表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【短編】現代ドラマ短編シリーズ

10年は夢のよう

作者: 烏川 ハル

   

「……?」

 目が覚めた時、僕は妙にボーッとしていた。

 まるで10時間くらい寝ていたような、眠り過ぎな感覚。なんだか朦朧として、うまく頭が回らない。今日は平日だっけ、それとも、学校なんてない日だっけ……?

 そこまで考えたところで、ハッとする。そもそも、目の前に見える天井は、僕の部屋のものではない! 学校のような公共施設にありがちな、無機質なタイル張りの天井だった。

「……えっ、ここはどこ?」

 叫んで起き上がろうとして、腕を動かしたら小さな痛み。見れば、右腕にも左腕にも針が刺さっていて、そこから管が延びている。

 そんな僕の動きや声に反応して、

「患者さんが目覚めました!」

 という言葉も聞こえてきた。どうやら、ここは病室だったらしい。


 続いて、医者やら看護師さんやらが訪れて。

 ようやく僕は、事故で10年も昏睡状態だったと知らされる。

 ああ、なんということだ! まだ10代の少年だったはずなのに、一眠りしたら、もう20代後半だなんて!


 もしも10年前の僕にメッセージを届けられるならば、これだけは伝えたい。

 自転車には気をつけろ、と。

 避ける時は右ではなく左へ避けろ、と。

 そうしないと車道に飛び出して、キミは青春時代を失うぞ、と。




(「10年は夢のよう」完)

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ