13話「天使」
静寂が訪れる会場
目の前で起きたあまりにも残酷過ぎる決闘
その決闘を見て観客すらも背筋が凍っていた
それもそのはずだ
目の前で無残にも死の瀬戸際まで追い込まれた人物はこの世界では知らぬ者はいない
パペットマスター
彼は性格や行いにこそ問題はあれどその実力は勇者ランク2の中で頂点に君臨するほどだ
彼一人いれば軍隊が束になってかかろうと撃退してしまうだろう
彼一人で小さな国一つくらいならば簡単に占領出来てしまうだろう
そんなことを噂されるほどの実力の持ち主が為す術もなく無残にも敗退
その対戦相手となった女神と呼ばれる人物
彼女がこの世界の敵となった時誰が止めることが出来るのであろうか?
誰しもが考えてしまったことであろう
そして・・・
「あんなのに目付けられてるとかやばい気がするんだけど・・・」
「敵になれば殺されてもおかしくはないな」
震え上がる女子代表
レッドピゴミンが励ますように肩を叩く
ブルーピゴミンを待つこと数分
「飲み物を取りに行ったはずだが随分と遅いな?」
「そうだね」
数分で戻ってくると思ったがブルーピゴミンが戻ってこない
すると司会席にバニーが戻ってきた
『いやー!色々ありましたが次の戦いを始めたいと思いまーす!』
その言葉に会場もバニーに声援を投げかける
『いやー!ありがとう!バニーラビット!まだまだ頑張って司会を続けさせて頂きます!』
そんなバニーを見ていると背後から声をかけられた
「遅くなった」
ブルーピゴミンが飲み物を持って戻ってきた
「どうしたの?」
「実はな」
飲み物を取りに行ったブルーピゴミンは道中出場者が集まるロビーを通った
するとそこには先程まで大勢いた出場者が見てわかる程減っていたらしい
先程の戦いを見て自分もあんな無残な敗北を味わいたく無いと逃げた者たちが多数いたようだ
抽選の券を引くが中々対戦相手は現れずその状況を見ていたら遅れてしまったそうだ
「そ、そりゃ戦いたくもなくなるよ!なんで私達まだいるの!?」
「出たところでまた追われるだけだろう」
「そうだけど・・・」
「ならば次の対戦までここで作戦を考えていてもいいだろう」
「ぐむむ・・・」
正論をぶつけられ女子代表は頭を抱える
『さあー!気を取り直して本日最後の戦い!』
『青の門から入場していただきましょう!』
『またもや正体不明の者が現れた!!!今回はローブで正体を隠す者が多いですねぇ!』
『ローブBの入場だー!』
青の門が開くとそこから黒いローブにフードを被った者がゆっくりと会場の中央へ歩いて行く
「あ!バルドだ」
他のローブの者たちと違いバルドの見慣れたローブ姿
「なんだと?言われてみれば見覚えのあるようなローブだ」
ブルーピゴミンは女子代表の言葉を聞き頷く
『そしてぇー!対する赤の門!こちらも正体不明!どんだけ正体を隠したいのかー!!!』
『赤の門からローブの二人組!ローブO&Zの登場だー!』
赤の門が開くと同時に白いローブを身につけフードを深く被った二人組が中央へ歩いて行く
『白と黒の戦い!さあ一体勝つのはどっちだぁー!?』
「探したっすよ」
「なんのことだろうな?」
白いローブの一人がバルドへ一歩近づき言う
対するバルドは首を傾げる
「もう気付いているのに白々しいっすね、バルドームヘル・・・」
『おやおや!?互いにもう互いの正体に気付いているのか!?バルドームヘル!聞き覚えのない名前だ!』
バニーは必死に二人の関係を探ろうと喋り続ける
「あぁ、誰かと思えば昔に壊した機械人形共か」
『機械人形とは!?一体この3人の関係とはなんなのかー!?』
「相変わらず癪に障る奴っすね、まあこれも何かの縁っすよ」
「ここで殺させてもらうっす」
そう言うと白いローブの者がそのローブをその身から外した
美しい長く伸びた緑水色の髪
頭には金色に輝くリング
背中や腕には無数の機械
「機械天使みたいなあれだね」
「そうだな」
女子代表はその姿を見てそう言った
「マーシアの人かな?」
「外見だけならそうだな」
ブルーピゴミンは険しい表情でその機械天使を見つめていた
「これはこれは随分と面白い戦いになりそうだな?」
ふと横から声をかけられた
いつからいたのか黒い長い髪に赤い瞳の少女が座っていた
「だ、誰です?」
「解説が仕事をしなさそうだからわざわざこの私が貴様らに解説してやろうと出向いてやったのだ」
「だ、誰・・・?」
突如現れよく意味の分からない事を言う少女
「あぁ、私か?私はミーリアスだ」
「そのミーリアスさんがなぜ私に・・・?」
「まあ黙って見ていればわかるだろう」
そう言い会場を見始めるミーリアス
女子代表は首を傾げながら同じく会場へ視線を戻す
「やはり機械人形共か、その執念だけは認めてやる」
『これはマーシアの手先かぁ!?だがあのような人物は見たことは無いぞぉー!?』
「騒いでないで早く開始の宣言をするっすよ」
『あ、はい、すみません!それでは試合開始です!!!』
その言葉と同時に未だ白いローブを着た者が一気に赤の門入り口まで飛び下がる
そして機械人形と呼ばれる者も同時に行動を起こした
「スローア・ゼータの名の下にスローア機全機解放を命ずる!!!」
「アイアイ!ビート!キャント!しっかりあのフードの位置を伝えるっすよ!!!」
スローアゼータの言葉と同時に空が金色に輝くと巨大なゲートが展開される
そしてそのゲートから無数の機械らしき物体が現れる
「エターナル!!!ABCを神力結界でしっかり守るっすよ!」
「デルタは多次元構成!急いで!!!」
エターナルと呼ばれる機械が結界を展開すると同時にデルタと呼ばれる機械が起動する
それと同時に先程まで無数に飛び回っていた機械達が姿を消した
その場にはバルド以外誰もいない状況だ
『あ、あぁーっと!?何が起きているのか!?巨大なゲートが開いたと思ったら姿が消えてしまったぁー!?』
『解説のキニエリアさん!どうなっているのかおわかりでしょうか!?』
『ギブアップで』
『あぁーっと!?もはや誰もこの状況がわからない!!!』
「ど、どうなってるん?」
「私にもわからんな」
「アイアイ、ビート、キャントと呼ばれる機械天使はそれぞれ目、耳、鼻の役割を果たしている」
横に座っていたミーリアスが口を開いた
「視覚聴覚臭覚から敵の位置を正確に捕らえるレーダーのような役割だ」
「そしてエターナルはその3機を守る砦」
「更にデルタは多次元を構築し別の次元にABCEの4機を移動させ干渉出来なくしただけだ」
「すでによくわからないんですけど」
すると一瞬空間が歪むと同時に巨大な4足の機械が上空より振ってくる
バルドを中心に着地すると結界のようなものをその巨体を使い展開させ閉じ込める
だがすぐに消えてしまう
おそらく別次元にその姿だけ飛ばされたのだろう
その場には結界のみが残されている
更に空間が歪むと今度は巨大な爆撃機のようなものが上空に浮かんでいた
そしてその姿通り無数のミサイルをバルド目掛け放つ
この間バルドは一歩も動いていない
結界を突き抜けミサイルはバルドに直撃すると巨大な火柱がバルドを中心に天に伸びた
『こ、これは次元を操作しているのか!?卑怯すぎるー!干渉出来ない相手に対し容赦の無い爆撃攻撃!これは無慈悲だぁー!』
だがバルドは何もなかったかのようにその場に立っていた
すぐさま再び次元が歪むと一つの機械が飛び出してくる
その機械はバルドに直撃するとアームを伸ばしバルドに抱きついた
「アイシテー」
その言葉と同時に光り輝くと会場を守る結界を吹き飛ばしまるで核が爆発したかのような衝撃が会場を襲った
だが客席に被害は無く別の結界により守られていた
『のわー!死んだかと思ったら別の結界が張られていたー!誰の仕業だぁー!?』
すると一瞬白いローブの者が会場に現れたかと思うと手を振って再び消えた
『会場の安全まで考えているあの者は何者だぁ~!?』
おそらく白いローブの者が結界を張っていたのだろう
「何も変わっていないな、あの時と変わらん、実につまらない」
バルドが口を開いた
「また壊してやろう」
そう言うとバルドは片手を上空に上げる
だが黙っている機械天使達ではない
空間が再び歪むと先程の爆撃機本体がバルドへ突っ込んでいく
再び核が爆発したかのような衝撃が会場を襲うがバルドは無傷で立ったまま片手を上げたままだ
その手に黒い瘴気のようなものが集まり巨大な玉となる
「耐えろよ人形共」
「私にこの姿を晒させるのだからな」
するとその黒い巨大な玉は一瞬輝くと会場を吹き飛ばすかのような勢いで爆発した
『一体何回爆発を起こすのかぁー!?』
だがその爆発は会場には届かない
それは機械天使達がまだ機能しているということだ
爆発が収まり観客が会場を見るとそこには黒いローブを取ったバルドの姿
そして大破した大量の機械天使の残骸
「この化物が・・・!」
「それはどちらかな?」
『あぁーっと!?バルドームヘル選手のローブが無くなっているぅー!?』
黒い髪短髪に黒い角
赤い瞳にはハートが浮かんでいる
そして黒いスクール水着のような姿に黒いマント
かなり独特な格好をしている
そしてバルドは両手に力を集中させると2つの銃を取り出した
『私今気付きました!この戦い・・・魔力が感じられないのです・・・!!!』
『先程の女神と同じく・・・この3人に魔力が・・・感じられません・・・!』
「ダブル!!!」
ゼータはそう叫ぶとゲートから2本の剣を取り出すと空中からバルド目掛け目で追うことが不可能なほどの速度で斬りかかる
恐ろしい程の連撃をバルドは手に持った銃で軽く弾き避ける
「いい加減やられてほしいっすよ!!!」
「前より速度は上がったな、だが遅い」
「まだまだこれからっすよ!!!」
「トライデント!!!」
ゲートから再び2本の砲身のような機械が顔を覗かせると絶えず連撃を繰り出すゼータとそれを避け続けるバルド目掛け砲撃を行う
その砲撃は恐ろしい程正確でゼータの動きに合わせ巻き添えにしないよう乱射し続ける
「これも昔と変わらないな、ただ多少鬱陶しいのは認めよう」
「ヒット!!!」
バルドの言葉を無視しゼータは攻撃を続ける
叫ばれた言葉と同時にゼータ周辺から無数の光る紐のようなものが伸びバルドの手足を拘束する
「ほう?」
一瞬動きが止まったバルド目掛け剣を突き刺そうとするがその攻撃も軽く避けられてしまう
「手首の動きまで封じなければ拘束したところで意味が無い」
いつの間にか砲撃が止まっている
そしてゼータの持っていた剣も無くなっていた
煙を吹き出し大破している砲身
そしてゼータの遥か後方に飛び地面に突き刺さる剣
光る紐のような拘束装置も千切られていた
「さあ次はどんな手品を見せてくれるんだ?」
バルドは手に持った銃の銃口に軽く息を吹きかけると言う
「いいっすよ・・・そこまで言うなら見せてやるっすよ!!!」
「今解禁するっすよ!!!」
「現われろ・・・試作型地獄破壊神力砲ヴィクトリー!!!」
バルドから離れ空に舞うゼータ
ゲートより顔を出す先程とは比べ物にならないほど巨大な砲身
「勝利ヲ我ラガゼータ様ニ」
「リム=リム!!!」
ゼータはヴィクトリーの引き金を掴むと叫ぶ
すると小さな機械天使がゼータの周りに現れた
「圧縮してぶつけるっすよ!!!」
その小さな機械天使はヴィクトリーの銃口の目の前に行くとフィールドを展開する
「滅びろ・・・地獄の門番・・・!!!バルドームヘル!!!」
「来い、貴様らが無力だと教えてやる」
「消滅しろぉ!!!」
ゼータは叫ぶと引き金を引く
それと同時にヴィクトリーから滅びの一撃が放たれる
それを受けたリム=リムと呼ばれた機械天使はその滅びの一撃をその場で圧縮し細いレーザーへと変える
だがそのレーザーはリム=リムからバルドへと続くその距離にある次元を切り裂き崩壊させながら一直線に放たれる
無防備にそのレーザーを直撃するバルド
放たれ続ける滅びの一撃
バルドのいた場所を抉り次元を崩壊させ穴を開ける
やがてヴィクトリーからの射撃は止まりゼータは引き金を離すとふらつきながら地面へと降りていく
着地と同時にゼータの腰から燃えるように赤く輝く2本の棒が勢い良く顔を出した
「チッ・・・オーバーヒートが速すぎるっす・・・」
「ガッ!?」
それと同時に片方の赤い棒が砕け散った
「片方は外したか」
誰しもが目を疑った
あの一撃を食らってなお立ち続けるバルドームヘルの姿に
「まあいい・・・これでおしまいだ」
そう言い銃を崩れ落ち動かなくなったゼータへと向ける
「あぶなーい!」
「チッ!?」
だがバルドは咄嗟に銃を引くと後ろに飛び下がる
するとバルドのいた場所が綺麗に一段分凹んだ
「ゼータちゃん大丈夫ー?ねえー起きてー?」
白いローブを着ていた者がローブを脱ぎ捨てゼータに駆け寄る
ピンクのウェーブのかかった長い髪に緑の瞳
ゼータと同じくところどころに機械の部品がくっついている
肩を揺さぶるがゼータが動く気配はない
「あぁー!コアが壊れてるー!」
「でも起動用で良かったねぇデータが飛ばなくてお姉ちゃん良かったわぁ」
「まだお前が残っていたな、厄介なものだ」
「あー!バルドームちゃんだー!お久しぶりー!」
「呑気なものだ、すぐにスクラップにしてやる」
「えー!怖いなぁ、こうしちゃえ!」
そう言うと機械天使は両手を勢い良く叩く
「ぐぅ!?」
するとバルドがその場で何かに挟まれるのを拒むように両手を左右に広げ苦しみ始める
「悪い子はぺちゃんこにしちゃうんだから!」
「相変わらず結界の使い方を間違えているようだな」
「えい!えい!」
「チッ・・・」
機械天使のバレバレの手の挙動を見てバルドは飛び回り結界で押し潰そうとする攻撃を避け続ける
その間に銃撃を放つが強固な結界により守られた機械天使を撃ち抜くことは出来ない
今もなお観客席を守っているのはこの機械天使なのだから撃ち抜く事は厳しいだろう
「もー!なんで当たらないのー!」
「デタラメな奴め」
だがどちらの攻撃も届かず消耗戦が始まる
すると機械天使がついにしびれを切らした
「もう怒ったんだからー!」
「ケルビラスオメガの名の下にヴィクトリーの権限を私に移行する!」
「はい!撃っちゃえー!ドーン!」
突然の行動に反応が遅れたバルドはヴィクトリーの射撃を再びその身に受けてしまう
「ぐうおおおおお!?」
だがそれも仕方がないだろう
先程の射撃とは違い圧縮されていないヴィクトリーの射撃は会場全てを埋め尽くす程だった
この会場にいる限り回避することは不可能と言っていいだろう
再び数十秒間続くヴィクトリーの射撃を受け続けるバルド
だが次第に威力は弱くなり周囲の結界と共にヴィクトリーの射撃も消えていった
それと同時にケルビラスオメガの心臓部位から赤く輝く棒が顔を覗かせた」
「あれー?オーバーヒートしちゃったぁ!」
だが目の前には膝を付き荒い呼吸をするバルドの姿
「はぁー・・・ぐっ・・・これでお前らもおしまいだな・・・」
「二度と帰れぬよう地獄に連れて行ってやる・・・」
バルドはそう言うと銃を地面に突きつけると引き金を引く
それと同時にバルドの背後から巨大な門が地面から大地を揺るがし生えてきた
そしてゆっくり開くと赤黒い鎖がゆらゆらと揺れ門から現れる
その鎖はゼータとオメガ目掛けゆっくりと向かって行く
「さあ、地獄に連れて行ってやる・・・天使共が・・・」
「あー!こんなところで地獄に堕ちたくないー!ゼータ起きて何とかしてー!」
「命乞いとは見苦しいな・・・今度は逃しはしないぞ」
その鎖がオメガに触れる直後
空に開いていたゲートから白い閃光が突如バルドを襲う
「ぐっおおおおおおお!?この光はぁ!?」
その閃光に当てられた鎖もボロボロと崩れ消えていく
そしてゲートから一人の天使が現れた
「随分と好き勝手やったわね、オメガ、ゼータ」
「あー!れんぽっぽー!」
「解体するわよ、私はセフィラレンポールってしっかりした名前があるの」
「れんぽっぽー!」
「はぁ・・・」
美しき白き翼
頭には白く輝くリング
金髪の長い美しい髪の天使
レンポールはバルドに白い閃光を浴びせながら地上へと降りる
すると動けなくなったゼータとオメガを回収し再び羽ばたき空を飛ぶ
「あんたも馬鹿じゃないの?あんなの二発もまともに食らうなんて」
「ぐっ・・・ふふふ・・・地獄ごと消滅させると言われ興味が出てな・・・だが期待はずれだったようだ・・・」
「もう一発撃つわよ」
「何度でも耐えてやる、貴様らでは私は殺せん」
「癪に障るわね」
閃光を受けつつバルドは立ち上がりレンポールへ言う
「いいわ、もう一発おみまいしてあげる」
そう言いレンポールは軽く手を上に上げる
そしてゆっくりと振り下ろす直後
バルドの背後の門から無数の触手が伸びヴィクトリーに絡みつくと地面へと引きずり下ろし大破させる
「チッ・・・遊びすぎたわね」
そう言うとレンポールは空に開くゲートに入っていく
すると空に開かれたゲートはゆっくりと閉じ消えていった
「余計な事をしてくれたな」
バルドはその場に座り込むと言う
ゆらゆらと揺れる触手はゆっくりとバルドに絡みつくと地獄の門へとバルドと共に消えていく
そして扉は閉じ黒い霧となり消えていった
会場に訪れる静寂
『あ、えっと、両者不在のため試合不成立ということで・・・』
『会場の整備もあるので後日再び次の試合の日を言いますね・・・』
そう言うとバニーは司会席から消えていく
皆静まり返り会場から出ていく
「夢かなにか見てるのかな?」
「どうだろうな?」
「実に愉快な連中だったな」
一人愉快そうに笑うミーリアス
「どこがぁ!?」
「天使に地獄の門番とは中々興味深い連中だ、いつからこの世界にいたのだろうな?」
「おそらく最後に門からちょっかいを出したのは旧世界の住人だろうな」
「私が生まれるよりも昔とは色々話を聞いてみたいものだ」
ミーリアスの言葉に頭に大量にはてなを浮かべる女子代表
すると突然現れたイエローピゴミンが無言でミーリアスの肩に手を置く
「あぁわかっているさ、これ以上はあまり面倒なことはしないでやる、もっと興味深い者が出てきたことだしな」
そう言うとミーリアスは立ち上がると同時にその場から消えた
「し、知り合いなの!?」
「ピッゴォ?」
イエローピゴミンは首を傾げながら何も知らないと言ったジェスチャーをする
「むむむ・・・?」
「もう何なのー!バルドもなんかすごいやばいしあの天使もミーリアスって人も何もかもわけわからなさすぎてやばいんだけどー!もう何もかもやめたいー!」
「ボスの気持ちもよく分かる・・・」
ブルーピゴミンは女子代表の肩に手を置き首を横に振る
「私が・・・!!!何をしたー!!!」
女子代表の虚しい叫びが響き渡った・・・




