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プロローグ
この味は、誰もが知っているだろう。
だけど、"こんな時の"この味は、僕しか知らないはずだ。
逆にみんな知ってたらすごい怖い。
「鉄の味」と表現するのはもったいない。そんな味。
そして、だんだん冷たくなっていくそれは、僕に勇気をくれた。
初めて味わったのに、どこか懐かしい感じがこみ上げてくる。
目の前の敵も倒せそうな気までしてくる。
僕にはなんの力もないと思っていたけど、一つだけ持っていた。
それを教えてくれたのは...
僕を強くしてくれたのは...
...
死を悔やんではいけない。
死は恐れるものなんだ。
それを知らない君はもういない。
なぜなら…それを教えてくれたのは...!