第8話 セントビア王国に出発
書いていたら消えてしまって、書き直しました。
それではご覧ください。
今日からこの国を出て行き、セントビア王国に行くつもりだ。ギルドで少し目立ってしまったし。流石に、冒険者になったばっかの新人が上位種なんて倒してきたら普通は疑うだろう。俺だって疑う。
セントビア王国はこの国からそう遠くはないらしい。噂によると、セントビア王国より向こうにある王国で勇者召喚をおこなったらしい。何度か失敗はしたらしいが勇者召喚は成功したんだとか。
勇者と言うのは普通の人よりも力が何倍も強く、普通の人よりも魔力がある。勇者一人で上位種の魔物の群れを壊滅させたらしい。勇者召喚で出される勇者の人数はだいたい1~4人だそう。
この世界には魔王がいる。恐ろしいほどに強く、それを倒すには勇者召喚をおこなって、勇者を呼ぶしかないらしい。魔法の本を売っている店のおじいさんに聞いた話によれば、魔王より恐ろしい魔帝と言うヤバイやつがいるらしい。
勇者ってどんな人か気になるから、会ってみようと思う。だからその国にもいつか行ってみようと思う。
「おいレン!本当に行っちまうのか?」
「はい、セントビア王国に行ってきます」
「まあ、大丈夫だとは思うが気を付けてけよ!」
「はい!」
少ししかこの国に居なかったのにずいぶんすかれたっぽいな。出てく前に宿で料理をたらふく食ったしな。セントビアにもうまい料理はいっぱいあるらしいし。セントビアで防具とか買わないとな。今、俺が来てるの家で着ていた服だし。外でも普通に歩けるような服だから。
だいたいの魔物は倒せるがキングオークに囲まれたり、あの黒いゴブリンに会ったら殺られるかもな。出来るだけ魔物は倒すようにしている、経験値がたまればレベルが上がる。レベルが上がればステータスが上がって強くなるからな。あの黒いゴブリンを倒したらどんだけ経験値入るのか気になる。
「おっ!ゴブリン五匹発見!おりゃっ!」
『プギ!プギ!』
遅い!ゴブリン弱いな。流石にキングオークや、黒いゴブリンを見た後では弱く感じてしまう。油断したら殺られてしまうけどな。
「そうだな~魔法の練習も考えておこうかな。もっと色んな魔法も使いたいしな」
魔法学校とかあるのだろうか。そんなのがあったら行ってみたいな。色んな魔法が使えれば、戦いでも有利になる。魔法の中には生活魔法と言うのもあるらしく、一般の人でも普通に使える魔法らしい。練習すれば誰でも使えるそうだ。
「そういや、武器屋に行ったときに金貨5枚で売ってた剣が凄いかっこよかったな」
確か、日本刀のような形をしていた気がするんだけどな。この世界にも日本刀に似た物はあるんだなー。
「おいお前!武器と金を置いていけ」
「そうだ!そうだ!武器と金を置いていったら殺さずにかえしてやるよ!」
「言う通りにした方が良いと思うぜ?俺達を怒らせると痛い目見るぜ?」
なんか考え事をしていたら、盗賊っぽいやつらに絡まれたんだが。それぞれ武器を持っているようだ。一番最初に話しかけてきたやつは短剣。二番目の薄汚いやつは槍を握っている。三番目のやつは刃こぼれしているナイフだ。
金を置いていけとか、盗賊確定だろ。盗賊なら殺しても良いのか?正当防衛になるんだよな?賞金とかかけられてるかな?かけられてなさそうだな、みるからに雑魚そうだし。一応確認しておこうか。
「あの、あなた達は盗賊ですか?」
「あぁ?俺達を知らねーのか?こいつ、笑わせてくれるぜぇ!」
「盗賊団、『返り血の狼』の一味だ!どうだ?びびっちまって動けねぇーのか?」
「早く親分の所に金持ってかねーと行けねぇーからさっさと金出せや!」
盗賊団の一味なのか、やはり盗賊であっていた。と言うか何だよ『返り血の狼』ってさ。別に盗賊なら殺して良いよな。それにあの言い方だと、そこそこ有名な盗賊の一味っぽいし。
「盗賊なのか~なら殺しますね!」
「はぁ?なに寝ぼけたこと言ってやがるっ!?…」
「何!?ふざけるなぁ!何攻撃してくれてんだぁ!っかは……」
「え?嘘だろ……許してくれ!さっきのは…そう!冗談だ!冗談で言ったんだ!本気じゃない!」
「へぇー冗談?冗談のわりにはずいぶんと殺気出してたよな?金を置いて行ってもどっち道殺すつもりだったっぽいし」
仲間の首が切り落とされていくのを見た最後の盗賊は焦っていた。
この最後の盗賊の名はロン。妻が一人と7歳の娘が一人。最初は普通に運搬の仕事をしていたが、その仕事をやめさせられ。仕事をなくしたロンはこのままでは妻と娘に苦しい思いをさせてしまうと思い、盗賊の道に走ってしまったのだ。今日も妻と娘にキスをして仕事に行ってくると言い、弱そうなやつを狙って金を巻き上げていた。そして一人の少年を見つけ、いつも通りに金を出せと言った。だが、その少年は金を出そうとはしなかった。仕方ないので殺そうと思った。その瞬間、仲間達の首が切り落とされていった。ロンは信じられなかった、こんな弱そうな少年が遥かにでかい仲間を殺したと言うことに。ロンは焦った、次に殺されるのは自分だと。妻と娘のためにこうやって金を稼いでいたロンは、まさか殺されるなんて頭に入れてはいなかった。仲間達が守ってくれるって言ってたのをそのまま信じていた。
今自分が死ねば妻と娘は路頭に迷うだろう。だから死ぬわけにいかないとロンは思ったのだった!
ロンの娘は気づいていた、お父さんが盗賊をやっていたことを。それを知ったときは悲しんだ。自分達のために盗賊になったのだから……。
「お前達みたいなクズが居るから色んな人が被害にあうんだよ!もういい、死ね」
「ごめんよ、ベール、ミル…父さんな、今日帰れないよ……(念話)。これでベールも分かってくれるだろう……」
これを聞いたロンの妻、ベールは泣き崩れた。ロンの娘、ミルはあまりよく分かっていない様子だったが自然とその目からは雫が流れ落ちていた。
「変なところで時間くったな。盗賊なんかに絡まれる俺って運悪いなー」
そんな事を微塵たりとも知らない神埼蓮は剣に付着した血と肉を盗賊ロンの服で拭き取った。
「ステータス見たけどレベル上がってないな。やっぱり人は殺しても経験値入んないのか。無駄だったな」
盗賊は殺したけど、このまま放置していても良いのだろうか?一応燃やしておこうか。そうだ、そうしよう。
「火魔法、ファイアボール!」
炎が盗賊の体に触れると同時に燃え上がった。炎が消えた頃には死体は無く、黒く焦げた地面があった。
「よし!これで証拠隠滅したから攻められることはないな。盗賊って悪い評判しか聞かないし、ほとんどの人から盗賊は嫌われてるから殺して正解だな。いやぁ~良いことしたなぁー!」
盗賊殺したから神様から良い行いをしたからご褒美をあげようとか、無いの?もっと盗賊倒したら貰えるかな?
「また女神ルーチェに会えたりすんのかな?女神ってルーチェだけなのか?そんなわけないよな。動いたら腹へっ!?っいて!」
レンに剣で攻撃を仕掛けてきたのは二足歩行の狼だった。
「遅いな!えい!」
『ギャ…』
これだけかよ、弱いな。もっとキングオークとか居ねーのかよ。って何か向こうで倒れてる人がいるな。それに近くにオーク五匹とキングオーク二匹も居るな。行くか。
「それじゃ!おりゃ!!うりゃあ!はいやぁ!!」
これでオーク五匹は始末した。後はキングオークだけだな。
「だめだ!来るんじゃない!あれはただのオークじゃない!上位種のキングオークだ!君が戦っても勝てる相手じゃない!」
「そうです!私達のことは良いですから!逃げてください!」
「え?いや大丈夫です」
さーてやるか!キングオーク二匹はかなりの経験値が入るんだろうな。二匹ともでかいから魔法が当たりやすい。集中して魔法を放つとダメージが増えるんだよな。
「炎の精霊よ、我が手に炎よ、集い来たれ、敵を貫け、炎射矢」
『プゴゴォォオ!!』
『プゴォォオ!!』
はいこの前より威力上がっております!おらおら!
「炎射矢!炎射矢!!ファイアボール!ファイアボール!!炎射矢!炎射矢!!」
ファイアボールは普通の時の倍の威力だ!まず、炎の矢がオークの体全体に突き刺さる。そしてでかいファイアボールがキングオークを包み込む。
炎が消えたら、焦げたキングオークが一匹倒れている。もう一匹のキングオークは立っていた。薄いピンク色の顔が濃いピンク色に変色していた。
『プゴゴォォオォォオオ!!!!』
「っくぉ!?強いな!」
さっきより強くなってやがる。目が完全に血走っている。これは憤怒状態だ。
「剣で攻撃してみるか!うりゃあ!!」
『プゴォォオプゴォオ!』
「っち!ダメか!足を狙うか!アキレス腱的なの切れろぉ!」
だめだ!なら今度は顔に集中攻撃だ!腹とか足や腕が固くても顔は弱いはずだ!
「ファイアボール!」
短縮させて五発放った。もちろん威力は倍だ。
『プゴゴォォオォォオオ!?プゴォオ……』
「よっしゃ!倒した!なかなか強かったな」
「え?倒した?」
「あのキングオークを二匹も?貴方はもしかして凄腕の冒険者なんですか?」
まあ、キングオークを二匹も倒せばこうなるよな。広められても困るので一応内緒にしてもらうように言うか。
「俺の名前は神埼蓮、Fランク冒険者です」
「え?嘘だろ?Fランク?Fランクでキングオークを!?」
「Fランクって、私達よりも下じゃないですか!私達はDランク冒険者です。私の名前はベロニカです。隣にいるのがブルートです」
「そうですか、ここら辺では上位種が居ますので早めに国に行くのをおすすめします。後この事は内緒と言うことで」
「分かりました!助けてくれてありがとうございました!」
「はい、また会ったときお礼しますので!」
これでよしと。さてセントビア王国に行こう。
セントビア王国にもうすぐでつきそうなんだけどな。
セントビア王国に向けて出発しました。