プロローグ
◆主人公サイド
俺の名前は非道葵。咲乱花商業高校一年生だ。突然ですまないが、質問だ。君は、パラレルワールドを信じているかい?もちろん、俺は、そんな世界あるわけないと思っている。なぜなら、こんなただただ同じような日々を送る世界が何個もあってたまるかって話だ。まあ、本当のところは俺もわからない。理由は、ブライス・デウィットによって提唱されている通り多世界解釈においては、パラレルワールドを我々が観測することは不可能でありその存在を否定することも肯定することも出来ないことと言われているからだ。
と最近までは思っていた。そうだ、考えを改める必要がありそうなんだ。なぜかって?俺らのクラスが、異世界召喚されたからだ。
◆管理者サイド
カタカタカタカタカタカタ_________________________
薄暗く狭い部屋の中、机の上に置いてあるPCの画面に数字やローマ字、記号の羅列が並んでいく。そして、文字の入力が終わったのか「これで終了っとッ」とつぶやき黒いキャップ帽子を目深く被った男が、エンターキーを押した。すると突然、PC画面から放出した緑色の光が薄暗い部屋を照らし、複数の人間のデータが次々と表示された。
「これで計画の第一段階クリア~♪」
目深くキャップ帽子を被った男が、まるで無邪気な子供のような声を響かせて、邪悪な笑みを浮かべた_____________________________________。