り、地方のギルドに向けて配達任務がされているらしい。

当然、日本の手紙の相場より値は張ってるような感じもするが、手間ひまを考えれば当然のことなんだろう。


手紙を出すのに必要な費用は中銅貨1枚。同じ街の中なので結構安いとは思う。

だいたい100円とかそのレベルなんだろう。


貨幣については事前に結構勉強した。これから商売やると言うんだから当たり前なんだが。

この国で扱われてる貨幣価値については一通りわかっているつもりだ。


「とりあえず白金貨。1枚1000万円? を扱える工場になりたいな」


「そのためにも手紙を出しに行こ!」


「おう!」














俺達が手紙を出して帰ってきて、とりあえず一息ついていた所にピカピカの鎧を着た女性が尋ねてきた。

見覚えがあった。


確かテスラさんの部下の人だ。


「キリヤ殿。少しいいでしょうか」


「ええ。ちょうど休憩してたところですからどうぞおかけください」


「では失礼します」


非常にハキハキした受け答えと、テキパキしたメリハリのある身のこなしは染み付いた騎士の振る舞いと言うやつだろうか。テスラさんも似たような空気を感じた。


「王宮からの手紙を預かっております。お受け取りください」


「わざわざありがとうございます。確かに受け取りました」


「あと、真意はわかりかねますが、テスラ様からの伝言も貰っています。”迷惑かけるが、よろしく頼む”と言っておられました」


「よろしく頼む…?」


はてなんのことだ?

と首を傾げるが、心当たりがない。この手紙に書いてあるのだろうか?と手紙に視線を落とす。


「テスラ様はしばらく王都を離れる任務に就く為、このような形になってしまったのだと思います。お気を悪くなさらないでください」


「いえ、そんな事はありませんよ。もしテスラさんに会う機会があれば”何が何だかわかりませんが、精一杯頑張ります”とお伝えください」


「承りました。では私はこれで失礼します」


一体なんだったのかと手紙を開こうと、立派な王家の印が刻まれた封蝋と言うんだっけな。蝋で出来た手紙の封を取り、中身を取り出す。


中身はこうだ。


【突然このようなお手紙でお伝えするのをまずお許しください。今回キリヤ様への可能性を加味して王宮、ひいては私との連絡手段を作っておきたく、誠に勝手ながらこちらで人をつけさせて頂きたく思います。詳しい内容なその者からあると思います。今後ともご活躍楽しみにしております】


前置きなどないとてもシンプルかつ率直な内容だった。

竜骨を加工できる存在は希少だと言う。正直に大したことをしたつもりは無いのだが…

ともかく(てい)よくいえば連絡役…普通に受け止めたら竜素材を扱える俺の監視役だろう。


特に反発する気持ちは湧かないが、やはりこういうことも出てくるんだな。


「うおっ!?」


と読み終わった俺が2つ折りの手紙を畳んだ瞬間だった。

手紙に書かれたミーヤリスと言うサインが赤く輝き、サインから火が上がって一瞬で燃え広がり塵も煤も煙も残さず燃えて消えてしまった。


「な…なんだったんだ…」


「今のは王宮で使われる魔消紙と言う魔法がかけられた紙です。ご覧の通り条件が満たされた場合に跡形もなく燃えて消えます。手紙が第三者に渡るのを防止するために用いられています。今回はあまり王宮との関係が表沙汰になるとキリヤ様に不都合が起こるだろうという姫様なりの配慮と存じます」


俺の声を聞いて戻って来てくれた騎士さんが説明してくれた。


「なる…ほど。そんな紙があるのか。わかりました。色々教えていただきありがとうございました」


「では私は改めて失礼致します」


「あっ」


「はい?」


「お名前をお聞きしても?」


「これは失礼しました。私は近衛騎士隊所属のアウラ・シュルバート。アウラとお呼びください」


「アウラさん。覚えました。また何かあればよろしくお願いします」


「ええ。では」


色々引き止めてしまったけど、アウラさんか。テスラさんとは少し似てるけど…アウラさんの方が話しやすいと少し思ってしまった。

テスラさん…ごめんなさい



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