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4話


 神田先生はいい人で、いい先生で、お節介が常人以上。

 さらに、自分も虐められたのなら、アタシがどんなことを言っても、アタシが上辺の話だけで話していると勝手に思い込んでしまっている。

 でも、先生の気持ちは解っていた。

 先生はかつて虐められ、だから先生となって虐めをなくそうと奔走してる……らしい。まだ中学校に入って、あまり時間が経っていなかったのでイマイチそのことは分からないけど。

 そんな人間が先生なれば、アタシの意見はお構い無しなのかもしれない。一方的に虐めから解放しても、そのときの協力者にアタシが虐められていることがバレて、それがクラスに、学校にまで噂されて虐められたことが促される。

 

 「それで千秋ちゃん、誰に虐められているのか教えてもらえる?」

 

 もう、アタシの意見は聞いてくれなさそうだ…………。

 ………………ふざけるな!

 

 「先生、アタシは生徒です! 先生は生徒の願いをできるだけ叶える。そのようにアタシは思っていますが先生はどう思いますか?」

 

 「えっ?」

 

 先生は困惑するが、続けて、

 

 「私もそういう考えだけど……」

 

 「なら、アタシを助けないでください! 協力者が神田先生だけではこの虐めは終わりません」

 

 「じゃあ……、やっぱり他の先生に協力して――」

 

 「――アタシは虐めよりもアタシが明るい性格だということを貫きます。協力者が増えれば虐めは解決するかもしれないですが、アタシは可愛そうな人と――つまり明るい人とはまったく思われなくなります。アタシはそうなるのが嫌だと、先ほども言いましたが、先生がそれを軽視しているのなら何度も言いますよ。

 だからアタシは虐めとかいうどうでもいいものよりも、明るい性格だと思われる方を優先する。

 先生一人だけでは絶対にこの虐めは解決しないと断言します。だから、アタシを助けないで傍観してください。それがアタシの叶えてほしいことです、願いです!」

 

 「…………」

 

 先生は、悩んでいたようだった。

 正直、ここまで熱烈に『アタシ』を説明したことは久しぶりだ。でも、神田先生という人間は恐らく、こんなことをしても「それでも助ける」とか言い出しそうな人間だ。

 だから、あとは賭けだ。

 もしも虐めから助ける選択をしたら、アタシは十中八九レベルで壊れる。

 だから、虐められていることは傍観してほしかった。

 

 「……はぁ、……分かったわ。納得はできないけど、それが千秋ちゃんの大切なものなんだよね。暫くは見守るけど、また何かあったら私に言ってよね。これ以上何かあったら私は助けに行くわ。良いわね?」

 

 「はい! 分かりました!」

 

 なんとか、先生はアタシの願い通りに従ってくれた。

 正直、骨が折れるような会話だった。

 でも、アタシの明るいという性格はねじ曲げない、絶対に。

 

 「……ただ、先生としてやっぱり放ってはおけないから……、またアザが見えた場合、私は千秋ちゃんを助ける。それでいい?」

 

 「はい! それでいいですよ! ……他には何かありますか?」

 

 「特にはないけど、ホント……無茶だけはしないでね」

 

 「はい! 分かりました! では、失礼します!」

 

 そしてアタシは教室に戻る。

 それと同時に午後の授業が始まっていた。

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