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異世界に近隣住民女子代表が迷い込む  作者: おぽんち
第一章-この異世界を知る-
7/16

7話「見られている」

「ぬぉあ!?」


一体何が起きたのか


勢い良くベッドから起き上がる女子代表


周りを見渡すとカーテンの隙間から朝日が差し込みその眩しさに目を細める


「ゆ、夢・・・?」


先程までの思い出すだけでも顔が真っ赤になってしまう出来事は夢だったのか


「夢だったんだよね・・・?」


相変わらず全裸のままだが立ち上がりカーテンの隙間から外を見る


その朝日は確実なもので外は明るく朝であることを主張している


「あのまま寝ちゃって悪い夢を見て朝になった・・・」


「ってことだよね?」


現状を整理し推測し判断する


「よかったぁ・・・」


「悪い夢でも見ていたようだね?」


「あぁー!これが現実ぅ!?」


突然背後から抱きしめられる女子代表


背中には同じ素肌が触れる感触


恐らく相手も全裸


「大声を出して朝からどうしたんだい?」


「夢じゃなかったぁー!」


「夢ではないさ、昨夜は少し燃え上がりすぎたね」


燃え上がりすぎたあの出来事を思い出し顔を両手で覆いしゃがみ込んでしまう女子代表


「さあいつまでも裸では風邪を引いてしまう、着替えようか」


そう言い声の主は女子代表に衣服を差し出す


「なんであんなことしたのよ・・・」


そう言い見上げるといつ着替えたのか普段通り黒いローブに身を包んだバルドがいた


「私もそんな気は無かったんだけどね」


「君を見ていると胸がドキドキするんだ」


「恋されてる気がするんだけどぉ!?」


バルドと話しながら女子代表は差し出された衣服に着替える


「この世界ってもっとまともな服無いの?」


「似合うと思ったのだが・・・嫌だったかい?」


女子代表は白とピンクのフリルだらけのロリータファッションに着替えていた


「嫌っていうか・・・こういうの着ることとか無かったし・・・」


「とても可愛いよ、よく似合っている」


「ほ、褒めても昨日のことは・・・!」


バルドにそう言い詰め寄るが逆に抱き寄せられてしまう


「そう怒らないでくれ、君がどんなことになろうと私は君を守り責任を持って結婚もしてあげよう」


「いや!そういう問題じゃないから!まじ!女の子同士とか恥ずかしすぎるんだけど!」


「嫌では・・・無いんだね?」


バルドの口元が歪んだ気がした


「あ、えっと・・・そのですね?」


バルドの瞳が女子代表の瞳を捉えて離さない


一体どれだけ見つめ合っていたのか


ふいに扉を叩く音が聞こえた


「ボス!騒がしいが誰かいるのか!?」


レッドピゴミンが扉を叩いているようだ


「え!?あ!待って今無理!!」


「なんだと!?緊急事態か!!!」


レッドピゴミンが扉を破壊する勢いで叩き始める


「お客さんのようだね、さあ行っておいで」


バルドは耳元で囁くと抱き寄せていた女子代表を離すと扉の方に向かせ背中を軽く押す


「ちょっ!?」


すると扉を破壊し侵入してくるレッドピゴミン


「大丈夫か!?」


「別になんともないから!!!」


「着替えていただけか!?」


「え?」


「良い服のセンスをしているな!!!」


レッドピゴミンは腕を組み大きく頷く


女子代表はその場で振り返るがバルドの姿は何処にもなかった


「バルド・・・?」


「バルド?なんだそれは?人の名前か?」


「あ、いや、なんでもない・・・」


「そうか?ロビーで食事が出来るらしいから早く行くぞ!」


レッドピゴミンは女子代表の反応に首を傾げながらそう言うと部屋から出ていく


「そういえばお腹減った・・・」


朝食を食べに部屋を出ると扉の前にブルーピゴミンが立っていた


「うわ!びっくりした・・・」


「一人にしては何があるかわからないからな、食堂、いや・・・レストランと言ったほうが良いか?」


「とにかく私も一緒に行こう」


「あ、ありがと、レッドピゴミンは?」


「奴は一人で走っていったぞ」


「あいつ一番使えないんじゃないの・・・」


ブルーピゴミンはゆっくりと歩き始める


その後ろを付いていく女子代表


歩いているとこの世界が異世界であるということを嫌でもわかってしまうような人物達とすれ違う


文字通り人外の者や人の形をしているが決して人ではない者


女子代表と同じ人間という見た目の者は誰一人いない


「こ、これ生きて帰れる?」


「安心しろ、皆警戒はしているが攻撃をしてくるようなことはない」


「攻撃をしてくるなら寝込みを襲うくらいだろう」


「なんで?」


「戦いが始まる前に堂々と弱そうな奴らを殺して回ればそれを危険視した他の者に狙われてしまう」


「この場所にルールが無くともそれくらいの事は考えるだろう」


「うん?」


「むやみに敵を作るのはここでは良くないということだ」


ブルーピゴミンの話を聞いていると目的のロビーへと付いた


「めっちゃ豪華やん!!!」


目の前には一言で豪華としか言いようがない料理が大量に並んでいる


「バイキング!私バイキング初めて!しかもめっちゃ豪華!」


あまりの盛大さについはしゃいでしまう女子代表


「この闘技場にいる限りは毎日使えるぞ」


「で、でも異世界の料理って平気なのかな・・・?」


周りを見渡すとこの世の料理とは思えないものも幾つか並んでいるが現実世界で見たようなものも並んでいる


「これとか普通に七面鳥の丸焼きだけど・・・」


「あぁ!これは最高に美味いぞ!鳥の丸焼きはやっぱこうでなくてはな!!!」


そう言いながら目の前で鳥の丸焼きに問答無用にかじりつくレッドピゴミンがいた


「バイキングなんだから食べる分だけお皿に取って食べようよ!?」


「安心しろ!!!全部この机のものは俺が食べる!!!」


「そういう問題じゃないでしょ!?」


「細かいことを気にするな!!!」


そう言うとレッドピゴミンは皿を一枚取るとその上に鳥の丸焼きの足部分を乗せ女子代表に押し付ける


「さあ食ってみろ!美味いぞ!!!」


「た、確かに見た目は美味しそうだけど・・・」


女子代表は近くの椅子に座りテーブルの上にその皿を置く


そしてナイフとフォークを手に取ると少しだけ切り取る


「食べても死なないよね・・・?」


周りを見渡すが他の選手らしき者達は普通に食べている


唾を飲み込みその一切れを口に運ぶ


そこからの記憶は曖昧だった


あまりの美味しさに無我夢中で食べてしまった


美味しそうなものは手当たり次第だった


見たこともない料理も食べてみたが全て美味しかった


超高級とはこんなにも素晴らしいものだとは思っていなかった


その様子をブルーピゴミンはやれやれといった様子で見守っている


レッドピゴミンは一緒になり二人でバイキングを食い荒らした


その二人の姿には品の欠片も無かったであろう


「あぁ~これが幸せって言うやつなのねぇ~」


お腹を軽く叩きながら女子代表は言う


「随分と食べたな!!!これで俺と同じ筋肉モリモリだ!」


「それはちょっと断る」


(でもこんなに食べたらすごく太りそう・・・!!!)


食べすぎて動けない程食べてしまい女子代表は酷く後悔している


「でも今が幸せなら・・・!」


「安心しろ!食べた分だけ運動をすれば太らない!!!」


「心読むのやめて!」


「ハッハッハッハッ!」


「さて、あまりゆっくりもしていられん、部屋に戻るぞ」


レッドピゴミンと下らないやり取りをしているとブルーピゴミンが割って入ってきた


「どうしたの?」


「料理のせいで気付いていないだろうが私達はこの場所では人間という異端な存在だ」


「周りを見てみろ」


ブルーピゴミンにそう言われ周りを見渡す


すると何人かと視線が合う


そして視線が合ったもの達はそそくさと立ち去っていく


「見られてる・・・?」


「ただの人間がこんな場所に死にに来るわけがない、何か特別な力を持っているのではないか?」


「そう思われ分析されているのだ」


「もしかしてやばい?」


「わからないな」


ブルーピゴミンは喋りながら女子代表をお姫様抱っこする


「ひゃっ!?」


「手を貸そう」


「じ、自分で歩け・・・ないかも・・・」


「周りの者はそう呑気ではない、どんな人物がいるのか見て回り対策を考えるのだ」


「我々と同じ人の姿をしていれば大体は魔人と思われるだろう」


「そうすれば魔法を使って戦う、それがこの世の中の常識だ」


「翼を持つものならば対空戦も考えなければいけない」


「この闘技場は全ての種族との戦いだ」


「今回の出場者に一体どんなものがいるか皆必死に探り合っているのだ」


「めっちゃ場違いな気がするんだけど・・・」


「そうだな、人間の出場など異例中の異例だろう」


ブルーピゴミンに運ばれ自分たちの部屋へと戻ってくる


すると破壊された女子代表の部屋の扉は綺麗に直っていて掃除をされた痕跡もある


「高級ってすごい!」


「この部屋、420号室の扉には強力な障壁が張られているから簡単に侵入することは出来ないだろう」


「だがその障壁すら破り入ってくるようなやつもいるかもしれない」


「あまり油断しないようにするんだぞ」


「は、はい」


ブルーピゴミンのあまりの真面目っぷりに女子代表は頷くことしか出来ない


「油断はするなと言ったが我々がいる限り安心してくれて構わない」


「ボスを傷付ける事は私達が許さないからな」


「おう!」


ブルーピゴミンとレッドピゴミンが目を合わせ頷く


「頼もしいけどいまいち見た目のせいで信用が・・・」


「見た目で判断するんじゃない!!!俺はこう見えて普段はひんやりしている!!!」


「嘘でしょ!?」


レッドピゴミンの衝撃の告白についその胸板に触れてしまう


「確かにちょっと冷たい!」


「そうだ!人は見かけで判断してはいけない!」


「な、なんかごめん・・・」


「わかればいい!さて!俺は少し周りの様子を見てくるぜ!」


そう言いレッドピゴミンは再び部屋を出ていく


「何かあればいつでも呼ぶんだぞ」


そう言いブルーピゴミンも自室へと戻っていく


「ちょ、ちょっと食休みを・・・」


お腹を押さえながら女子代表も部屋へと戻る


そして布団へとダイブする


「あぁ~これじゃ本当に豚みたいになっちゃう~」


そう言いながらゴロゴロと布団の上を転がる女子代表


「これからどうなっちゃうんだろうなぁ~」


布団の上に大の字に寝転ぶとそんなことをつぶやく


「後何日かは平気だけど大会が始まったら戦わなきゃいけないみたいだし・・・」


「生きて帰れるのかな・・・」


「はぁ~・・・やること無い・・・」


布団で寝転がっていた女子代表は気付く


安心出来る時間が無く気付く事が無かったが今は別だ


異世界に来てこうして安全な場所で自由になると


そう、やることが何も無いのだ


しばらく寝転がった女子代表は唐突に何かを思いつき起き上がる


「そうだ!ちょっと冒険してみよ!」


先程までブルーピゴミンに言われていたことをすっかり忘れ立ち上がる女子代表


「剣があれば大丈夫!」


そう言い剣を持ちブルーピゴミンにバレぬようにそそくさと部屋を出る


「やっぱ至る所が豪華ね・・・」


施設内部を歩き回り出て来る言葉はやはり豪華の一言


「めっちゃ広いし迷子になりそう」


周りを見渡しながら歩いていると前方から近寄ってくる者に気付かずそのまま直撃してしまう


「ひえ!?ごごごごごめんなさい!」


「あら?これで二度目ね?」


「は!?」


目の前には白く長い美しい髪の女


その瞳はエメラルドのように美しい緑に輝いていた


「ど、どこかでお会いしましたでしょうか・・・?」


「必死だったから覚えてないかしらね?まあいいわ」


「そんなことよりこんなところを女の子一人で歩いてたら危ないわよ?」


「え?」


「ほら、こんな風に」


そう言うと何人かの人ならざる者がぞろぞろと出てくる


「ゲッゲッゲッ!怪しい人間が二人!戦いの前に殺しちまうのがいいぜ!」


「俺もそれに賛成だ、バレねえように人払いの結界を張っておいたから誰も来やしねえぜ!」


「何もねえ人間がこんな所に来るわけねえ!危険な存在だ!とっとと殺しちまおうぜ!」


「な、何この変な人達物騒なこと言ってるけど」


「そうねぇ、大ピンチってところかしらね」


「ゲッゲッゲッ!女二人くらい瞬殺してやるぜ!」


トカゲか龍か、どちらかは分からないが爬虫類のような見た目の男がそう言うと一歩前に出る


「油断はするんじゃない、何をしてくるかわからないからな」


白いローブを着た人間のような見た目の男が言う


「二人いるんだ、俺にも一匹殺らせろ」


巨体の鬼のような男も続いて前に出る


「トカゲに魔術師に鬼が一匹ずつ、話しにならないわ」


「ゲッゲッゲッ!まだ状況に気付かないのか人間!」


「そうだ、お前らは今から死ぬんだぞ?」


「ひ、ひえぇ・・・」


女子代表は今現状敵意の無い目の前の女に恐怖のあまり抱きついてしまう


「そうね、人間には怖いわね、でも大丈夫よ」


女はそう言い女子代表の頭を撫でる


「羽虫を怖がる必要なんて無いから」


「ゲゲェー!この俺を羽虫だとぉ!?」


『うるさいわ、死になさい』


何が起きたのか


女がそう言うと目の前に立っていたトカゲと呼ばれた者が突如倒れた


「な、何しやがったてめえ!」


「ま、魔法か!?なんだ!?」


突然の出来事に鬼の男が後ろに下った


『怖がる必要なんて無いわ、あなたも死になさい』


すると糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちる鬼の男


「な、何が起きてるの・・・?」


「まだ知らなくていいわ」


状況を理解出来ない女子代表にそう言う女


「な、なんだてめえ!何者だ!こんな事する奴聞いたことも見たこともねえ!」


「死ぬ者に言うことなんてないわ」


『あなたも死になさい』


そう言われた白いローブの男は断末魔一つ無くその場に崩れる


「良い?ここはあなたにとっては危ない場所だからしっかりと守ってもらわなきゃだめよ?」


「は、はい・・・」


「今回は特別、好奇心旺盛なのは良いけれどしっかり保護者の目の届く場所でね?」


「ご、ごめんなさい・・・」


「分かればいいのよ、それじゃあお迎えが来たみたいだし私は行くわ」


そう言い白い髪の女は去っていく


女子代表はへなへなとその場に座り込んでしまう


そしてすぐに背後から声が聞こえる


「ボス!なんで一人で出歩いたんだ!?なんだこれは!?」


「これは・・・死んでいる・・・ボスが殺ったのか?」


状況が理解出来ない女子代表はその場で呆然と座り込んでいる


ブルーピゴミンは女子代表の目の前にしゃがむとその頬を叩いた


「い、いたっ!?何するの!?」


「いいか、よく聞け、君はこの世界ではとても弱い生き物だ」


「私達の存在もあるが君は偶然に偶然が重なり今こうして生きている」


「一歩間違えればここに倒れている者と同じように簡単に死んでしまうんだ」


ブルーピゴミンは目を閉じ息を軽く吸う


「私は、いや・・・私達は君を守るためだけにここにいる」


「だが私たちにも限界はある、勝手にいなくなられては助けることも出来ない」


「私達の見た目が気に入らないのもわかる、この世界でもこんな見た目の奴らは私達だけだろう」


「だがどうか私達を信用して欲しい、君を守るためだけに私達はいるんだ」


「な、なんかごめん・・・」


「わかってくれれば良いんだ」


ブルーピゴミンは立ち上がり女子代表に手を差し伸べる


「探検をしたいのならば一緒に見て回ろう」


「う、うん・・・」


その手を取り立ち上がる女子代表


「こいつらはどうするんだ?」


話が終わるのを見計らいレッドピゴミンが言う


「置いておけばここの管理者が勝手に処理するだろう」


「さあ、行こうか」


「い、今はちょっとあれだから後でお願いするね」


自分の犯した失態にすっかり落ち込んでしまった女子代表


「ならば気分を変えて風呂にでも入るか」


「風呂?」


ブルーピゴミンの言葉に首を傾げる女子代表


「あぁ、大浴場が近くにあるんだ、風呂にでも入ってリラックスすると良い」


「で、でも一人になっちゃうし」


「安心しろ、混浴だ」


「それも色々問題あると思うんだけど!?」


「そこも安心しろ、水着を着ての混浴だ全裸ではない」


「そ、それなら・・・」


女子代表はブルーピゴミンに連れられ大浴場へと移動する


そして大浴場の受付で渡された水着へと着替え大浴場へと向かう


「大ってレベルじゃないくらい広いんだけどこのお風呂!プールじゃん!」


「これならばハイドロブルーピゴミンと泳ぎ対決も出来るな!」


「負けはしないぞ?」


「ハッハッハッハッ!!!」


目の前には巨大な風呂は並んでいる


露天風呂もあるようだ


幾つか沸騰してるような風呂や色がおかしいのがあるがあまり気にしない方がいいようだ


「あ!あれ入ってみたい!」


目に入ったのはこの豪華な施設には似合わないようなドラム缶の風呂


「ドラム缶風呂か!良い物を選ぶな!」


そう言いレッドピゴミンはドラム缶風呂に頭から飛び込む


「あれ大丈夫なの・・・?」


頭から突っ込み逆さまで足をバタつかせるレッドピゴミン


しばらくすると大人しくなった


「多分大丈夫だろう」


ブルーピゴミンはそう言うとレッドピゴミンの隣のドラム缶風呂に入る


女子代表もブルーピゴミンの横にあるドラム缶風呂に入る


程よい湯加減が女子代表の身に染みる


「あぁ~ドラム缶風呂ってなんかロマンあるぅ~」


よくわからないことを言いながら女子代表は先程までの落ち込みが嘘のようにはしゃいでいる


その様子を横目で見ながら安堵するブルーピゴミン


すると満足したのか女子代表はドラム缶風呂から出ると一人でに何処かに歩き出す


ブルーピゴミンは慌ててドラム缶風呂から出るとそれを追う


「夢中になると周りが見えなくなってしまうのだな」


水を差すのも気が引けるのでブルーピゴミンはバレないように女子代表の後を追う


すると小さな露天風呂を見つけ女子代表はそこに入る


女子代表が見える場所の風呂を探しそこに浸かるブルーピゴミン


「広すぎるのも落ち着かないか」


そんな女子代表を眺めながらつぶやく


すると女子代表の入っている露天風呂に何者かが近寄っていく


「むっ・・・」


ブルーピゴミンはゆっくりと立ち上がりその者を見る


長い薄いピンクのツインドリルが印象的な女


混浴にも関わらずその身はタオル一枚で前だけ隠しているだけだ


後ろは丸見えで全裸であることを意味していた


「魔人か?」


見たところ普通の人間と変わりはない


警戒しながらその女を観察する




「ふへぇ~広いのもいいけどやっぱこれくらいの温泉って感じのが落ち着くなぁ~」


呑気に温泉に浸かりながら完全に極楽ムードを醸し出す女子代表


「もうこの世の全てを満喫した気分~」


「世の中はもっと広いわよ」


「ぬぉああ!?」


突然横から声を掛けられ飛び上がる女子代表


「もう少し静かにしたらどう?」


隣で温泉に浸かる女は酷く冷静だった


「す、すみません・・・」


女子代表は再び温泉に浸かりチラチラと女の様子を伺う


「何もしないから警戒しなくていいわ」


「そ、そうですか・・・」


隣にいるのは明らかに人間と変わりない姿


「あなた人間よね?」


「そ、そうです!人間です!」


「既に参加者の中では有名になっているわ」


「そうなんですか?」


女の言葉に首を傾げる女子代表


「ええ、とても有名よ、人間の癖にこんな所に戦いに来るなんて死にに来るようなものだってね」


「あ、やっぱりそうですよね」


「私も気になって少し様子を見に来ちゃっただけよ」


そう言い女は女子代表を見る


その瞳は赤くそして薄っすらとハートの形が見える


「わあ、目がハートだ」


「人間からしてみれば珍しいでしょうね」


「っていうことは人間ではないってことですか?」


そう言うと女子代表は再び首を傾げる


「そうね、魔人って言う人種になるのかしらね?」


「皆からは魔法少女って言われてるわ」


「確かに魔法少女っぽい!」


その女は女子代表よりほんの少し身長が高い程度だ


155センチあるかないかといったところか


「へ、変身とかするんですか!?」


「するわよ」


「さすが魔法少女!!!」


「もし戦う事があれば見せてあげるわ」


「とても戦いたくは無いです」


「私もよ」


そして会話が途切れる


長い長い沈黙が訪れ微妙に気まずい雰囲気が流れる


(結局何しに来たの!?見るだけで全てわかっちゃう系!?魔法少女ってそれくらいやばかったりする!?)


女子代表は結局魔法少女が何故近寄ってきたのかを必死に考える


一体この世界の住人が何が出来るのかわからない


既に命を握られているのかもしれない


そんな不安が頭を駆け巡る


「別に何もしないわ」


魔法少女は女子代表の思考を読み取るかのように言った


「すごいエスパー!」


「特に危険と言った様子も無いようだし私は帰るとするわ」


そう言うと魔法少女は立ち上がりその場から消えた


「き、消えたー!」


文字通り立ち上がった直後にその場から消えたのだ


「何もされていないか?」


入れ替わりでブルーピゴミンが女子代表の元へ歩いてきた


「う、うん、大丈夫?」


「大丈夫?だと?」


「うん、お話しただけだから多分平気」


「やはり私達は目をつけられているようだな」


「そうみたい」


女子代表は立ち上がるとブルーピゴミンの手を掴み歩き始める


「どうした?」


「もう満足したから帰る」


「そうか」


ブルーピゴミンはそう言うと軽く口笛を鳴らす


すると何処へ行っていたのかレッドピゴミンが走ってきた


「もう出るのか!?大丈夫か!?」


遠くから走りながら叫ぶレッドピゴミン


そして足元を滑らせ顔面から転ぶ


「ぬおおお!!!」


女子代表とブルーピゴミンはため息を吐くとそのまま歩き出す


「ま、待て!置いていくな!」


「お風呂場で走るから転けるんでしょ」


よろよろと立ち上がりレッドピゴミンは叫ぶ




「良い子のみんなはプールや温泉で走り回らないようにな!!!」




そんなレッドピゴミンを置いて二人は温泉から出て行った







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