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小さな国のお話  作者: 夢良
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作戦会議

ちょっと短めです。


自室に戻ったシャルロットは、今だけ人見知りを忘れ、どうやってテオドールと話すのかを考えていた。


「マリー?ヴェスタン卿とお会いするのは、どうすればいいのかしら?でも、第一部隊の副隊長だと言っていたわよね?王宮にお勤めなのだから、お忙しいに決まっているわ。」


お茶会で全てを聞いていた、侍女マリーと作戦会議なるものを開く。


「お嬢様、呼ぶだけがお会いする方法ではありませんよ!お嬢様が、王宮に直接足を運べばいいんです!そ・れ・に!」


マリーが何か勿体ぶるように、ためる。


「それに?」


「それに、なんと!4日後にちょうど、第一部隊と第二部隊とで練習試合があるんです!一般も観覧できるみたいなので、まずはそこにいってみるのはいかがですか?」


ルベルトワ王国は、小さい国ながらも二つの騎士団を持っている。それが、テオドールが所属する第一部隊と第二部隊である。第一部隊は、主に国内の治安維持や王族、貴族の護衛など内側の仕事を担っている。第二部隊は、海と険しい山脈に囲まれたこの国を蛮族や野生の動物から守る外側の仕事を担っている。

しかし、もともと穏やかな国民の気質ゆえか、ここ数百年は他国との戦争や内乱すら起こっていない、平和な国だ。

けれども、いついかなる時も、警戒を怠ってはいけないという王命のもと、2ヶ月に一度、練習試合と銘打った腕試しのようなものが行われる。優勝すると、ささやかながら特別手当てがもらえるという。


その話を聞いた途端、シャルロットの今まで隠れていた人見知りが、首を出してきた。


「そうよね、急にお呼び立てするのも失礼よね。でも、私が行って良いものなのかしら?人が大勢来るところはまだ、慣れていないの。それに、私以外にヴェスタン卿目当てで来る方もいらっしゃるでしょう?そしたら、私、話しかけることなんてできないわッ。こんな小娘が、なんて思われたら嫌だわ。」


眉間にシワを寄せて、心配そうに呟く。


「お嬢様!そんな心配をする必要なんて、一ミリもありません‼︎それに、ヴェスタン卿目当ての方はお嬢様以外、いらっしゃらないかと思います。ご安心ください。お嬢様、ヴェスタン卿の勇姿を見られるチャンスなのですよ!お話もしたいのでしょう!?奥様もおっしゃっていたではありませんか。多少強引でもいいと。ここは、お嬢様の気持ちの強さが重要ですよ!」


早口にまくしたてるマリーの必死さに、圧されてうなずく。


「よし、私決めたわ、行くことにする!ヴェスタン卿にお会いするためですもの、私も強くならなければいけないわよね!そうと決めたら、マリー、四日後に向けてスケジュールの調節をお願い。それと、ヴェスタン卿の前にたっても、恥ずかしくないようにしてくれる?」


最後は恥ずかしくて、頬を染めながら小声でこそっというとマリーが膝から崩れ落ちた。


「マリー!?大丈夫?!!」


「お嬢様、お構いなく、大丈夫です。」


スッとたって、何事もなかったかのように振る舞うマリーは何だか、怖かった。






ーマリーの心の中ー

ああああ!!!!!お嬢様、なんてお可愛らしいッ!!!!

あんな風におねだりされなくとも、お嬢様はいつでも、女神のように尊い存在ですわ!!!

でも、あんな風にお願いされてしまったら、、、覚悟なさいませ、テオドール=ヴェスタン様!

お嬢様を、恋に落とした貴方には何がなんでも、お嬢様を蔑ろにすることなんて許されませんからね!!!!ふんっ!!!!!!



お気づきな方もいらっしゃると思いますが、マリーはシャルロットのことがすごく好きです。

いつも、シャルロットのことを考えています。マリーを敵に回したら恐ろしいことが起きるかも、、?


お読みいただき、ありがとうございました。

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